風水害による化学物質の流出を防ぎましょう
化学物質を取り扱う事業所のみなさまへ
2020年9月4日
大気・水環境課
近年、台風や記録的豪雨等に伴う河川の氾濫により甚大な被害がもたらされています。他県では、浸水被害により、油や化学物質を取り扱う事業所等で施設の破損等による重大な漏洩事故も発生し、近隣住民の生活に影響が出ました。被害を未然に防ぐために「想定外の自然災害」を想定した事前の対策をいただきますようお願いいたします。
近年の風水害による化学物質の流出事故例
- 令和元年8月、佐賀県大町町では大雨による河川氾濫の影響により、鉄工所から大量の焼入れ油等が流出(約8万L)。周辺地域に滞留し、近隣住民の生活に影響が出ました。過去の浸水による経験から、建屋のかさ上げ等の対策が取られていましたが、想定を超える雨量のため流出事故が発生しました。
- 令和元年10月、福島県郡山市では台風により、複数のメッキ工場のめっき槽・廃液槽等からシアン化ナトリウムが流出。溶剤リサイクル工場からも有害物質入りのドラム缶などが流出し、近隣住民が避難する事態となりました。また他にも薬品管理簿が流出したことから、薬品等の流出量が不明となったケースもありました。
ハザードマップの確認
事業所が所在する地域のハザードマップを参照し、浸水による被害想定を確認してください。
防災のための行動計画整備
1.平常時や、台風等の直前直後の対応を時系列に整理した防災行動計画を整備してください。2.台風進路情報等の情報、近隣に河川のある場合は、河川の水位情報を入手してください。
3.事業所内への浸水防止や化学物質の流出防止について対策等を実施してください。
(1)浸水防止対策:土のう・水のう・止水版の設置
(2)流出防止対策:ビニールシートがけ、容器の固定や蓋閉めの確認、高所への移動など
4.浸水、土砂流入、強風等の負荷に耐える設備改修を検討してください。
事業所が被災し、化学物質漏洩事故等が発生した場合
事業所が被災し、化学物質漏洩事故等が発生した場合は、速やかに事業所所在地に対応した下記連絡先までご連絡をお願いいたします。 リンク先:各地域防災総合事務所・活性化局環境室等
なお、災害・事故発生時のPRTR対象化学物質の環境中への排出量・移動量についても、PRTR届出の対象となります。 漏洩した化学物質の量を把握するために、薬品管理簿の適切な保管をお願いいたします。被災状況や漏洩物質に関して提供された情報は、救助隊やボランティア、近隣住民の方々を漏洩物質による健康被害から守り、適切かつ迅速な処理に繋げることに活用します。