平成20年度当初予算調製方針
1 当初予算調製にあたっての背景
(1) 本県では、平成16年度から、「みえけん愛を育む“しあわせ創造県”」を基本理念とする総合計画「県民しあわせプラン」を策定し、社会のあり方として、地域のことは地域で決めていく「地域主権の社会」をめざしています。
この社会を実現するために、「人の生き方」といった広い意味での「文化」が持つ多様な力「文化力」と、多様な主体が「公」を担い支えていく「新しい時代の公」の考え方をもとに県政を展開しているところです。
本年7月には、「県民しあわせプラン」を着実に推進するため、平成22年度までの4か年の実施計画である「第二次戦略計画」を策定したところであり、平成20年度は2年目に当たることから、重点的な取組をはじめ各施策・事業の目標達成に向けた着実な推進が必要であり、取組の一層の本格化と的確なマネジメントが求められるところです。
(2) 一方、国においては、平成20年度予算は、引き続き歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施することとし、これにより、基礎的財政収支の改善を図り、国債発行額についても極力抑制することとしています。
加えて、国・地方間のバランスを確保しつつ、財政健全化を進めることとし、平成20年度の地方財政については、国の歳出の徹底した見直しと歩調を合わせつつ、地方団体の自助努力を促し、地方公務員人件費、地方単独事業等の徹底した見直しを行うこと等により、地方財政計画の歳出規模を引き続き抑制することとしています。
(3) 本県の平成20年度の財政見通しは、歳入面では、景気が回復していることから、県税収入の伸びは見込まれるものの、地方交付税等の削減により、一般財源の総額は抑制傾向にあることに加え、財政調整基金等の基金残高が底を尽きつつあるなど、歳入の確保について非常に困難な状況にあります。
一方、歳出面では、社会保障関係経費の増嵩や、退職手当、公債費が今後も高い水準で推移することが見込まれるなど、県財政を巡る状況はさらに一段と厳しくなっています。
(4) 平成20年度の予算編成にあたっては、このような県財政を取り巻く状況を踏まえ、財政健全化のための取組をより一層推進するとともに、限られた財源を重点的・効率的に配分していく必要があります。
2 当初予算調製の基本的な考え方
(1) 平成20年度当初予算は、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」の2年目の年として、戦略計画に定める事業を着実に推進し、成果の達成を目指すとともに、喫緊の課題にも対応していくため、限られた行政経営資源のもと、「選択と集中」をより一層進め、メリハリのある予算とします。
予算編成にあたっては、「平成20年度県政運営方針(案)」を踏まえて、調製を行っていきます。
(2) 国、地方を通じた厳しい財政状況のもと、将来にわたって持続可能な財政運営を確立するために、歳出・歳入一体改革の取組や概算要求基準に留意するとともに、本年7月に取りまとめた「みえ経営改善プラン(改定計画)」などを踏まえ、引き続き総人件費の抑制や各種事業費の節減、事務事業の抜本的な見直しを行うなど、より一層の財政の健全化を図っていきます。
また、厳しい財政状況においても、県民生活を支える公共サービスの水準の維持、質の向上をめざし、資源や経費の節減という従来の量的な改革のみならず、「文化力」に基づく政策を、「新しい時代の公」にふさわしい進め方で展開していく「質の行政改革」を本格的に推進していきます。
なお、平成21年度以降の状況も見据え、中長期的展望に立った予算編成とします。
(3) 国の予算や地方財政計画等が未確定な段階にあることから、これらの動向を見極めつつ、今後必要に応じて、所要の対応を行っていきます。