産地紹介
1.中北勢地域
・産地の概要伊勢湾に面する地域で小規模な産地が点在しており、北勢地域ではいなべ市、桑名市、中勢地域では多気町、松阪市が中心の産地となっています。津市や鈴鹿市にも栽培が行われ、観光みかん狩りが一部で行われています。 ・課題と取り組み(1)連年安定生産と高品質化平成7年の異常な干ばつ以降、隔年結果が増幅されつつあり、特に中心品種である青島温州でその傾向が強くなってきています。枝別全摘果や施肥改善を進め、隔年結果の防止に努めます。また、マルチ栽培などの普及や樹上選果、家庭選別を強化し、高品質で均一な果実の生産販売に取り組んでいます。 (2)産地の再編整備栽培農家の減少から産地としての維持が益々困難になってくることが予想されることから、意欲のある担い手を中心とした新しい体制の整備を進めています。 |
中北勢地域の温州みかん 栽培面積と生産量
(データは平成17年度) 高糖系ミカンの貯蔵 |
2.南勢地域
・産地の概要この地域は志摩半島に位置し、熊野灘に面した南伊勢町が産地の中心となっています。周辺の志摩市、鳥羽市でも栽培が行われています。 ・課題と取り組み(1)省力・軽労化のための園地整備、機械・施設の導入当産地のみかん園は20度以上の急傾斜地がほとんどで、今後の栽培農家の高齢化の進展を考えると省力化や軽労化が欠かせない課題となっています。将来的には園地集積や基盤の再整備を行う必要がありますが、当面は園地までの農道、耕作道整備とあわせて防除、かん水の省力化を図るためのスプリンクラー等の施設化をすすめています。 (2)優良品種への転換と園地の若返り栽培技術でカバーして高品質を保ってきた産地であることから在来品種の比率が高く、優良品種への更新が遅れています。また、樹齢も30年を越えるものが多く園地の若返りも遅れています。このため、今後は高品質化と生産性向上をより進めるために優良品種への計画的な更新を積極的に進めていきます。 |
南勢地域の温州みかん 栽培面積と生産量
(データは平成17年度) ミカン産地 ミカン摘果現地研修会 |
東紀州地域
・産地の概要東紀州のカンキツ産地は海岸線に位置する尾鷲市、紀北町、海山町の紀北地域と熊野市、御浜町、紀宝町の紀南地域からなっています。この地域の栽培面積は県内の約65%を占めています。 ・課題と取り組み(1)省力化の推進基盤整備は比較的すすんでいるものの未整備の既設園も多くあります。機械化が可能となる基盤整備とあわせて収穫や防除作業などの省力化を図るべく園内作業道の整備や省力機械の導入を進めています。 (2)高品質果実の安定生産高品質な新品種への更新やネット掛け栽培、灌水施設整備、土壌マルチ栽培の普及や中晩柑類の施設栽培等の技術確立に向けて一丸となって取り組んでいます。 (3)周年供給体制の強化年中カンキツ類を供給できるという当産地の特徴を産地戦略としてより充実させるためにマーケッティングに努め、極早生温州、高糖系温州、優良中晩柑の栽培技術確立や品種更新に努めていきます。 (4)産地ブランド及び生産体制の強化農協広域合併を機に生産組織の再編を行い、三重南紀生産販売協議会を核に品種別の生産部会を構成しました。この中で技術方針の統一など生産対策の徹底と消費宣伝や市場との情報交換の強化など、評価向上のための活動にも取り組みを強めていきます。 |
東紀州地域のカンキツ類 栽培面積と生産量 (温州みかん)
尾鷲の夏ミカン 整備された御浜国営開畑団地 |