平成18年第3回定例会の開会にあたり、議案の説明に先立ちまして、9月6日の親王殿下のご誕生について一言お祝い申し上げます。
このたびの悠(ひさ)仁(ひと)殿下のご誕生を県民の皆様とともに、心からお喜び申し上げます。
母子ともにご健康であらせられ、今後は、悠(ひさ)仁(ひと)殿下がお健やかにお育ちになられますよう、県民挙げてお祈り申し上げまして、お祝いの言葉といたします。
続きまして、当面の県政運営についての私の考え方を申し述べます。
(第二次戦略計画(仮称)素案の策定について)
総合計画「県民しあわせプラン」を推進するための実施計画である現在の戦略計画が平成18年度で終了しますので、「県民しあわせプラン」をさらに進めるために、平成19年度から始まる「第二次戦略計画(仮称)」の策定作業を進めています。今般、素案を取りまとめましたので、今議会においてお示しさせていただきますが、ここでその基本的な考え方等についてご説明いたします。
(時代環境の変化と県政の課題について)
「県民しあわせプラン」では、時代環境の変化として、「人口減少社会における新しい『豊かさ』」、「地方分権の本格化」、「産業構造の変化」の三つを掲げました。この三つの項目を基本に、その後の変化も踏まえて、今後の県政の基本的な課題を、次の三つに整理したいと考えています。
一つ目は、戦略計画の期間内に県内の人口が減少に転ずると推測されるなか、人口減少、少子高齢化は、地域社会や産業経済、一人ひとりの暮らしなどに大きな影響を及ぼすものと想定されることから、人口減少社会への対応を一層進めていく必要があるということです。
二つ目は、持続的な経済成長を実現するためには、知識集約型への産業構造の転換を積極的に進め、技術、人材、経営ノウハウなどの知的財産を生かしていくことがますます求められているということです。
三つ目は、合併の進展により、69の市町村が29市町に再編されましたが、地域主権の社会を目指して、地方分権改革や地方行政をめぐる環境変化に的確に対応していく必要があるということです。
このような課題も踏まえながら、「新しい時代の公」と文化力の考え方を基本に、政策・事業体系について見直しを進めているところです。
(新しい重点化の仕組みについて)
また、これまでの重点プログラムに替わる新しい重点化施策として、重要で緊急な課題に県が重点的に行政経営資源を投入する「重点事業」と、将来に向けて新たな取組が求められているテーマに多様な主体が協働で取り組む「みえの舞台づくりプログラム」の二つの仕組みを設けて、引き続き「選択と集中」を図っていきたいと考えています。
(地域政策について)
さらに、合併が進展し、市町が広域的なエリアの地域政策を担うようになったこと等を踏まえ、県域全体を対象に、県が主体的に取り組む「県土づくり」と、それよりも小さいエリアを対象に、市町が主体となって取り組み、県はそれを支援、補完する「地域づくり」の二つの方向で地域政策を展開し、県としての役割を果たしていきたいと考えています。
以上のような考え方を基本として素案をまとめたところですが、今後、県議会でのご議論や、市町、県民の皆様からいただいたご意見につきましては、中間案に適切に反映していきたいと考えています。
(国の状況と今後の県の行財政運営について)
さて、今後の県の行財政運営に大きな影響を与えるものとして、先般、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」が閣議決定されました。このいわゆる「骨太の方針2006」では、歳出・歳入一体改革に向けた取組として、2007年度から2010年代初頭を財政健全化第2期と位置づけ、2011(平成23)年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化するための厳しい改革内容が示されました。
これまで進められてきた、いわゆる三位一体の改革は、財政再建のしわ寄せを一方的に地方に強いるもので、本来の分権改革の理念とは大きくかけ離れていると言わざるを得ないものでした。間もなく発足する新内閣には、真の分権改革を進めるために、住民サービスを提供する現場である地方公共団体の意見に耳を傾けていただき、国・地方間の税財政の改革を進め、地方の政策の裁量を拡大していただきたいと考えています。
一方、国、地方を通じた厳しい財政改革の方向性が示されたことから、本県においても、簡素で効率的な行財政運営に向けた一層の取組が避けられない状況であり、限られた資源の中での最適主体による最適サービスの視点を念頭に置きながら、県の歳入歳出の見直しや定員管理の適正化などにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
(三重を一層元気に)
一方、県内経済の動向につきましては、東芝四日市工場で最先端の半導体新製造棟の建設に着手されたほか、シャープ亀山第2工場での世界最大規模の液晶生産設備の稼働や富士通三重工場での半導体の新工場建設、デンソー大安製作所での工場増設など、ITや自動車関連での大型投資があり、県内経済は、引き続き好調に推移している状況にあります。
また、11月には、伊勢志摩地域において、第48回自然公園大会や2006年第6回新体操ワールドカップファイナル三重大会、全米女子プロゴルフ協会トーナメントなどが相次いで開催され、また、文化庁後援の第48回近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会が津市において開催されるなど、三重県の魅力を積極的にPRする好機を迎えています。この機を逃すことなく、三重を一層元気にしてまいりたいと考えています。
以上が、当面の県政運営にあたって、私の考えているところです。よろしくご理解、ご指導をいただきますようお願い申し上げます。
引き続き、ただ今上程されました条例案6件、その他議案11件あわせて17件の議案について、その概要を説明いたします。
議案第1号は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の規定に基づき、認定こども園の認定基準等を定めるものです。
議案第2号、第3号及び第5号は、関係法令等の一部改正等にかんがみ、規定の整備を行うものです。
議案第4号は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等に対処し、県民等の平穏な生活を保持するため、規定の整備を行うものです。
議案第6号は、みえ地震防災の日に関する規定を整備するものです。
議案第 7号及び議案第9号から第12号までは、工事請負契約等を締結または変更しようとするものです。
議案第13号から第15号までは、財産を無償譲渡または取得しようとするものです。
議案第16号及び第17号は、損害賠償の額を決定し、和解しようとするものです。
議案第18 号は、三重県立熊野古道センターの効率的かつ効果的な運営を図るため、指定管理者を指定するものです。
以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
報告第1号から第40号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
報告第41号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
最後に、水道事業会計、工業用水道事業会計、電気事業会計及び病院事業会計の平成17年度決算について、それぞれ認定をお願いするものです。これらの決算は、地方公営企業法第30条第2項の規定に基づき、監査委員の審査を経ておりますことを申し添えます。
なお、一般会計及び特別会計の平成17年度決算については、昨年同様、今議会中の提出に向けて作業を進めているところです。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。