マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度
1 制度の概要
マニフェスト制度(産業廃棄物管理票制度)は、事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、受託者に対してマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し、処理終了後に受託者からその旨を記載したマニフェストの写しの送付を受けることにより、委託内容どおりに産業廃棄物が処理されたことを確認することで、適正な処理を確保する制度です。本制度は、廃棄物処理法により義務づけられており、マニフェストを交付しないで産業廃棄物の処理を委託した事業者は、廃棄物処理法違反として罰せられることになります。
2 マニフェストの種類
マニフェストには、パソコンやスマートフォンなどを用いてインターネット上で交付する電子マニフェストと、従来の複写式伝票を用いて交付する紙マニフェストがあります。 ※電子マニフェスト使用の一部義務化について2020年4月から前々年度(2年度前)の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場から特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の処理を委託する場合は、電子マニフェストの使用が義務付けられます。詳細についてはこちらを参照してください。
3 電子マニフェストのメリット
電子マニフェストは、法に基づき環境大臣が指定した、情報処理センターが管理運営しています。電子マニフェストを利用することで紙マニフェストと比較し、以下のメリットがあります。- 法定記載事項のチェック機能により記載漏れ等を防止します。
- 情報処理センターが情報管理することで、データの改ざん等を防止します。
- マニフェスト情報は情報処理センターに保管されるため、保管手間や保管スペースの確保が不要となります。
- マニフェストに関する県への報告(産業廃棄物管理票交付等状況報告)が不要となります。
4 マニフェストの交付と管理
マニフェストを交付する場合、次の点に注意する必要があります。- 委託する産業廃棄物の種類(廃プラスチック類、木くず等)ごと、行き先(処分する事業所)ごとに交付します。但し、複数の種類の産業廃棄物が発生段階から混ざっているような場合には、これを1つの種類として1枚のマニフェストで取り扱って差し支えありません。(例:建設混合廃棄物)
- 排出事業者の担当者が、産業廃棄物の種類、数量、処理業者の名称、取扱い上の注意事項等を正確に記載した上で交付します。
電子マニフェスト又は紙マニフェストによる記載例と交付の流れを次に示します。
電子マニフェスト
<交付の流れ>産業廃棄物の引渡し後、運搬終了後、処分(最終処分)終了後、それぞれ3日以内にパソコン等を用いて電子マニフェストの登録作業を行います。最終処分終了後は、情報処理センターが排出事業者に代わってマニフェスト情報を5年間保管します。
<記載例>
紙マニフェスト
<交付の流れ>マニフェスト(B2票、D票、E票)が戻ってきたら、内容を確認し、A票と照合確認して、A票とともに、法で定められた期間[5年間]保存する義務があります。万が一、マニフェストが期限を過ぎても戻ってこない場合は、処理業者に対しての確認・指示・催促等によって処理の状況を把握し、必要な措置を講じるとともに、所管の都道府県等に報告しなければなりません。
マニフェスト写しの返却期限
マニフェスト | 産業廃棄物 | 特別管理産業廃棄物 |
---|---|---|
B2票(運搬終了報告) D票(処分終了報告) |
交付の日から90日 (※)交付の日から120日 |
交付の日から60日 |
E票(最終処分終了報告) | 交付の日から180日 (※)交付の日から240日 |
同左 |
※新型コロナウイルス感染症に対処するための廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令(令和2年環境省令第16号)が令和2年5月15日に公布され、マニフェスト写しの返却期限が緊急事態宣言期間中に到来するか、又は緊急事態宣言期間内にマニフェストを交付し、もしくは電子マニフェスト情報を登録した場合はマニフェスト写しの返却期限が延長されています。(三重県以外で緊急事態宣言がなされている場合でも適用) <記載例> 5 マニフェストに関する報告紙マニフェストを交付した場合は、廃棄物処理法第12条の3第7項において、毎年6月30日(※)までにその年の3月31日以前の1年間に交付した紙マニフェストの交付等の状況を、交付者が所定の様式により報告書を作成し提出することとされています。詳細については次を参照してください。 マニフェストに関する報告 6 マニフェストにかかる罰則廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)には、許可業者だけでなく、排出事業者等に対しても罰則が規定されています。<マニフェスト(産業廃棄物管理票)に係る罰則>
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