2004(平成16)年度 当初予算 基本事業目的評価表
2004(平成16)年度 当初予算
基本事業目的評価表
基本事業名
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22103林産物の安定供給
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評価者
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農林水産商工部 林産物供給チーム マネージャー 鳥田厚生
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059-224-2565 torita00@pref.mie.jp
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評価年月日
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2003/11/25 9:13:11
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政策体系上の位置づけ
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政策:安心を支える力強い農林水産業の振興
施策:221 安全で安心な農林水産物の安定的な供給
施策の数値目標:食料自給率
基本事業の目的
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【誰、何が(対象)】
林業・木材事業者が
【抱える課題やニーズは】
長引く景気の低迷から、住宅着工戸数は減少を続けており、木材加工・流通の先進地である三重県の木造住宅着工数も例外とはなり得ず、平成14年度は6,927戸(対前年95%)と七年連続減少となりました。
この結果、スギ、ヒノキの用材生産が主体の我県林業界は、素材生産量の減少、素材価格の低迷と二重苦に陥り、木材加工・流通の拠点施設として整備している松阪木材コンビナートの機能さえ十分に発揮しえない状況になっています。
また、木造建築を希望する消費者のニーズ多様化に、県産材を取り扱う業者等が対応しきれず、大手プレハブメーカー等に需要が流れ、少ない需要がさらに細るということとなり、生産量の減少、価格の低迷にさらに拍車をかけています。
こうした傾向が続けば、木材生産を担う山村経済を圧迫することとなり、必要な間伐が実施されず、また、伐採したまま植栽されずに放置される森林が増加し、森林が持つ公益的機能の発揮が危ぶまれます。
という状態を
【どのような状態になることを狙っているのか(意図)】
消費者ニーズにあった県産材を安定的に供給している
という状態にします。
【その結果、どのような成果を実現したいのか(結果=施策の目的)】
農林水産業が地域の特性を生かした安全で安心な農林水産物を安定的に供給している
基本事業の数値目標、コスト、マネジメント参考指標
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2001
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2002
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2003
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2004
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2006
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県産材の自給率(%) [目標指標]
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目標
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46
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46
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46
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実績
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49
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46
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必要概算コスト(千円)
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2,206,700
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2,344,501
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2,649,459
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3,279,961
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0
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予算額等(千円)
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2,038,010
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2,149,337
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2,477,721
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3,099,442
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概算人件費(千円)
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168,690
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195,164
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171,738
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180,519
|
0
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所要時間(時間)
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40,069
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45,387
|
40,600
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42,676
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人件費単価(千円/時間)
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4.21
|
4.30
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4.23
|
4.23
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必要概算コスト対前年度(千円)
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137,801
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304,958
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630,502
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-3,279,961
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[マネジメント参考指標]
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[マネジメント参考指標]
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[マネジメント参考指標]
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[マネジメント参考指標]
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[マネジメント参考指標]
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[マネジメント参考指標]
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数値目標に関する説明・留意事項
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県産材の自給率は1996年(H8)から1998年(H10)まで43%前後で推移していましたが、1999年(H11)以降増加に転じ、2001年(H13)には49%まで上昇しました。その後減少に転じ2002年(H14)には46%となっています。 2006年(H18)時点の県産材の自給率を回帰分析により推定すると、44%まで減少することが推察されるところです。 消費者ニーズにあった県産材の安定供給を目指すため、林業・木材関係事業者の自助努力を促すとともに、基本事業を構成する事務事業の効率的かつ効果的な執行により2006年(H18)においても2002年(H14)の水準46%を確保したいと考えます。
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2004年度マネジメント参考指標
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種類
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マネジメント参考指標
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数値目標の困難度
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1
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事業量
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2
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協働度
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3
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4
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5
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6
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マネジメント参考指標に関する説明・留意事項
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2003年度の取組内容
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成果達成見込み 概ね順調
【これまでの取組内容と成果(見込み)、成果を得られた要因と考えられること】
公共施設、公共事業への県産材利用促進の成果は、県立高校施設3箇所、日本道路公団が行う第二名神高速道路への間伐材使用が挙げられます。今年度、県産材の利用推進を林業普及活動の目標として積極的な売り込みを行ったことが成果の要因といえます。
また、県木材組合連合会に指導を行い木材製品毎の単価表を作成させ、公共施設建設担当部局への売り込みに活用したことも成果といえます。その他、愛知万博に係る施設を受注したゼネコンに対して、県森林組合連合会や県木材組合連合会の職員を引率し売り込みを図るなど、これまでの県職員としての殻から大きく脱却した取り組みを展開しました。
一方、重要課題となっている松阪木材コンビナートへの企業誘致については、これまでの普及活動を通じた信頼関係の中で県内大手製材業者の意向をつかみ松阪木材コンビナートへの企業立地へと働きかけた結果、約2ヘクタールの用地利用が実現することとなり、国庫補助を活用した支援について検討中です。
【翌年度以降に残る(見込みの)課題、その要因と考えられること】
公共施設、公共事業への県産材利用の推進は一定の成果が上がりましたが、一般住宅への県産材利用に対する支援措置である新優良木造住宅建設促進事業に係る低利融資への申込みは、目標150戸に対して27戸と低迷し、一般住宅への県産材の活用対策が大きな課題として残っています。その要因を調べるため、昨年申し込まれた70人にアンケート調査を実施したところ、融資限度額が低いため手数料等が二重にかかりメリットが少ない等の制度上の問題点のほか、PRが不足しているとの指摘がありました。この他に、市中銀行等の住宅融資への低金利化が当制度が利用されなくなった要因と考えられます。
2004年度 施策から見たこの基本事業の取組方向
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基本戦略での位置づけ
注力
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改革方向
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総括マネージャーの方針・指示
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↑
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県産材が活用されるよう関係機関と協働して取り組むこと。松阪コンビナートの機能強化に取り組むこと。
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2004年度の取組方向
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1.引き続き、公共施設、公共工事に県産材が利用されるよう、チーム全員が地域機関と協働で取り組みます。
2.松阪木材コンビナート機能の拡充を図るため、施設整備を早急に進めると共に、供給側の体制整備を推進します。
3.地産地消の取り組みにより、県産材の利用が森林の適正管理につながること、循環型社会の構築に役立つことを普及し、県産材の 利用拡大を推進します。
4.県行造林の施業の合理化、起債借り換えによる経費の削減に取り組みます。
5.FSC認証材が市場に出回るよう、COC認証取得を促進します。
6.きのこの栽培マニュアルを作成し、普及することによって安全・安心なきのこが消費者に提供できるようにします。
7.森林整備地域活動支援交付金制度を普及推進し、森林所有者による適正な森林管理が行われるよう取り組みます。
【総合行政の視点からの取組】
1.引き続き「木材利用推進県庁内連絡会議」を開催し、公共施設の木造化に取り組んでいきます。
構成する事務事業間の戦略(注力、改革方向)
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(要求額:千円、所要時間:時間)
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事務事業
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要求額
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対前年
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所要時間
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対前年
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注力
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改革方向
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貢献度合
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効果発現時期
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事業概要
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マネージャーの方針・指示
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A 安全・安心きのこづくり推進事業
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1,000
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-
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336
|
-
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↑
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抜本的に改革
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考慮外
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即効性
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きのこ類の生産における自主衛生管理を推進するため、栽培マニュアルを作成するとともに、マニュアルの普及啓発を図る。 きのこ類に関する安全食材表示制度の導入を推進するとともに、PR活動を展開し表示制度に対する消費者の認知を促進する。
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早期に栽培マニュアルを作成し、生産者に対し普及啓発を行い、本年度中にマニュアルに沿った安全な製品を作られ販売されるよう指導するとともに、消費者の皆様が安心して購入していただけるよう表示制度が認知されるよう取り組まれたい。
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B 木材コンビナート機能強化・向上対策事業
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4,500
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-1,000
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200
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-200
|
→
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現状維持
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直接的
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即効性
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松阪木材コンビナートにおいて、その生産から販売にわたる機能を強化するための事業を実施する。
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木材コンビナートの機能強化が適切に行われるよう、きめ細かい指導を継続すること。
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C 木材コンビナート施設整備事業費補助金・推進事業費
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820,675
|
-
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2,800
|
-
|
↑
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現状維持
|
直接的
|
即効性
|
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松阪木材コンビナートにおいて木材加工流通の拠点施設を整備する。
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早期着工、早期完成が図れるよう、国等との調整に努めてほしい。
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D 県行造林事業
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336,678
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210,771
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5,200
|
1,200
|
→
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現状維持
|
直接的
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長期的
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県行造林は、県内25市町村3,540haに地上権を設定し、木材生産活動を通じて森林資源の保続培養と森林の持つ公益的機能の維持増進を図るため、森林管理を行い災害に強い森林づくりを推進します。
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予算の範囲内で適切な事業を執行すること。列状間伐など施業の工夫を今年度も実施し、売り払い収入の獲得に努めること。また、融資の借り換えを行い、経費縮減を図られたい。
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E 森林施業計画推進事業
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366
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26
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2,300
|
0
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
|
|
平成14年度から森林の多面的機能の持続的発揮を図る観点から森林計画制度が見直され、重視すべき機能区分に応じた望ましい森林整備を推進することとされました。このため、森林所有者が策定する新たな森林施業計画制度の森林所有者等への周知と、当計画の認定事務を行う市町村への助言を行います。
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市町村の森林施業計画認定が適正に行われるよう普及員を通じた助言がなされるよう指導されたい。
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F 森林整備促進事業
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2,000
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-4,006
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300
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-700
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
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適切な森林整備を通じて森林の有する公益的機能等の発揮を促進するため、森林組合などが行う森林施業の受委託促進のための普及啓発活動などへの支援を行う。
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事業趣旨のとおり、不在村所有者の森林が適切に管理、利用されるよう事業主体に指導されたい。
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G 特用林産需要拡大推進事業
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264
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-18
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100
|
0
|
→
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現状維持
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考慮外
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長期的
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特用林産物は、農山村における短期的収入源として重要な位置を占め、森林資源の有効利用を通じ環境保全に寄与していますが、産地間競争や輸入品との競合が激しくなってきています。 このため、需要の動向を的確に捉え、消費者ニーズに合致した生産品を計画的かつ安定的に
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食の安全安心に貢献するきのこ栽培マニュアルが作成された時点で、特用林産振興協議会を開催し、マニュアルの普及啓発を図られたい。
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H 林業総務管理
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233
|
0
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220
|
0
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↓
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改善する
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考慮外
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長期的
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事務事業を実施し、林政の推進を図ります。
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事業の見直しを行い経費の削減につとめられたい。
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I 入会資源総合活用促進対策事業
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280
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-18
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700
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-100
|
→
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現状維持
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間接的
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長期的
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入会林野等の整備と入会資源の活用を円滑適正に推進するため、入会資源総合活用促進対策事業実施要綱に基づき、コンサルタントの設置、市町村や入会集団に対する助言指導及び嘱託登記を行います。
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入会集団に対し、適切な指導・援助に努められたい。
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J 普及指導活動事業
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8,168
|
620
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20,500
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-650
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
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林業の振興と森林の持つ多面的機能の発揮のため、森林所有者等の方々に、林業に関する技術および知識の普及と森林施業に関する支援を行い、林業技術の改善、林業経営の合理化、森林整備等を促進します。また、森林・林業教育の推進等を図ります。
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木材の需要拡大に引き続き取り組み、また、顔の見える普及を念頭に置き、積極的に普及客体と接することができるよう、研修の充実を図り、普及員全員の資質向上に努められたい。
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K 林業・木材産業構造改革事業費補助金
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19,190
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-20,776
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850
|
0
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→
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現状維持
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間接的
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即効性
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三重県産材が消費者の評価を得ながら、松阪木材コンビナートと連携する特色ある地域材の供給によって競争力を競争力を強化し、森林所有者から加工、住宅関連までの関係者が連携して地域材の差別化を図るための情報化、加工・流通の拠点施設の整備を行います。
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昨年同様、適正かつ効率的な事業実施を行われたい。
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L 林業・木材産業経営評価促進事業費補助金
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1,380
|
0
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360
|
0
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
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新たな森林・林業基本法により、林業政策の大幅な転換が図られますが、その前提として林業構造改善事業をはじめとする、これまでの施策により整備された施設を最大限活用し、その効果をより向上させる必要があることから、既存施設のなかで経営が思わしくない施設について
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経営管理指導が事業体に理解され実践されるよう、きめ細かな指導に努めてほしい。
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M 林業・木材産業構造改革推進事業費
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550
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-1,450
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3,000
|
0
|
→
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現状維持
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間接的
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即効性
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「望ましい林業構造」と「木材産業の構造改革」の実現を目指す林業・木材産業構造改革事業を円滑に実施するため、関係者の相互連携を推進するとともに、県が事業実施市町村及び事業主体に対する指導等を行うために必要な経費です。
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市町村との連携のもと、事業主体に対し適切な指導ができるよう努めてほしい。
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N 消費が変える林業・木材産業創造事業
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83,805
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-38,168
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5,000
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-360
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
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消費者から林業経営者までの幅広い層で構成する「ネットワーク」を立ち上げ、県民運動をさらに活発化させ、県産材の良さを浸透させるとともに、プロダクトアウト型の業振興からマーケットインの思想を基本とし、消費者の視点に立った供給システムを確立することにより県産材
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森林整備地域活動支援交付金事業については、引き続き未実施の市町村に働きかけ、森林所有者等が計画的かつ効率的な森林管理を実行できるよう努めてほしい。
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O 森林組合等経営基盤強化対策事業費補助金
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5,250
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-2,375
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450
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-250
|
→
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現状維持
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間接的
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中期的
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森林法の改正により森林の利活用にゾーニング手法が取り入れられたことから、林業経営体が樹立する森林施業計画は資源循環利用林、共生林及び環境林の3タイプに適応する計画が求められています。 このため、経営計画樹立に係る生産・森林管理の効率化を推進するととも
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適正なシステムができるよう、技術的助言をしてほしい。
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P 新優良木造住宅建設促進事業
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1,815,103
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-343,560
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360
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0
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→
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改善する
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直接的
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即効性
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木材の需要拡大、林業・木材産業の活性化などのため、県産材を使用した木造住宅取得者への低利融資を実施して、木造住宅の建設を促進することにより、木材の需要拡大を図ります。
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住宅を新規着工される方々にターゲットを絞ったアプローチを行うことができるよう、PR方法を改善すること。 また、当年度で事業が終了することから、他府県の実施している施策を参考にし、県産材の自給率に貢献する新規事業を検討すること。
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休廃止する事務事業
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事務事業名
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理由
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2003年度予算額 (千円)
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2003年度所要時間 (時間)
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林業経営構造対策事業費補助金
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林業・木材産業構造改革事業費補助金に統合したため廃止
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33,810
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1,000
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バイオリージョナリズムの実践による東紀州の活性化事業
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15年度予算不採択
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-
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-
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森林バイオマスエネルギー利用促進モデル施設整備事業
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15年度予算不採択
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-
|
-
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