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平成21年02月10日

第2回公営企業(企業庁)あり方検討委員会 概要

平成18年7月28日(金)13:30~16:30
三重県合同ビル 4階第1会議室

【出席者】池田委員、円城寺委員、大森委員、小西委員、田中委員、豊田委員、長尾委員

1.水道用水供給事業の県としての政策上の位置づけ等について

<水質改善室から資料2-1に基づき説明>

2.水道用水供給事業の継続の必要性と今後の県関与の方向性について

<事務局から資料2-2に基づき説明>

(委員の意見)

(座長)県民の良識を代表するような意見を最後に出していくことが必要なので、委員の皆様方には意見をいろいろ出していただき、また議論するなかで、考えが変わっていくのは結構。自由に議論していただきたい。

また、水道用水供給事業、工業用水道事業との違い、位置、水源などの知識レベルを蓄積することが大事。水道用水供給事業についての見通しを全員が持てるように士気を高めつつ議論していきたい。全体の実態を理解しようというところから始めて、議論を進めたい。

資料2-1の13Pあたりからの記述をみると、県が一切関わらなくてもいいというようなことは書かれていない。ばっさり民営化していくという議論ではなく、それぞれの水道用水供給事業について、細かく議論をいただくという作りになっている。

(豊田委員)自分が住んでいる亀山は水源がない。水源がない地域において、公的関与による水道用水供給は必要であると思う。渇水時などは、市町に任せたり、民間に任せたりすると、値上げなどが起こったり、生活に影響が大きく不安がある。水道事業については、99%の普及率ということだが、水道管の老朽化にかかる取替工事については、市町の財政事情がよくないと早急に復旧したりということができないのではないか。企業庁は直接市町に水を売っていることから、住民から怒られないが、市町は住民との距離が近い分、住民から怒られる。県はおいしいところどりではないか。設備更新をする時期がきたときに、民や市町というのはおかしい。財政事情が悪い市町と、良いところの差がでるのではないかとも思う。広域的な整備には県関与が必要と思う。

(総務部)いったん、それぞれの水道についての水源などを具体的に細かく説明させていただいたほうがいいと思われるがいかがだろうか。

(座長)事務局から説明をお願いしたい。

(企業庁から水の恵み 24~27Pについて説明)

(大森委員)論点1、論点2は水道自体の質の確保のための公的関与が必要だということだと思う。

論点3「市町との役割分担」については、財政的な問題になると思われる。水道は、北中勢、志摩、伊賀の3つにわけて議論できると思う。北中勢は、広域にまたがっているので、企業庁の関与が必要。志摩は、財政的な問題がなければ移管が可能ということになるのだろう。伊賀は、川上ダムの建設がまだ終わっていない。これにかかるダムの建設費の財政的な負担が伊賀市がたえられるかが移管できるかのポイントとなるのでは。

(座長)論点3は、県と市町の財政負担の綱引きであるとみなすこともできるが、事業主体がどっちかという議論ではないか。水道の料金設定については、事業主体が変わることでどのような影響がでるのかを事務局からご説明いただきたい。

(企業庁)水道事業にかかる建設費については、国庫補助金1/3、一般会計(県)出資金1/3、起債1/3で財源手当てしている。

水源費負担にかかる水資源機構への負担金支払いについては建設終了後、23年元利均等償還している。償還金について、一般会計出資金が1/3。水道料金をあてるのが、起債の償還の部分、減価償却の部分、ランニングコストの部分を水道料金としていただいている。(なお、国庫補助金の入っている部分は、料金として反映させない)

(座長)県が水道供給をすると、市町は県に対して料金を支払う。この支払い部分は、水道料金にのせるということだと思う。トータルで全部市町で実施した場合であろうと、県であろうと、料金設定の方法に違いはない、ということかと思う。大きな投資になるので、財政規模の小さい市町だと不安がある。一定期間資金を提供するなどが必要となるのだろうか。

(長尾委員)民間に任せた場合に、補助金分のコストカットが可能であれば民間に任せてもいいのではないか。自分の経験(地域の下水道工事)でいくと、下水道整備を公共で実施した場合、かなり割高になっているように思う。下水道建設事業者が、自分たちに提示する金額と、市に提示している金額が全然違う。

(座長)委員のおっしゃることは、論点2になるのでは。

(豊田委員)市町に渡す場合、借金ごと譲渡するのであれば、市町にとってはかなり厳しいのでは。

(円城寺委員)減価償却した簿価が借金ということではないだろうか。長尾委員の意見に関して、民間に委託した事例があると聞いたので、判断材料としたい。現状の課題と当初の目的に対して、どの程度の目的が達成されているのか、どんな課題があるのかが分かれば、参考になるので、情報提示いただきたい。

減価償却については、耐用年数が決まっていて、減価償却費が決まるわけだが、変動費と固定費(人件費等)のコスト構成を知りたい。

(企業庁)水の恵み18P にコスト構成があるのでご覧いただきたい。減価償却と支払利息が固定費、人件費、動力費、薬品費等が変動費である。

(座長)論点1「今後も水道用水供給は必要か」については、「必要」ということでクリアしている、としたい。論点2は、用水供給事業を誰が担うかという点について。行政か民間かという議論もあるのだが、資料2-1の14P以降にあるように、民間に全部任せてしまえというような、ばさっとした議論ではなく、民間的なものをいれつつ、責任をどちらが持つかというような、公的関与の必要性であるとかを細かく議論いただきたい。

(田中委員)環境会計[1]であるとか、社会貢献的な会計、キャッシュフロー的な資料、かなりいろいろな要素が入ったなかで、総合的に判断することになるのでは。もっと環境会計などは積極的に取り組むべきではないか。他県でも東京や福岡[2]などはこうしたやり方を取り入れていると聞いている。

三重県は森林面積が大きいことから、環境会計的にこの問題を判断していくことが必要ではないか。知事がいうところの文化力に通じるところもあるのでは。

単純に官から民へという話ではないと思われる。

 また、収益事業は企業庁として実施できるのか。そういう余地がないのかを聞きたい。

横浜市の「水の缶詰事業」[3]などは、配送業務などもやっているように聞いている。また、水質検査など、水に関しての技術など、過去のノウハウを生かした業務などはできないのか。

(企業庁)収益事業は可能。水のボトリング事業などは他県でも実施しており、可能だと思う。四日市でもPR用や、災害備蓄用として販売している。

(田中委員)世界の水不足に対して、水を販売するなども考えられるだろう。法的な問題もあるだろうが、新たな事業を実施することで、水道料金を値下げしたり、起債を償還したりできるなどといった方法を見出すのが民間的な発想だと思う。また、企業庁はISO9001を取得されているが、これは、顧客満足度を高められるような仕組だと思う。自分としては、民間のいい加減さを実感しているので、企業庁を今の形のままで高めていくという意見である。

(円城寺委員)14Pの上から11行目。「行政は柔軟性や迅速性に問題があり、非効率と一般的に言われることから」の記述については、大括りな感じがする。単に一般的な記述なのか、具体的に非効率な部分があるのか、もう少し分析したほうがいいのでは。柔軟性や小回りについては、簡素な組織とすればいいのではないか。そういった検証も必要。民間でも成功している、階層の少ない現場主義とすればいいのではないか。

(豊田委員)企業庁の技術を継承していくのが重要。役所の視点で管理をするのが大事。

(座長)企業庁の事業地図によると、点線部分の建設が終わると基本的には、整備事業は一段落するということでいいのだろうか

(企業庁)現状でいえば、これ以上の建設計画はない。企業庁が主体的に判断して事業実施するのではなく、広域の市町から要望が出てきた時点での判断になる。

(座長)建設についての役割は、伊賀が最後で、それが終われば、あとは維持管理を行うということで、今後の形態を考えるということでいいのだろうか。

(企業庁)水を資源という視点で見た場合、利用についてのグランドデザインを描くのは、企業庁というより、政策部等の判断ということになる。

(総務部)水道行政は環境森林部で所管。全体の水資源は、政策部で所管している。

(政策部)伊賀地域の川上ダムの建設が大きな水源としてはひとつのヤマ。伊勢湾側としては長良川を大きな水源として確保しているため、成熟期に入っていると認識している。

(円城寺委員)14Pの③の、水質改善についてだが、取水口によって、水の味というのは変わるのか。上流、下流の違いがどう影響するのか

(環境森林部)上流下流によって、生活排水なり工業排水の影響を受けるということだと思う。

臭いなどについては、藻類などの繁殖が考えられる。

(円城寺委員)味やにおいをなくすための処理コストはどのようになっているのか。

(環境森林部)水道法上の水質を維持するために、地域特性に応じた処理が必要になる。当然ろ過だけで水質をクリアしていればコストはかからない。

(座長)水道事業については、民間丸投げという議論はありえない。全部を県がするといった議論でもなく、部分的に民間委託できるなら、法律的に可能な部分など、選択肢をご提案いただきたい。

(総務部)前回資料の、「企業庁の今後のあり方」(冊子)の60Pに、業務内容の一覧が書かれている。水利関連用務(渇水対策等)については、行政関与が必要であると思われる。

(座長)水利関連用務以外が俎上にのぼるということでよいだろうか。また企業庁に指定管理者制度を導入した場合のイメージを教えて欲しい。

(総務部)指定管理者というのは、施設整備とともに、料金回収を受託業者が行う。技術管理業務まで広げるかどうかという議論はあるが、現実的には一部委託ということになるのでは。

(座長)技術管理業務については、企業庁として、一定の水準を保つ責任をどのようにとっていくかということだと思う。

(円城寺委員)指定管理者、独立行政法人などについて、分野別の課題や問題点を洗い出したケースごとの検討が必要。

(座長)議論をつめていくには、民間の関与が大きくなる段階ごとに検討するなど選択肢を作ったうえで、メリット・デメリットをあげ、整理していただく必要がある。

続いて、論点3の県と市町の役割をみると、県が各戸給水をすることはありえない。県は市町に水を供給するが、市町が各戸給水を行っている。水源管理も含めて市町に任せるかを議論していく。志摩、伊賀は、一体供給の可能性があるが、北中勢は広域にまたがっているため水源管理は県となるのでは。伊賀は建設が未了なので、それについての財政負担について大森委員からのご指摘にもあったとおり。

(大森委員)県と市町の補完関係があると思うが、志摩市へは補完の必要性があるのかないのか。

(企業庁)志摩市は、旧志摩5町の時代から自己水源を持たないことから、企業庁が志摩に供給する水を、個別供給してもらっている。志摩市には、末端供給のノウハウはあるが、浄水のノウハウはもっていない。ソフトランディングさせていこうと思うと、ある程度の技術支援は必要になってくると思われる。

(座長)明日からでも移管というのは、技術的にも財政的にも絶対無理ということか。経過措置と、当該市の同意がなければ動きえない話である。考え方としては、資料2-1の15pの広域性の5行目以降が意味していることは、伊賀と志摩の2市については、諸条件が整うかぎりにおいては、水源から給水栓までを一元的に管理できる状態に移行できれば、そのほうが望ましい、という意味だろうか。

(総務部)そうである。

(座長)諸条件が何かについて検討しなければいけない。ソフトランディングするための諸条件を県民の視点で考えていかなければいけない。市が譲渡を受けるかどうかは当然最低条件である。水道は基礎的なサービスなので諸条件を整えていけば、市のほうはいずれは、やるのでは。仕事をやりたくないという市はいないと思う。

(池田委員)志摩の水源地は別の市町にもある。渇水時の水の調整は大丈夫なのか

(座長)蓮ダムと神路ダムの間で融通して、調整して用水供給している。

(豊田委員)技術支援の話が先ほどでたが、市町の間でも、かなり技術格差があるのでは。

(座長)実際、市のほうには今すぐだと担当できる技術がない。県から支援が必要。

(豊田委員)水道の工事になると、水をひくために高額な個人負担が必要な状況。市町の考えひとつになるのだが、財政事情によって、市によって個人負担に差がでるのではないか。

(座長)市町が納得できるスムーズな移管のための諸条件を具体的に次回以降議論していきたい。

(長尾委員)たとえば、南勢水道について切り分けて、民間に任せるというような議論はできないだろうか。

(座長)民間に任せるという場合、ここに指定管理者を全面的に導入するなどのやり方はあると思う。これから建設するという意味ではないので。

(長尾委員)企業庁はどうしたいかという意見がみえてこない。企業庁をなくしてしまって、政策部と環境森林部でやればいいのではないか。最後に結論として、企業庁がいるかいないかを書けということが委員会に与えられた使命ではないのか。

(総務部)県の政策として、水道をどうするか決めるのが所管部。企業庁は実施部隊である。

官がやるのか、民がやるのがいいのか、ということを決めていただきたい。

(長尾委員)官か民かという議論ではなく、企業庁にやめろ、という結論はないのか。

(総務部)実施機関は必要であるので。

(長尾委員)民間に建設部分等を任せてもいいのではないか。

(座長)そもそも論点1で、「水道用水供給はいらない」ということになると、多分、上水については企業庁はいらないということになる。また「指定管理者制度でいい」、ということになると、組織が大きく変わることになる。また、志摩と伊賀について条件付きで市が引き受けてくれた場合、それ以外は今までどおりということになると、組織としてはやや縮小ということになるのだと思う。企業庁は、水の安全性や政策ということに関心は強いが、自分たちの業態については、今はまな板のうえにのっている状態なので、あえてこの委員会では思いは言わない、という感じだと思う。

(長尾委員)それであれば、いらないじゃないかと思う。政策部の政策決定がなければ動けないのであれば、「企業」としてやっている、という意味がないのではないか。

(座長)そこが「企業」ではなく「企業庁」である意味ではないか。

(長尾委員)企業というイメージからいくと、そういう選択がでてきてもいいのではないか。企業庁の借金についてもどこかのセクションが担えばいい。

(座長)指定管理者制度にすると企業庁は事実上なくなると思う。

(長尾委員)事実上なくなるのであれば、名前だけなど余計いらない。それが県民の考え方である。

企業庁ありきの考え方というのが必要なのだろうか。企業庁にやる気がないのならやめればいい。

やる気のないところに、税金投入するのはおかしな話である。

(政策部)企業庁にかわって発言させていただきたい。企業庁が昨年まとめた、あり方検討の報告書で、企業庁の意見をまとめているのだが、議会から提言をうけて、今年度総務部を中心として検討をしているところである。企業庁自体の意見を出していないわけではないということをご理解いただき、報告書については参考としていただきたい。

(豊田委員)企業庁の業務として、水道・工水・電気事業の3つしかないのか、という思いがあった。

他の事業展開として企業庁には何かないのか。たとえば、愛知県のセントレアの建設に企業庁が[4]

関わったという話も聞いているので。

(座長)企業庁として、水の量的な確保と安全についてミッションをもって取り組んでいるということで、「やる気がないだろう」、と言われたら内心穏やかではないだろう。ただし、伊賀と志摩については条件が整ったら手をひいて、手が空いた分他のやりたいことをやってみてもいいのではないか。ミッションそのものを大事にしながら、こんなこともやるべきだ、という思いをもってもらうことが、50年間事業をやってきて、量的確保に一定のメドがついた時点で企業庁が考えるべきではないか、という投げかけ方はあると思う。企業庁にはやる気はしっかりあると思う。

(企業庁)ミッションの話がでたが、毎日、何十万トンという水を供給している。四日市コンビナートには日量50万トンを供給している。日夜やる気をもってやっている。電気も同じである。

我々は実施部隊で現業と思っている。技術の継承の問題も出たが、上水・工水の水質管理は毎日しっかりやっている。

(長尾委員)自分の言ったことで皆さんが憤慨しているのはよく分かっている。あえて言えば、今の話は傷をなめあっているようにも聞こえる。日々一生懸命やっていることを否定しているわけではない。次の新しいことを考えてきたかといえば、50年間同じことをやってきているのではないか、という気がする。

(企業庁)同じことをやっているわけではなく、有料道路事業や、宅地造成などもやってきた。

(長尾委員)言うことは良く分かるが、なくすという選択肢もあるのではないか、ということ。残さなければいけないということを言うのか。ゼロから考えて欲しいというのならそういう選択肢もなければおかしい。

(池田委員)身近にあることなのだが、宮川発電所では、良質な水源の確保のため、漁業とタイアップして山に植樹しているなど、資源の循環という視点で、しっかりやってもらっている。こういうことはあまり外にはでていないが。

(総務部)今回の委員会にお願いしているのは、それぞれの事業について、どういう形態でするのが一番いいのか、ということを議論いただきたい。その結果、企業庁の組織がどうなるのかということはあるが、企業庁の組織をどうするかという議論が主題ではないということをご理解いただきたい。水道を民間に任せるという議論になれば、企業庁の水道部門はなくなるということであり、存続ありきではない。その点を押さえていただきたい。

(座長)長尾委員のおっしゃることは、企業庁としてフロンティアを見すえたような議論をしてもらわないと、県民として響くところがない、ということなので、その点を大きな部分で相互に理解したいと思う。多分、民間委託としてできる部分はどこかを選択肢として示せということと、指定管理者制度を大胆に取り入れた場合の選択肢をだしてきたうえで具体的に議論するということだと思う。

例えば、南勢水道など、これ以上の建設計画がないなかでの指定管理者制度をどう考えたらいいかということや、伊賀と志摩がこれなら考えてもいいよ、という答えが得られそうなスムーズな移管条件とは具体的にどのようなものか。以上3つがあれば一定程度進むと思われる。番外として、企業庁そのものの今後の新たな展開について、機会があれば前広な議論をお聞かせいただきたいという要望が今日あったということで、まとめとしてはいかがか。

3.工業用水道事業の県としての政策上の位置づけ等について

<土地・資源室から資料3-1に基づき説明>

4.工業用水道事業の継続の必要性と今後の県関与の方向性について

<事務局から資料3-2に基づき説明>

(委員の意見)

(座長)論点1は、工業用水道事業は必要かという議論だが、必要でない、ということになると、昔のように地下水をくみ上げろという話になるが、法律上地下水のくみ上げができない地域があるので、「およそ、工業用水の供給が必要ない、という議論はない」、ということだと思う。

 論点2は、「必要であり、民間でもできる」、また、「必要だが、指定管理者制度、独立行政法人、といった形態が使える」という話と、「企業庁の形態で、一部事務委託の拡大」ということがあるというそのあたりがポイントかと思う。

 上水との違いは、雑駁にいうと長良川の未利用水もあり、企業がどんどん来てくれる状況なら、前広に事業を展開したいということではないか。ただし、長良川の水が使える立地でないと意味がないのだろう。

(豊田委員)昨日、塗装工場の竣工に立ち会ったばかりであるが、昔のように、大量に水を使う状況ではなく、再利用するなど循環型に変化している。これからも、水の再利用が進むにつれ、利用量は減っていくのだろう。亀山の場合、内陸部に県と市が工場を誘致したが、水の問題でもめている。

企業立地を進めるためには、機動的な配管整備体制について、公的関与と、市町との連携が非常に重要だと思う。市町と連携をとって立地が見込まれるところに先行的に投資しておけば、後々問題にならないのではないか。

(政策部)先行投資ということについていえば、もくろみどおり企業立地が進めばいいのだが、なかなかうまくいかない。政策上、どの場所に、どう先行投資するか、非常にリスクがあり壁がある。

(農商部)県としては、企業立地基本計画というのがあり、クリスタルバレー構想とか、シリコンバレー構想などの特定の業種に特化して進めている。大きなトレンドとしてむこう10年くらいで必要な工場用地面積についての計画はたてており、それに基づく大まかな工業用水量の想定は可能だが、具体的な給水場所(工場建設場所)については企業の決定す・驍アとであり、なかなか具体的なところまで踏み込んだ計画をたてづらいというのが事実。先行投資できればベストだが、立地の確実性とリスクを考えるとなかなか難しい。

(円城寺委員)工業用水道事業については、企業庁が主体で継続してやるか、民間等にどこまで任せていくかという議論だと思う。上水道と違うところは、受益者が固定しているということ。顧客側の声をきく機会が先にあるということなので、それを聞きたいと思う。

(大森委員)工業用水をひくプランニングは知事部局ということだが、企業庁はどのあたりから事業にタッチするのか。

(政策部)立地企業から給水についての要請が農水商工部に入ってくるようになっている。知事部局がキャッチした情報をもとに、企業庁と調整している。

(大森委員)顧客開拓が知事部局。製品製造(造水事業)が企業庁という感覚でよいか。そうするとどのような経営形態をとるかというよりは、工業用水の製造部門の経営形態をどうするかということになるのでは。

(座長)そういうことになるだろう。その枠組みが問題だという問題提言もできるとは思うが。

(豊田委員)工業用水の場合は、企業と企業庁との間に市町が入るということはないのか。

(政策部)工業用水は、水道事業と異なり、企業庁が直接企業に給水している。

(豊田委員)先行投資した場合、例えば、工業団地を作りたい市町と一緒にリスクを負って配管を行うなどといったことはないのか。

(総務部)顧客の要望に市町で応えられる部分なのか、水量や工期など、県でしか応えられないのか、規模によって対応が異なる。つまりニーズによって対応が異なる。例えば、シャープ亀山工場については、亀山市が現在地下水をくみ上げており、足らない分を県が供給するという形で計画している。また、多気町の工場は多気町が独自で工業用水をシャープへ供給している。

(豊田委員)例えば、亀山が企業庁から水を買って企業に供給するということはできないのか。

(企業庁)工業用水は、用途が工業用という特定の目的で供給しているので、自治体に供給ということは法的にできない。ただし、工業団地に給水する場合は、地価に上乗せするというやりかたがある。ごく一部だが。

(豊田委員)津のサイエンスシティなどだろうか

(企業庁)サイエンスではない。

(農商部)具体的には、同じ津市内のニューファクトリー久居はそういう方式でやっている。

(座長)積極的に工業用水を売ろうという議論は結構出たと思う。今後の事業展開として、今のままでいいのか、将来のことを考えて、県の果たすべき役割ということから戻ってどれくらい、役割の見直しの可能性があるのか、という議論については、具体的な選択肢がないと、メリット、デメリットをみせてもらわないと議論できないということだったかと思う。時間が十分ではなかったが、次回以降また改めて議論していきたい。

5.次回の日程、検討事項及び論点について

<事務局から説明>

以上


[1] 環境会計とは、事業活動における環境保全のためのコストと、その活動によって得られた効果を、経済効果や環境保全効果によって定量的に把握し、分析する会計手法のこと。

[2] 東京都では平成12年度から、福岡市では平成13年度から環境会計を導入している。

[3] 5年間保存の可能な水を、350ml缶 50円で横浜市水道局各営業所で販売されている。

[4] 愛知県企業庁では、セントレアに隣接する臨空都市の埋立て造成や分譲などの事業を行っている。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 財政課 予算班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2216 
ファクス番号:059-224-2125 
メールアドレス:zaisei@pref.mie.lg.jp

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