平成18年第2回定例会の開催にあたり、議案の説明に先立ちまして、当面の県政運営についての私の考え方を申し述べます。
(地域主権の社会を目指して)
本県では、県民の皆様が主役となって、それぞれの思いをもとに、主体的に自らの住む地域をつくっていくことのできる「地域主権の社会」を目指しています。こうした社会を実現するためには、従来とは異なる新しい県政の展開が必要であり、「新しい時代の公」と「文化力」の二つの取組を進めているところです。
「新しい時代の公」に関しては、既に、県内各地域で県民の皆様の主体的な取組が始まっていますが、企業が行政と連携して地域貢献活動に参画していただくなど、さらに広がりを見せてきています。
県としても、「新しい時代の公」にふさわしい県政運営に転換していくことが必要であり、次期戦略計画の策定に際して、「みえの舞台づくり百人委員会」を設置したのも、このような考え方によるものです。引き続き、「新しい時代の公」の考え方が、県民の皆様に幅広く浸透することに努めるとともに、「公」の活動を進めるための環境整備を一層進めていきたいと考えています。
文化力については、5月に「みえの文化力指針」を議会にご報告し、また、先般開かれた国の文化審議会でも意見発表したところです。文化力を政策全体のベースに位置づけ、県民の皆様の暮らしの中の充実感や生きがいを高めるとともに、経済と文化のバランスの取れた政策へと転換し、中長期的に健康な社会づくりを目指していきたいと考えています。
(国の分権改革をめぐる動向)
一方、地域主権の社会を実現するためには、権限、財源の移譲といった地方分権を進めることが前提となりますが、現在、政府で議論されている分権改革の内容は、国の財政再建のために地方財政を犠牲にし、国の関与を残したまま、地方の自主性と自立性を損ねる極端な財政格差を、地方自治にもたらしかねないものであり、本来の分権改革の理念とは大きくかけ離れていると言わざるを得ません。
地方交付税や地方税財政制度の改革は今後のわが国の地方自治のあり方の根幹に関わる問題であり、改革にあたっては地方自治を実践する地方公共団体の意見を十分反映させることが重要です。
このことから、5月26日に、県及び県議会をはじめ、県内市町の関係団体で構成する「三重県自治体代表者会議」及び「三重県地方分権推進連盟」において、「今後の地方分権改革についての緊急提言」を決議し、国に対し提言したところです。
また、6月7日に、全国知事会・全国都道府県議会議長会など地方六団体は、税財政改革のあり方などについて「地方分権の推進に関する意見書」を国に提出したところです。
分権改革の残された課題の解決は今まさに正念場となっており、地方の自立につながる真の分権改革を実現するため、今後も地方が一丸となって取り組んでいきたいと考えています。
(県政運営の継続的な改善)
以上のように国の分権改革における地方税財政制度の改革は、非常に厳しい局面にあり、本県財政も引き続き予断を許さない状況にあります。
このような中、県政の推進にあたりましては、「県民しあわせプラン」を着実に推進するため、「みえ行政経営体系」のもとで、全体最適を目指した行政運営を進めているところです。
また、3月には、更なる経営改善策として、「みえ経営改善プラン」を取りまとめたところです。今後とも、厳しい財政状況の中にあっても必要な公共サービスの提供を行うことができるよう、財政運営の不断の見直しや事務事業の見直し、定員管理や給与の適正化等を進め、一層、簡素で効率的な行政運営にしっかりと取り組んでいきます。
以上が、当面の県政運営にあたって、私の考えているところです。よろしくご理解、ご指導をいただきますようお願い申し上げます。
引き続き、ただ今上程されました補正予算4件、条例案19件、その他議案5件合わせて28件の議案について、その概要を説明いたします。
議案第1号から第3号にかかる補正予算は、RDF貯蔵槽爆発事故等の損害賠償請求にかかる訴訟費用であり、一般会計では697万8千円、電気事業会計では3,322万3千円、病院事業会計では1万円をそれぞれ増額しています。
議案第5号にかかる補正予算は、当初予算編成後に緊急に実施が必要となった事業について補正するもので、GIS整備推進の一環としてデジタル地図を県と市町が共同で整備するための経費など、一般会計で1億380万円を増額しています。
これら補正に要する財源として、財政調整基金からの繰入金等を計上しています。
今回の各会計の補正額は、一般会計では1億1,077万8千円、企業会計では、3,323万3千円の増額であり、両会計の補正額合計は、1億4,401万1千円の増額となります。
これらの歳入歳出予算のほか、県の施設にかかる指定管理期間の更新等に伴う債務負担行為の追加をしています。
以上で補正予算の説明を終わり、引き続き条例案等の諸議案について説明いたします。
議案第4号は、RDF貯蔵槽爆発事故等の損害賠償を請求する訴えを提起しようとするものです。
議案第6号、第7号、第11号、第12号、第16号から第19号まで及び第21号は、関係法令等の一部改正等にかんがみ、規定の整備を行うものです。
議案第8号は、知事の権限に属する事務の一部を市町が処理することについて改正するものです。
議案第9号及び第10号は、三重県議会議員等の報酬や知事等の退職手当について、規定の整備を行うものです。
県税について、議案第13号は、地方税法の一部改正に伴い規定を整備するものであり、議案第14号及び第15号は、農村地域工業等導入地区や三重県総合保養地域として指定された地区における県税の特例措置を延長するものです。
議案第20号は、市街化調整区域における適正な土地の利活用と既存集落の維持を図るため、規定の整備を行うものです。
議案第22号及び第23号は、三重県営鈴鹿スポーツガーデン及び県営サンアリーナの施設の整備等に伴い利用料金等の規定を整備するものです。
議案第24号は、三重県総合文化センターの指定管理者の指定等に係る規定を整備するものです。
議案第25号及び第26号は、損害賠償の額を決定し、和解しようとするものです。
議案第27号は、議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する事務について、受託を廃止するものです。
議案第28号は、三重県交通安全研修センターの一層の効果的かつ効率的な運営を図るため、指定管理者を指定するものです。
以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
報告第1号から第8号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
報告第9号から第18号までは、平成17年度一般会計、特別会計及び企業会計のうち、翌年度へ繰り越した経費について、それぞれ繰越計算書を調製しましたので、報告するものです。
報告第19号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。