4 平成13年度公共事業重点化方針について
三重県公共事業総合推進本部
1 公共事業重点化の背景と目的
(1)公共事業重点化の背景
今後少子高齢化が進展し、将来は労働力及び貯蓄率の低下に伴い、投資余力が減少していく中で、これまでに整備が進んできた社会資本の維持管理費の増大や、今後更新期を迎える社会資本が増大していくことから、新規の社会資本整備に投入できる予算については伸びが期待できないものと考えられる。
一方、本県における社会資本整備は概ね全国と比較すると低い水準にあり、21世紀の活力ある県土を建設していくためには、これまで蓄積された社会資本ストックの有効活用を図るとともに、限られた予算の中で社会資本の効率的・重点的な整備を進める必要がある。
(2)公共事業重点化の目的
最小の費用で最大の県民満足度を実現するといったVFM(Value for Money)を達成する社会資本整備を進め、新しい総合計画の数値目標達成に努めるため、次の観点から公共事業の重点化を図る。
(1) 分野別予算配分の重点化
生活者起点での社会資本ニーズや社会資本整備水準、県政の重要課題などを勘案し、重点分野を明確化し、メリハリの利いた予算配分とする。
(2) 事業箇所の重点的投資
効果が高く必要な事業箇所に重点的に投資することにより、事業期間の短縮を図り、早期効果の発現を図る。このため、新規箇所をできる限り抑制し、継続箇所の早期完了を図り、事業サイクルのスピードアップを目指す。
2 重点化事業箇所の検討
(1) 重点化対象公共事業
県土整備部、農林水産商工部、環境部が所管する以下の公共事業を対象とする。
(1) 直轄事業負担金(県土整備部)
(2) 公共事業(国庫補助事業)
(3) 県単独事業
災害復旧事業は、緊急かつ安全上から不可欠であること、農林水産商工部の直轄事業負担金は既に完了した事業の地元負担金の償還金などの義務的経費であることから重点化対象外とする。
(2) 各事業箇所における重点化の検討
1)直轄事業負担金(県土整備部)
県土の均衡ある発展、安全・安心で快適な県民生活の実現といった観点から検討する。
2)公共事業(国庫補助事業)、県単独事業
各事業について、次の観点から評価を行う。
(1) 事業環境
- 円滑な事業実施が可能か(用地買収状況等)
(2) 事業の延進可能性
- 短期的に延伸した場合、大きな影響があるか
(3) 事業の戦略性
- 設定した重点化項目(各施策別重点化事業)に合致しているかどうか
(4) 他事業との関連性
- 関連する事業の有無及び施工(完成)時期を合わせる必要性があるか
(5) 事業の緊急性
- 新しい総合計画の数値目標達成の観点から平成13年度に完成及び部分供用開始が可能かどうか
- 安全確保等のために緊急に対応が必要か
- 債務負担行為、協定などに基づく取組が必要か
(3) 検討結果
各事業について、次のA、B、Cの3ランクに区分する。
Aランク:事業効果、緊急性から優先して取り組む事業
Bランク:事業効果等から取組が必要な事業
Cランク:延伸が可能な事業、事業進捗が図れない事業