農業普及現地情報
ICTで匠の技を継承・学習支援システムのお披露目会が開催されました(平成30年2月普及現地情報)
紀州地域農業改良普及センター
「産地に歴史有り」と言われ、必ず産地ならではの技術が醸成されています。その培われた営農技術を使ってこそ、産地のブランドが確立され信頼され続けるものです。農業者の減少は、生産力の減退とともに、産地の技術情報も同時に失っていきます。これまでJA三重南紀では、NECソリューションイノベータとICTを活用して匠の技術を可視化し、担い手に伝承していく事業(人工知能未来農業創造プロジェクト推進事業)に取り組んできました。この度、担い手へ営農技術を伝承するツールとなりうる農業技術学習支援システム※(以下、システムという)の試用版が完成したので、そのお披露目とデモ体験会が2月2日(金)に開催されました。当日は、30歳~40歳前半の若手カンキツ生産者20名に参加していただき、事業概要やシステムの操作説明等を行った後、実際にタブレットを用いて操作していただきました。 現在のシステムの内容は、剪定・摘果・マルチ栽培での水分管理の3作業ですが、生産者からは「病害虫に関する学習コンテンツもあったらいいね」「気象データやJAの集出荷データと連携が出来ないか?」「ベテラン農家の意見を取り入れてどんどんカスタマイズしていってほしい」といった声が上がるなど、このシステムをより良いものにするため多くの意見をいただきました。 「ベテランの技術を残していくことが重要だと改めて思った」と聞き、関係機関と生産者間での課題の再認識と共有が出来たという点でもとても良い会になったと感じています。普及センターは、今後もICTを活用しながらベテラン農家の持つ匠の技を残し、産地の担い手に伝承できるよう、関係機関と協力して取り組んでいきます。 ※農業技術学習支援システム・・・ベテラン農家の剪定や摘果等の作業を映像で確認、剪定・摘果・マルチ栽培における水分管理に関する問題解決、それらの作業に関する営農資料の確認といったデジタルテキストを提供するスマートフォン・タブレット用アプリケーションのこと。 |
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