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平成21年02月10日

産地紹介

1.中北勢地域

・産地の概要

伊勢湾に面する地域で小規模な産地が点在しており、北勢地域ではいなべ市、桑名市、中勢地域では多気町、松阪市が中心の産地となっています。津市や鈴鹿市にも栽培が行われ、観光みかん狩りが一部で行われています。
この地域のみかんは温州みかん栽培の限界温度近くにあるため、普通温州を中心とした貯蔵出荷地帯となっています。従来は在来系の杉山、林、繁田温州等が中心でしたが、現在では高糖系への転換が進み、青島温州が中心品種となっています。
出荷時期は2月~3月で、静岡産の青島温州の出荷後に主力をおいた販売を行っています。系統での市場出荷が中心の産地もありますが、消費地に近いことから直売等の個人販売が多くなってきています。
傾斜園地が多く、栽培者の高齢化からみかん栽培面積の減少が最も大きい地域となっています。

・課題と取り組み

(1)連年安定生産と高品質化

平成7年の異常な干ばつ以降、隔年結果が増幅されつつあり、特に中心品種である青島温州でその傾向が強くなってきています。枝別全摘果や施肥改善を進め、隔年結果の防止に努めます。また、マルチ栽培などの普及や樹上選果、家庭選別を強化し、高品質で均一な果実の生産販売に取り組んでいます。

(2)産地の再編整備

栽培農家の減少から産地としての維持が益々困難になってくることが予想されることから、意欲のある担い手を中心とした新しい体制の整備を進めています。

中北勢地域の温州みかん
栽培面積と生産量

市町村名 栽培面積
(ヘクタール)
生産量
(トン)
桑名市 86 1130
津市 34 1060
松阪市 61 671
多気町 131 1740
第53次三重県農林水産統計年報より抜粋
(データは平成17年度)


高糖系ミカンの貯蔵
高糖系ミカンの貯蔵

2.南勢地域

・産地の概要

この地域は志摩半島に位置し、熊野灘に面した南伊勢町が産地の中心となっています。周辺の志摩市、鳥羽市でも栽培が行われています。
 南伊勢町のみかんは品質本意で出荷規格の厳選を行い、年内から正月用として販売されています。品種構成は早生60%、普通40%で、早生では宮川早生、普通では杉山温州、林温州、南柑20号や当地区で発見された橋川温州等の在来系品種が多くなっています。最近では、青島温州等の優良系統への改植が徐々に進みつつあります。
 出荷のピークは早生が11月、普通が12から1月で、ほとんど県内市場に出荷され、マル五ブランド名で県内はもとより全国的にみても高単価で取り引きされています。
 栽培の特徴は早期摘果を徹底し、しかも果梗の細い果実を残し、樹上選果・家庭選別・選果場での品質チェックを徹底し高品質果実の均質化生産を図っていることです。過去には高品質生産を追求するあまり、後期摘果のみに重点を置き隔年結果を助長した経緯もありましたが、現在では早期摘果による次年度の母枝確保にも努め生産安定が図られるようになっています。
 園地は急傾斜の段畑が大半で、一部スプリンクラー等の省力防除施設が導入されつつありますが、園地基盤の整備や機械化は遅れています。

・課題と取り組み

(1)省力・軽労化のための園地整備、機械・施設の導入

当産地のみかん園は20度以上の急傾斜地がほとんどで、今後の栽培農家の高齢化の進展を考えると省力化や軽労化が欠かせない課題となっています。将来的には園地集積や基盤の再整備を行う必要がありますが、当面は園地までの農道、耕作道整備とあわせて防除、かん水の省力化を図るためのスプリンクラー等の施設化をすすめています。

(2)優良品種への転換と園地の若返り

栽培技術でカバーして高品質を保ってきた産地であることから在来品種の比率が高く、優良品種への更新が遅れています。また、樹齢も30年を越えるものが多く園地の若返りも遅れています。このため、今後は高品質化と生産性向上をより進めるために優良品種への計画的な更新を積極的に進めていきます。

南勢地域の温州みかん
栽培面積と生産量

市町村名 栽培面積
(ヘクタール)
生産量
(トン)
南伊勢町 200 3960
志摩市 27 408
第53次三重県農林水産統計年報より抜粋
(データは平成17年度)


ミカン産地
ミカン産地

ミカン摘果現地研修会
ミカン摘果現地研修会

東紀州地域

・産地の概要

東紀州のカンキツ産地は海岸線に位置する尾鷲市、紀北町、海山町の紀北地域と熊野市、御浜町、紀宝町の紀南地域からなっています。この地域の栽培面積は県内の約65%を占めています。
主力となる紀南地域は平成9年の農協広域合併に伴い4市町村が一つの産地となりました。栽培面積は県下最大の規模を誇っています。品種構成は温州みかんが全体の7割を占め、そのうち極早生温州が約4割、早生温州が約6割となっています。中晩柑の主な品種は甘夏、伊予柑、セミノール、不知火、カラ、サマーフレッシュで国営開畑団地を中心に栽培されています。ハウスみかんからサマーフレッシュまで年中みかんが採れる地域として種々の品種を栽培しています。
産地の特徴は、温暖な気候と年間2800ミリの多雨条件を生かした温州みかんの早期出荷と越年品種の栽培が可能なことによる周年供給体制のほか、軽労化をねらいとして県営ほ場整備事業による金山パイロット、国営農地開発事業による国営御浜地区農地開発団地など基盤の整備が早くから進められていることです。また、作業の省力化を図るためにスピードスプレヤーや施肥機等の導入もすすみつつあります。

・課題と取り組み

(1)省力化の推進

基盤整備は比較的すすんでいるものの未整備の既設園も多くあります。機械化が可能となる基盤整備とあわせて収穫や防除作業などの省力化を図るべく園内作業道の整備や省力機械の導入を進めています。

(2)高品質果実の安定生産

高品質な新品種への更新やネット掛け栽培、灌水施設整備、土壌マルチ栽培の普及や中晩柑類の施設栽培等の技術確立に向けて一丸となって取り組んでいます。

(3)周年供給体制の強化

年中カンキツ類を供給できるという当産地の特徴を産地戦略としてより充実させるためにマーケッティングに努め、極早生温州、高糖系温州、優良中晩柑の栽培技術確立や品種更新に努めていきます。

(4)産地ブランド及び生産体制の強化

農協広域合併を機に生産組織の再編を行い、三重南紀生産販売協議会を核に品種別の生産部会を構成しました。この中で技術方針の統一など生産対策の徹底と消費宣伝や市場との情報交換の強化など、評価向上のための活動にも取り組みを強めていきます。

東紀州地域のカンキツ類
栽培面積と生産量


(温州みかん)
市町村名 栽培面積
(ヘクタール)
生産量
(トン)
熊野市 183 3260
御浜町 617 13000
紀宝町 76 1580
尾鷲市 27
紀北町 40 543
(中晩柑類)
市町村名 栽培面積
(ヘクタール)
生産量
(トン)
熊野市 10 204
御浜町 148 3070
紀宝町 50
尾鷲市 29 499
紀北町 18 300
尾鷲の夏ミカン
尾鷲の夏ミカン

整備された御浜国営開畑団地
整備された御浜国営開畑団地

本ページに関する問い合わせ先

三重県 中央農業改良普及センター 専門技術室(果樹普及課) 〒515-2316 
松阪市嬉野川北町530
電話番号:0598-42-6707 
ファクス番号:0598-42-7762 
メールアドレス:fukyuc@pref.mie.lg.jp

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