資料3―18 三重県における赤潮発生状況(平成17年1月1日~12月31日)
整理番号 | 発生時期 | 発生海域 | 赤潮構成種名 | 発生状況および発達状況 | 最大 面積 (km2) |
発生 水深 (m) |
最高 細胞数 (cells/ml) |
漁業被害 の有無 (被害整 理番号) |
情報源 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1(K-1) | 1.6 | 熊野灘北部 (尾鷲湾) |
Mesodinium rubrum |
1.6に尾鷲湾の引本浦においてMesodinium rubrumによる赤潮が確認された。最高細胞数は矢口0m層と2m層の1,900cells/mlであった。 水色:赤紫色 | 不明 | 0-5 | M.r. 1,900 |
無 | 尾鷲水産研究室 |
2(I-1) | 2.15- 3.22 | 伊勢湾 (南東部) |
Chaetoceros socialeEucampia zodiacus |
2.15 南知多町豊浜地先おいてEucampia zodiacus による赤潮が確認された。その後Chatoceros sociale も構成種となり、野間地先まで範囲を拡大し,3.22まで継続した。この赤潮により篠島や師崎など南部を中心にノリ養殖に色落ち被害をもたらした。 | >20 | 0 | C.s 40,390E.z 7,290 |
有① | 知多農林水産事務所 知多のり研究会 |
3(I-2) | 3.2 | 伊勢湾 (北西部~西部) |
Skeletonema costatum |
3.2 に伊勢湾の北西部から西部(鈴鹿市沖)においてSkeletonema costatumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,楠町0m層における9,600cells/mlであった。2.23頃から密度が増加し,3.2に赤潮が確認されたが,3.9には終息していた。 | 不明 | 0 | S.c. 9,600 |
無 | 三重県漁連 鈴鹿水産研究室 |
4(S-1) | 3.7 | 志摩度会 (奈屋浦) |
Euglena sp. | 3.7に奈屋浦(カサラギ池)においてEuglena sp.による赤潮が確認された。最高細胞数はカサラギ池の0m層の5,900 cells/mlであった。 | 不明 | 0 | E.sp. 5,900 |
無 | くまの灘漁協 南島町 水産研究部 |
5(S-2) | 4.18- 4.19 |
志摩度会 (浜島町地先) |
Noctiluca scintillans |
4.18 に浜島町塩鹿浜においてNoctiluca scintillansによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における108cells/mlであった。 | 不明 | 0 | N.s. 108 |
無 | 水産研究部 |
6(S-3) | 4.19 | 志摩度会 (鳥羽市) |
Noctiluca scintillans (推定) |
4.19に鳥羽市沿岸(答志島北部)においてNoctiluca scintillans(推定)による赤潮が確認された。 水色:橙色 | 不明 | 0 | 不明 | 無 | 南勢志摩県民局水産室 |
7 (I-3) | 4.29 | 伊勢湾 (北西部~西部) |
Noctiluca scintillans (推定) |
4.29に四日市市から鈴鹿市沖および雲出川河口付近でNoctiluca scintillans(推定)による赤潮が確認された。 水色:淡い朱色 | >0.5 | 不明 | 不明 | 無 | 第四管区海上保安部 |
8(K-2) | 5.16- 5.17 |
熊野灘北部 (尾鷲湾) |
Prorocentrum dentatum |
5.16 に海山町矢口浦においてProrocentrumdentatumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,5.17の2m層における39,500cells/mlであった。 | 不明 | 0-5 | P.d. 39,500 |
無 | 尾鷲水産研究室 紀北県民局水産室 |
9(I-4) | 5.24 | 伊勢湾 (北東部) |
Skeletonema costatum |
5.24 名古屋港南部から野間にかけての伊勢湾北東部海域においてSkeletonema costatum による赤潮が確認された。 水色:(36) | 173 | 0 | S.c 70,240 |
無 | しらなみ |
10(I-5) | 6.6- 6.14 |
伊勢湾 (北東部) |
Gymnodinium sp. (Midorishio) |
6.6~14まで、常滑から野間にかけての伊勢湾北東部海域においてGymnodinium sp. (Midorishio) による赤潮が確認された。 水色:(42) | 126 | 0 | G.sp. 2,410 |
無 | しらなみ 鬼崎漁協 |
11(I-6) | 6.7 | 伊勢湾 (西部) |
Noctiluca scintillans |
6.7 に伊勢湾西部においてNoctiluca scintillansによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における404cells/mlであった。 | 不明 | 0 | N.s. 404 |
無 | 鈴鹿水産研究室 水産研究部 |
12(S-4) | 6.24 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Heterosigma akashiwo |
6.24に五ヶ所湾相賀浦大池においてHeterosigmaakashiwoによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における330 cells/mlであった。 | 不明 | 0-9 | H.a. 330 |
無 | 南勢町水産種苗センター |
13(I-7) | 7.1 | 伊勢湾 (南西部) |
Gymnodinium sp.(Midorishio) |
7.1 に伊勢湾南西部においてGymnodinium sp.(Midorishio)による赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における3,950cells/mlであった。 | 不明 | 0 | G.sp. 3,950 |
無 | 鈴鹿水産研究室 水産研究部 |
14 (S-5) | 7.3 | 志摩度会 (鳥羽市) |
Gymnodinium sp.(Midorishio) |
7.3に鳥羽市浦村においてGymnodinium sp.(Midorishio)による赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における42,500 cells/mlであった。 | 不明 | 0 | G.sp. 42,500 |
無 | 鳥羽磯部漁協 水産研究部 |
15(K-3) | 7.6 | 熊野灘北部 (尾鷲湾) |
Ceratium furca | 7.6に尾鷲湾奥部においてCeratium furcaによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における420 cells/mlであった。 | 不明 | 0-5 | C.f. 420 |
無 | 尾鷲水産研究室 紀北県民局水産室 |
16(S-6) | 7.10- 7.22 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Heterocapsa circularisquama |
7.10に英虞湾の又吉前においてHeterocapsacircularisquamaによる赤潮が確認された。7.10に又吉前の2m層で2,410 cells/mlが確認され,7.11には波切の2m層で492 cells/mlが確認された。その後,発生水域が湾中央部へ拡大した。 最高細胞数は,7.10の又吉前2m層における2,410 cells/mlであった。7.22に東市場5m層で168 cells/mlが確認されて以降,赤潮は確認されなかった。 | 不明 | 0-10 | H.c. 2,410 |
無 | 英虞湾内真珠養殖漁協 水産研究部 |
17(I-8) | 7.12- 7.20 |
伊勢湾 (北中部) |
Skeletonema costatumThalassiosira sp. |
7.12常滑沖の海域においてSkeletonema costatum による赤潮が確認された。その後,この赤潮は伊勢湾の北中部へと範囲を拡大し,小型のThalassiosira sp. に優占種を変化させて7.20まで継続した。 水色:(27,45) | 640 | 0 | S.c 20,250T.sp. 51,950 |
無 | しらなみ ちた |
18(I-9) | 7.12 | 伊勢湾 (南東部) |
Noctiluca scintillans |
7.12 豊浜沖の伊勢湾南東部海域においてNoctiluca scintillans による赤潮が確認された。 | >13 | 0 | 不明 |
無 | しらなみ |
19(I-10) | 7.21 | 伊勢湾 (南東部) |
Noctiluca scintillans |
7.21 内海から豊浜地先にかけてNoctiluca scintillans による赤潮が確認された。 | 不明 | 0 | 不明 |
無 | 漁業生産研究所 |
20(S-7) | 7.22 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Heterocapsa circularisquama |
7.22に五ヶ所湾の相賀浦大池においてHeterocapsacircularisquamaによる赤潮が確認された。最高細胞数は5m層における280 cells/mlであった。 | 不明 | 5 | H.c. 280 |
無 | 南勢町水産種苗センター |
21(K-4) | 8.1 | 熊野灘北部 (尾鷲湾) |
Gymnodinium sp. | 8.1 に尾鷲湾矢口浦においてGymnodinium sp.による赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における1,400cells/mlであった。 | 不明 | 0 | G.sp. 1,400 |
無 | 紀北県民局水産室 |
22(I-11) | 8.2- 8.4 | 伊勢湾 (中~南部) |
Noctiluca scintillans |
8.2~8.4にかけて伊勢湾の広範囲でNoctiluca scintillans が確認され,湾の中央部や知多半島沿岸,松阪沖で濃いパッチを形成した赤潮となって確認された。 水色:だいだい色 | >67 | 0 | N.s. 1,250 |
無 | 鈴鹿水産研究室 水産研究部 しらなみ 海幸丸 |
23 (S-8) | 8.8 | 志摩度会 (英虞湾) |
Heterocapsa circularisquama |
8.8に英虞湾立神においてHeterocapsa circularisquamaによる赤潮が確認された。最高細胞数は,9m層における210 cells/mlであった。 | 不明 | 5-9 | H.c. 210 |
無 | 水産研究部 |
24(S-9) | 8.12 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Heterocapsa circularisquama |
8.12に五ヶ所湾迫間浦においてHeterocapsa circularisquamaによる赤潮が確認された。最高細胞数は,5m層における580 cells/mlであった。 | 不明 | 5 | H.c. 580 |
無 | 南勢町 |
25(I-12) | 8.17 | 伊勢湾 (中部) |
Skeletonema costatum |
8.17 伊勢湾中部海域においてSkeletonema costatum による赤潮が確認された。 水色:(36) | >216 | 0 | S.c. 9,580 |
無 | しらなみ |
26(S-13) | 8.17 | 伊勢湾 (中部) |
Alexandrium affine |
8.17 伊勢湾中央部の狭い範囲においてAlexandrium affine による赤潮が確認された。この赤潮は,同日に発生している赤潮(整理番号25)の範囲内で周囲とは異なる水色で発生していた。 水色:(15) | 13 | 0 | A.a. 2,580 |
無 | しらなみ |
27(K-5) | 8.17 | 熊野灘北部 (錦) |
Heterosigma akashiwo |
8.17に大紀町錦においてHeterosigmaakashiwoによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における23,300 cells/mlであった。 | 不明 | 0 | H.a. 23,300 |
無 | 尾鷲水産研究室 |
28(S-10) | 8.19- 8.24 | 志摩度会 (英虞湾) |
Heterosigma akashiwo |
8.19に英虞湾塩屋浦においてHeterosigma akashiwoによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における18,000 cells/mlであった。8.22には塩屋浦0m層において1,059 cells/ml,8.24には鴻の浦と塩屋浦0m層において最高4,150 cells/mlが確認された。 | 不明 | 0-10 | H.a. 18,000 |
無 | 水産研究部 |
29(S-11) | 8.22 | 志摩度会 (的矢湾) |
Heterocapsa circularisquama |
8.22に的矢湾渡鹿野島西においてHeterocapsa circularisquamaによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における115 cells/mlであった。 | 不明 | 0-2 | H.c. 115 |
無 | 若狭大月真珠養殖株式会社 |
30(S-12) | 8.23 | 志摩度会 (的矢湾) |
Gymnodinium pulchellum |
8.23に的矢湾中崎においてGymnodinium pulchellumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層における23,000cells/mlであった。 | 不明 | 0 | G.p. 23,000 |
無 | 水産研究部 |
31(S-13) | 9.8- 10.3 |
志摩度会 (五ヶ所湾) |
Prymnesiales Calyptrosphaera sp. Cochlodinium polykrikoides |
9.8 に五ヶ所湾礫浦においてPrymnesialesによる赤潮が確認された。最高細胞数は,2m層における1,350cells/mlであった。9.16には優占種がCalyptrosphaera sp.に変わり,その後Cochlodiniumpolykrikoidesとの混合 赤潮を形成した。9.27には,Calyptrosphaera sp.の最高細胞数が0m層で360,000 cells/mlとなり,9.28にはCochlodiniumpolykrikoidesの最高細胞数が0m層で4,160 cells/mlであった。その後10.3まで継続した。 | 不明 | 0-10 | P. 1,350C.sp. 360,000C.p. 4,160 |
無 | 南勢町 水産研究部 くまの灘漁協 南勢志摩県民局水産室 |
32(I-14) | 9.12- 9.17 |
伊勢湾 (北東部) |
Thalasiosira sp. Chaetoceros sp. Skeletonema costatum |
9.12 常滑市沖の中部国際空港周辺においてThallasiosira sp.などによる珪藻赤潮が確認された。その後,知多市沖や名古屋港南部でも発生が確認され,9.17まで継続した。 水色:(33,36) | 320 | 0 | T.sp. 21,150C.sp. 17,700S.c. 11,950 |
無 | しらなみ |
33(S-14) | 9.21 | 志摩度会 (方座浦) |
Mesodinium rubrum |
9.21に南島町方座浦においてMesodinium rubrum赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層の2,500cells/mlであった。 | 不明 | 0-5 | M.r. 2,500 |
無 | 南島町水産種苗センター |
34(I-15) | 9.24 | 伊勢湾 (中央部) |
種不明 | 9.24 伊勢湾中央部において,幅約0.5km,長さ約3kmの範囲内で種不明の赤潮が確認された。 水色:淡い朱色 | 1.5 | 0 | 不明 |
無 | 第四管区海上保安本部 |
35(I-16) | 10.12 | 伊勢湾 (北東部) |
Skeletonema CostatumChaetoceros sp. |
10.12 名古屋港南部の知多市沿岸域においてSkeletonema costatum などによる珪藻赤潮が確認された。 水色:(45) | 25 | 0 | S.c. 10,000C.sp. 4,540 |
無 | しらなみ |
36(S-15) | 10.14 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Skeletonema costatum |
10.14に五ヶ所湾礫浦から相賀浦においてSkeletonema costatumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層の19,500cells/mlであった。 | 不明 | 0-10 | S.c. 19,500 |
無 | 南伊勢町 |
37(I-17) | 10. 20- 11.2 |
伊勢湾 (中部・南西部) |
Scrippsiella trochoidea |
10.20 中部国際空港沖の伊勢湾中央部において Scrippsiella trochoidea による赤潮が確認された。その後,松阪沖や二見浦沖でも確認され,11.2まで継続した。最高細胞密度は,10.28における0m層の22,500cells/mlであった。 水色:(27) |
>80 | 0 | S.t. 22,550 |
無 | 鈴鹿水産研究室 水産研究部 しらなみ |
38(S-16) | 10.27- 11.2 | 志摩度会 (的矢湾) |
Scrippsiella trochoidea |
10.27に的矢湾渡鹿野島東(中崎)においてScrippsiella trochoideaによる赤潮が確認された。最高細胞数は11.2の国府宮潟浦0m層における14,550 cells/mlであった。 | 不明 | 0 | S.t. 14,550 |
無 | 水産研究部 志摩市 南勢志摩県民局水産室 |
39(I-17) | 11.24 | 志摩度会 (元方座浦) |
Mesodinium rubrum |
11.24に元方座浦においてMesodiniumrubrumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0.5m層の860 cells/mlであった。 | 不明 | 0.5 | M.r. 860 |
無 | 水産研究部 立神真珠養殖漁協 |
40(S-18) | 11.29- 12.12 |
志摩度会 (的矢湾) |
Kareniasp. |
11.29に的矢湾千賀港および国府宮潟浦においてKarenia sp.による赤潮が確認された。最高細胞数は,国府宮潟浦の1m層における13,000 cells/mlであった。本種はKarenialongicanalisに類似しているが,新種の可能性もある。 水色:(33-42) | 不明 | 0-4.5 | K.sp. 13,000 |
有② | 水産研究部 南勢志摩県民局水産室 |
41(K-6) | 11.29 | 熊野灘北部 (白浦) |
Mesodinium rubrum |
11.29に紀北町の白浦においてMesodinium rubrumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0.5m層の940cells/mlであった。 | 不明 | 0.5 | M.r. 940 |
無 | 紀北県民局水産室 |
42(S-19) | 12.7 | 志摩度会 (五ヶ所湾) |
Cochlodinium polykrikoides |
12.7に五ヶ所湾の五ヶ所浦においてCochlodinium polykrikoidesによる赤潮が確認された。最高細胞数は,0m層の630cells/mlであった。 | 不明 | 0 | C.p. 630 |
無 | 南伊勢町南勢種苗センター |
43(K-7) | 12.26 | 熊野灘北部 (尾鷲湾) |
Prorocentrum dentatum |
12.26に尾鷲湾白石湖においてProrocentrumdentatumによる赤潮が確認された。最高細胞数は,4m層の21,750 cells/mlであった。 | 不明 | 4 | P.d. 21,750 |
無 | 水産研究部 若狭大月真珠養殖株式会社 |
【備考】
- H.circularisquamaは100cells/ml以上を赤潮として扱った。
【注】
- 「整理番号」は、発生時期の順に一連番号を記載し、( )内には発生海域毎に一連番号を記載した。(I、S、Kはそれぞれ伊勢湾、志摩度会、熊野灘北部の各海域を示す。)
- 2あるいは3海域にまたがって発生した場合は、各海域のそれぞれに発生したものとして扱った。従って、例えば2つの海域にまたがって発生した場合は、1つの発生に対して2つの整理番号を与え、発生件数は2件とカウントした。
- 「発生時期」は、発生が確認された日から消滅日までを記載することを基本としたが、同一海域で発生、消滅(一時的な細胞数の減少)を繰り返したものについては、最初の発生から最後の発生まで(完全な赤潮の終息まで)を1単位として記載した。
- 水色表示の( )内は、赤潮情報伝達事業、赤潮調査事業水色カードの番号で示した。