2.三重の風土と自然
“うまし国”三重
三重県は日本列島のほぼ中央部に位置し、東に伊勢湾、太平洋に面した東西約80キロメートル、南北約170キロメートルの南北に長い県土を持っています。古くから東西日本の交通や文化の接点として位置付けられてきました。
また、日本書紀によると天照大神が伊勢の地にこられたとき、「この神風の伊勢国は、傍国のうまし国なり、この国に居らんと思う」と言われたとあり、古代から三重の地は平和な静かな別天地の「うまし国」と考えられていました。
県土は伊勢、志摩、伊賀、紀州の4国からなり、自然環境に恵まれ、海の幸、山の幸、里の幸に恵まれた豊かな「うまし国」でもあります。
気候
三重県の気象は東紀州、南勢、中勢、北勢、伊賀地域の5つに区分されますが、海岸線に沿って南北に長い地勢のため、海岸線から遠ざかるほど気温が低くなっていくのが特徴となっています。
年間の平均気温は東紀州の海岸部(熊野市、御浜町、紀宝町)で最も高く16.5℃、内陸部の伊賀地域(伊賀市)が最も低く12℃で約4℃の開きがあります。
温州みかんの主要産地は海岸線を望む15から16℃、中晩柑は16℃以上の地帯にあります。
降水量
年間降水量は、東紀州地域の大台山系付近(尾鷲市等)が最も多く約4000ミリとなっており全国有数の多雨地帯の1つとして数えられています。最も少ないのが内陸部の伊賀地域で約1400ミリとなっています。
カンキツの主な栽培地域は比較的降水量が多い2000から3000ミリの地帯に入っています。
土壌
地質は県中央部を東西に走る中央構造線によって大きく2つに区分されます。このため、土壌は複雑に分布し、12土壌部、33土壌統群、119土壌統に分類されておりバラエティに富んでいます。
耕地となっている主な土壌は北勢地域を中心とした黒ボク土と県下全域に分布する灰色低質土です。
かんきつの中心産地は黄色土の地帯に分布しています。