(平成23年度6月補正予算の規模等)
このような、県政運営の考え方を踏まえた上で、編成いたしました平成23年度6月補正予算について説明いたします。
今回の補正予算は、東日本大震災の発生を受けて、緊急に実施すべき復興支援・防災対策や三重の元気を支える雇用・経済対策を推進するとともに、「骨格的予算」として編成された平成23年度当初予算を年間総合予算とする、いわゆる「肉付け予算」として編成したものです。
各会計の補正額は、一般会計で313億3,891万5千円、特別会計で9億4,606万8千円、企業会計で3,141万4千円をそれぞれ増額するものです。この結果、6月補正後の予算額は、一般会計で、前年度当初予算と比べ1.0%増の6,830億15万4千円、三会計を合わせた予算額で、0.2%減の8,643億339万1千円となります。
このうち、歳入予算の主なものについて説明いたします。
公共事業関係経費などの財源として、国庫支出金で62億5,311万4千円、県債で141億600万円を増額するほか、財政調整基金を80億9,586万9千円取り崩すなど繰入金で103億7,546万5千円を増額しています。
次に、歳出予算に計上いたしました主な取組について説明いたします。
(東日本大震災をふまえた防災・エネルギー対策)
まず、最優先課題として、「東日本大震災をふまえた防災・エネルギー対策」に取り組みます。
第一に、「東日本への復興支援」として、被災地でのボランティア活動に対する支援や被災された企業が当面の間、県内で操業される際に必要となる設備等に対する支援などを行います。
第二に、「被害を受けた県内水産業への支援」として、養殖いかだや定置網などの漁業施設に対する復旧支援のほか、被害を受けた養殖業の復興・再生を図るため、災害に強い養殖生産体制の構築や販路拡大への支援などを行います。
第三に、「緊急に取り組むべき防災対策等」として、今回の東日本大震災を踏まえた新たな津波浸水対策の検討や市町が実施する避難施設及び避難路の整備等に対する支援のほか、防災教育の充実や住宅の耐震化に対する補助制度の拡充などを行います。あわせて、橋梁や堤防等の耐震対策など地震対策にかかる公共事業を実施するとともに、既存の道路・河川・海岸施設などについて、緊急に総点検を実施します。
こうした新たな課題に対応するため、まずは、知事をはじめ特別職や管理職員の給与の特例的な減額を行い、事業の財源に充当します。
また、県民の皆様の安全・安心を確保するため、今後、さらなる防災対策等に取り組んでいく必要があります。このため、新たな財源を確保すべく、引き続き様々な角度からその方策を検討するとともに、関係者の理解と協力が得られるよう、丁寧に説明していきたいと考えています。
このほか「エネルギー対策」として、県内29市町の避難施設への太陽光発電及び蓄電システムの導入に対する支援などを行います。
(三重の元気を支える雇用・経済対策)
二つ目に、「三重の元気を支える雇用・経済対策」に取り組みます。「雇用創出と就労支援」については、538人の緊急的な雇用機会を創出するとともに、若年者対策や農林水産、観光等の成長が期待される重点分野における雇用の創出と人材の育成などに取り組みます。
「事業展開支援や需要喚起等による経済活性化」については、県内事業者の販路拡大及び事業展開に向けた支援や県内需要の喚起等を通じた経済成長・雇用創出への布石づくりを行います。また、中小企業等の資金繰り支援や原材料及び部材等における供給網の再構築に対する支援などを行います。
「雇用やくらしを支える環境づくり」については、保育所の整備など就労・子育て環境の整備や医療機関の耐震化を進めます。
(平成23年度の政策展開~日本一、幸福が実感できる三重をめざして)
三つ目に、日本一、幸福が実感できる三重をめざして、新しい県政ビジョンの策定や新たな行財政改革の推進に取り組むとともに、本年度は3つの方向性に沿って政策を展開します。
まず、安全で安心して暮らすことのできる三重に向けては、授産施設等で働く障がい者支援のための共同受注窓口の設置や「草の実リハビリテーションセンター」と「小児(こども)心療センターあすなろ学園」との専門性を活かした子どもの発達支援体制強化の検討などを行います。
次に、人と地域が輝き、能力や個性を生かすことのできる三重に向けては、今年度からさらに、新たなテーマプロジェクトも加えて展開する「美(うま)し国おこし・三重」などに取り組みます。
さらに、働く機会に恵まれ、産業や経済が活発な活力ある三重に向けては、全国や世界に通じるコンテンツを選定し、広く情報発信する「三重すごいやんか大賞」の制度設計を行うほか、三重県をセールスしていくため、首都圏における戦略拠点の設置調査やトライアルショップの出店などを行います。また、県内の自動車関連中小企業が自動車の次世代化に的確に対応できるよう支援を行います。
最後に、公共事業についても、年間総合予算とするための補正を行っています。
(予算以外の議案等の概要)
次に、今回提案しております予算以外の議案の概要について説明いたします。
議案第14号は、未来に希望の持てる新しい三重づくりを推進するにあたり、私の給与の特例を定める条例を制定するものです。
議案第15号は、聴覚障害者等の福祉の増進を図るため、三重県聴覚障害者支援センターの設置及び指定管理者による管理について必要な事項を定める条例を制定するものです。
議案第16号は、知事の権限に属する事務の一部を市町が処理することについて改正を行うものです。
議案第17号は、東日本大震災にかかる復興支援、被害を受けた県内産業への支援、緊急に取り組むべき防災対策等の課題に対応するため、副知事等の特別職及び管理職員の給与を特例的に減じるために必要な改正を行うものです。
議案第18号は、基金に関して、国の補正予算に伴い、規定を整備するものです。
議案第19号は、工事請負契約の変更をしようとするものです。
次に報告事項について説明いたします。
報告第22号から第24号までは、議会の委任による専決処分をしましたので報告するものです。
報告第25号から第31号までは、平成22年度一般会計、特別会計及び企業会計のうち、翌年度へ繰り越した経費について、それぞれ繰越計算書を調製しましたので、報告するものです。
報告第32号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。