議案の説明に先立ちまして、報告を申し上げます。
令和元年7月に三重県で初めて養豚農場での豚熱の感染が確認されて以降、県では、農場における感染拡大防止対策、野生いのしし対策の強化に取り組んできたところですが、昨年12月28日に、伊賀市内の養豚農場において本県で2例目となる豚熱が発生しました。
これを受けて、豚熱の感染拡大の防止と早期収束を図るため、地元伊賀市、自衛隊、農林水産省をはじめ、JAや建設業協会、三重交通など民間事業者の皆様のご協力も得ながら、延べ10日間4,384人の体制で、当初予定よりも2日間前倒しして、1月7日に全ての防疫措置を迅速かつ的確に完了しました。
寒波や大雪が到来する中、年末年始を挟む期間に、多くの方々に多大なる御支援、御協力をいただきましたことに改めて深く感謝申し上げます。
今後も県として、発生農家が前を向いて新たな一歩を踏み出せるようしっかりとサポートしていくとともに、養豚農家の不安感や危機感にしっかりと寄り添い、次なる感染を絶対に発生させないという強い決意のもとで、感染拡大防止対策や野生いのしし対策の強化、豚肉やジビエに対する風評被害の防止に取り組んでいきます。
それでは、ただいま上程されました補正予算1件について、その概要を説明いたします。
議案第1号の補正予算は、昨年末の豚熱発生に伴う防疫措置や今後の家畜伝染病の発生に備えた農場の防疫対策の強化等を実施するため、緊急に必要となる経費について補正するもので、一般会計で5億1,407万2千円を増額するものです。
歳入では、国庫支出金について、家畜伝染病予防費負担金で1億7,027万9千円、消費・安全対策交付金で2,483万2千円をそれぞれ増額し、合わせて1億9,511万1千円を増額しています。基金繰入金について、財政調整基金で3億1,896万1千円を増額しています。
歳出では、県内で発生した豚熱に対して発生農場における殺処分などの防疫措置に必要な経費や、新たな豚熱や全国で相次ぐ高病原性鳥インフルエンザの発生に備える初動防疫等の経費として4億3,048万5千円を増額しています。
県内養豚農場における飼養衛生管理基準の遵守徹底と衛生管理の強化を図るため、県内養豚農場が実施する小動物も含めた野生動物侵入防止対策等に必要な費用等を支援する経費として、7,858万7千円を増額しています。
飼養豚への豚熱感染を防止するため、豚熱陽性いのししが確認されている地域に立地する養豚農場の周辺において、新たに捕獲わなを設置するなど豚熱の感染源となる野生いのししの捕獲を強化する経費として500万円を増額しています。
発生農場の経営維持・安定を図るため、殺処分に伴う国からの手当金支給までの間の資金繰り支援として、無利子のつなぎ融資枠を1億1千万円分拡大するため、債務負担行為の変更を行います。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。