サツキツツジの三重県育成品種
伊勢路紅、伊勢路紫、伊勢小町の伊勢シリーズ3品種で、どれもサツキとツツジをかけあわせた品種です。
この品種は5月上中旬に開花するので、開花時期が4月下旬のクルメツツジ、5月上旬のヒラドツツジ、6月の三重サツキと組み合わせることによって、春から初夏の街角を絶え間なく彩るという特徴を持っています。
もちろん、三重サツキと同様に大変丈夫で育てやすく、和洋のいずれにもベストマッチします。
是非ともご活用下さい。
伊勢路紅
花は一重のやや小型で、明紫赤色の花を咲かせます。やや細型の花なのでシャープな印象を受けます。開花期は5月上中旬で、久留米ツツジとサツキの中間期に咲きます。
紅葉は初秋までは浅いものの、厳冬期には赤くなります。
伊勢路紫
花は一重でやや大きめ、鮮紫ピンク色の花を咲かせます。紫がかった花の色が名前の由来となっています。開花期は5月上中旬で、久留米ツツジとサツキの中間期に咲きます。
紅葉は三重サツキと比べてやや浅いので、春まで葉に緑色が残ります。
伊勢小町
花は一重のやや小型で、鮮紫ピンク色の花を咲かせます。やや細型の花ですが、花数は多くなります。開花期は5月上中旬で、久留米ツツジとサツキの中間期に咲きます。
樹姿は半球形で自然に鑑賞性の高い形になるので、鉢物用にも向きます。紅葉は初秋までは浅いものの、厳冬期には赤くなります。
伊勢シリーズ 特性一覧
品種名 | 伊勢路紫 | 伊勢路紅 | 伊勢小町 | (参考)三重サツキ | |
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開花時期 | 5月上中旬 | 5月上中旬 | 5月上中旬 | 6月上旬 | |
花 | 花色 | ピンク系で紫色が強い | ピンク系で赤紫色が強い | ピンク系で鮮赤紫色 | 従来のピンク色 |
花色No | 9205 | 9706 | 9705 | 9704 | |
サイズ・型 | 中小型やや丸弁 | 中小型やや剣弁 | 小型やや剣弁 | 中型やや丸弁 | |
花弁 | 三重サツキよりやや薄い | 三重サツキより厚い | 三重サツキより厚い | 厚い | |
着花数 | 多い | 多い | きわめて多い | 中程度 | |
葉 | 葉色 | 夏期は濃い緑色 冬期の紅葉度は低い |
夏期は濃い緑色 冬期の紅葉度は初冬から高くなる |
夏期は濃い緑色 冬期の紅葉度は初冬低く後に高くなる |
夏期は濃い緑色 冬期の紅葉度は初冬低く後に高くなる |
葉形 | 狭楕円形 | 狭楕円形 | 狭楕円形 | 狭楕円形 | |
サイズ | やや大型 | 中型 | 中型 | 中型 | |
樹 | 徒長枝 | 発生が多い傾向 | 発生が多い傾向 | 発生が少ない傾向 | 発生が多い傾向 |
形 | 広株立状 | 広株立状 | 半球形 | 広株立状 | |
環境耐性 | 強い | 強い | 強い | 強い | |
病害虫耐性 | 強い | 強い | 強い | 強い | |
用途 | 緑化用 | 緑化用 | 緑化用・和物鉢花 | 緑化用 |
*花色:日本園芸植物標準色表 資料提供:三重県農業研究所
この新品種は、三重県科学技術振興センターが昭和59年に育種を開始し、平成13年3月に品種登録出願した品種です。増殖・配布の権利は三重県花植木振興会植木部が所有しています。