平成16年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況
平成17年8月29日
連絡先
環境森林部水質改善室
水質・土壌安全グループ
担当:新家・大北 電話059-224-3145
1.発表事項
平成16年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況について
2.発表内容
平成16年における北勢地域の地盤沈下は、1cm以上の沈下が2点観測され沈下域を形成(木曽岬町地内)したものの、沈下域を形成した地域の近10年間の沈下は横ばい傾向を示しており、全般的には近年の沈静化傾向に変化はありませんでした。また、北勢地域内の地下水位は、観測井戸において全般的に概ね上昇の傾向にあります。
地盤沈下の状況
当県の北勢地域における地盤沈下の状況を把握するため、関係機関と協力し、年1回の水準測量を実施しています。
平成16年の測量結果は次のとおりです。
観測水準点 | 134地点 |
1センチメートル以上の沈下水準点 | 2地点(平成15年は0地点) |
沈下を示した水準点 | 88地点(全観測点の66%) |
年間最大沈下量 | -1.29cm 木曽岬町加路戸 |
過去5年間における累積沈下量の最大値 | -3.8cm 桑名市多度町福永 |
昭和36年~平成16年の累積沈下量の最大値 | -159.2cm 桑名市長島町松陰 |
(ただし桑名市長島町松陰については、沈下は平成5年以降沈静化しています。)
1センチメートル以上の沈下域(木曽岬町地内) | 3.0km2(平成15 年は0.0km2) |
北勢地域の地盤沈下は、昭和47年から昭和49年をピークに昭和59年まで年間1cm以上の沈下量を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたり年間1cm以上の沈下域を形成しました。しかし、昭和60年以降は異常渇水のあった平成6年を除いて地盤沈下は沈静化傾向にあります。
地下水の状況
当県では、地盤沈下と密接に関連のある地下水の状況を把握するため、関係機関と協力し観測井戸25箇所での地下水位について年間を通して観測しています。
その結果、測定した25箇所の内16箇所で水位が上昇しています。また、当該年に下降を示した井戸についても、長期的に見れば水位は回復傾向にあります。
3.今後の対応
地盤沈下は沈静化傾向にありますが、当該地域は、異常渇水による一時的な地下水位低下でも沈下が拡大する軟弱な地質であること、また、当該年のように一部地域で1cm以上の沈下が観測される状況があることなど、今後も水準点、地下水位の観測及び地下水揚水量の規制を行い、注意深く監視・観測を続けていく必要があります。さらに、東海三県にまたがる「濃尾平野地盤沈下防止等対策要綱(昭和60年4月26日地盤沈下防止等対策関係閣僚会議決定)」に基づき、関係機関と協力の上、広域的な対策を推進します。
東海三県地盤沈下調査会(事務局:国土交通省中部地方整備局)
平成17 年8 月29 日(月曜)14 時同時発表
「平成16 年における濃尾平野の地盤沈下の状況」について
- 表1~6 地盤沈下の観測状況 (PDF:97KB)
- 表7 沈下水準点および沈下面積の経年変化 (PDF:45KB)
- 表8 地盤沈下面積(沈下域)の推移 (PDF:48KB)
- 表9 地下水位観測一覧表 (PDF:61KB)
- 図1 主な水準点の経年変化グラフ (PDF:71KB)
- 図2 規制区域の揚水量と地下水位の変化グラフ (PDF:51KB)
- 図3 H16年1cm以上の沈下を示した点の経年変化グラフ (PDF:63KB)