日本一!三重サツキ
1.三重県植木栽培の始まり
三重県の植木生産は、明治の初めごろ尾張の国の植木産地から入植した人々によって、鈴鹿市鞠野地区で始まり、明治35年には農家による組合が結成されました。また、特産品となるサツキが鈴鹿に初めて導入されたのは大正12~13年ごろといわれています。 |
2.「三重サツキ」の躍進
昭和39年の東京オリンピックを契機に、大量の同一樹種を植え込んで集合美を鑑賞するような公共緑化の需要が爆発的に増加しました。その需要にマッチしたサツキは、三重の特産品として生産量を増やしました。そして、それまで「並サツキ」と呼ばれていたものの中から優良な系統を選抜し、「三重サツキ」と命名されたのが昭和45年です。同年に開催された大阪万博も、三重サツキの需要増に拍車をかけました。
昭和50年代には当たり前のように全国で公園や道路に三重サツキが植えられるようになり、時流に乗った三重サツキ生産は三重県きっての特産品となりました。
3.「三重サツキ」の特徴
では、「三重サツキ」として選抜された系統の性質とはどんなものだったのでしょうか。それは次のようなものでした。このような特徴が需要を呼び、シェアを伸ばしました。
- 樹勢が強く、刈り込みによく耐える
- 小型の照り葉で、冬季には美しく紅葉する
- 花は中輪で、花弁は厚く、桃紅色で美しい
- 枝葉は密生し、根張りがよい
4.「三重サツキ」の近況
長年にわたって、三重県はサツキ類の生産量全国一を誇っています。そのシェアは約40%。まさに日本一のサツキ産地です。 先に挙げた性質の他に、大量に入手できることや、日本の酸性土壌に適していることなど、いろいろな長所がある「三重サツキ」。これからも、三重県は全国一のサツキ産地として、良品を供給し続けていくことでしょう。毎年5月下旬ごろから、ピンクの花が日本中の街を彩ります。 |