乗用茶園管理機の作業性能
乗用摘採機
(1)作業能率
乗用摘採機による作業時間は、旋回、茶袋交換、生葉搬出のそれぞれの作業能率により影響されます。
下の図表は、各工程に要する時間(表)から、畦長50メートルのモデルほ場を想定してシミュレーションを行ったものです。
大型乗用摘採機(袋式)の収量別作業能率 |
小型乗用摘採機(袋式)の収量別作業能率 |
項目 | 単位 | 大型乗用摘採機 | 小型乗用摘採機 |
---|---|---|---|
旋回 | 1回あたり秒数 | 15 | 10 |
袋交換 | 1回あたり秒数 | 130 | 80 |
袋搬出 | 1回あたり秒数 | 0 | 175 |
平均収容量 | 1回あたりキログラム | 200 | 30 |
生葉搬出量 | 1回あたりキログラム | 該当しない | 90 |
摘採速度(メートル毎秒) | 10アールあたり500キログラム | 0.35 | 0.35 |
10アールあたり750キログラム | 0.28 | 0.28 | |
10アールあたり1000キログラム | 0.224 | 0.224 |
なお、袋搬出は収容した茶袋6つをトラックに積み替えた場合
大型乗用摘採機の方が、袋交換にかかる時間が少なく、生葉を搬出する必要がないため作業能率が優れます。 小型乗用摘採機は1回当たりの収容量が小さいため、袋交換に要する時間が多くかかり、作業能率は大型に比べ劣りますが、比較的軽量でコンパクトなため、旋回に要する時間は少なくて済みますので、狭いほ場で旋回が多い場合に活躍します。 乗用摘採機の収容能力・摘採時の走行速度・茶園の収量・茶園の畦長が、作業能率に大きく影響します。
(2)摘採精度
一般に乗用摘採機は可搬式摘採機に比べて、適正な走行速度の範囲では摘採高が安定し、摘採精度が向上します。
*摘採残存部の平均偏差とは、摘採残存部の長さとその長さの平均値との差を絶対値にして平均にしたもの
乗用摘採機では、摘採面が平面に近くなり従来の扇形に比べ比較的芽揃いがよくなります。
さらに、一定の高さで、刈り取れるため荒茶の粒度も揃いやすくなります
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