本年は異常なほど災害が多発していますが、10月23日の夕刻に新潟県中越地震が発生しました。その後も余震
が続く中、大規模な被害が出ています。この地震により被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
本県においても台風21号や台風23号などにより、大きな被害を受けました。特に、9月29日の台風21号がもた
らした未曾有の豪雨によって、災害救助法や被災者生活再建支援法を適用するほどの甚大な被害を受けました。
9名の方がお亡くなりになるとともに、依然として1名の方が行方不明となっておられます。亡くなられた方々の
ご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた県民の皆様に心からお見舞い申し上げます。
住家被害としては、豪雨による河川の氾濫や土石流などの発生により、全壊・半壊・一部損壊や床上・床下浸
水などの被害を受けました。社会基盤の被害としては、冠水や崩落による道路被害のほか、河川堤防の欠壊等の
被害が多数発生しています。ライフライン関係でも、水道断水、停電、電話不通などがあり、水道断水について
は、現在も復旧工事が進められているところです。
これらの被害に対して、陸上自衛隊等の防災関係機関による救助活動、県内市町村からの給水支援、ボランテ
ィアの方々の活動、義援金や援助物資の提供など、多くの皆様にご支援、ご協力をいただきましたことについ
て、心から感謝いたしております。
なお、速やかに県民生活の安定を図るための総合的な対策が急務であることから、10月19日に関係府省に対し
て、激甚災害の早期指定や文教施設及び社会福祉施設などにかかる災害復旧への財政支援の充実など26項目から
なる支援措置に関する緊急要望を行ったところです。
県といたしましても、今後も国、市町村、防災関係機関等と十分連携を図りながら、被災された方々の生活再
建支援に取り組んでいくとともに、災害の復旧に総力をあげて取り組んでいきたいと考えています。
それでは、上程されました補正予算2件について、その概要を説明いたします。
今回の補正予算は、台風21号による災害対策を中心とした今年度の災害対策に関するもので、緊急性の高いも
のについて補正を行うものです。
各会計の補正額は、一般会計では201億4,500万7千円の増額、企業会計では6億2,846万7千円の増額であり、補
正額合計は、207億7,347万4千円の増額となります。
まず、一般会計についてその概要を説明いたします。
歳出は、被災された方々への生活・住宅再建支援として、市町村が実施する被災者の生活支援及び住宅再建支
援に要する経費の一部を助成する経費として4億280万円、被災した住宅の再建、補修に要する住宅金融公庫等か
らの借入金の利子を助成する経費として462万8千円、災害により負傷又は住居、家財に被害を受けられた方の被
害の程度に応じ、災害援護資金の融資を行う市町村にその原資を貸し付けるなど、災害弔慰金の支給等に関する
法律に基づく支援として3億6,712万8千円を計上しています。
次に、救助活動の実施として、災害救助法が適用された市町村における、物資の調達や応急仮設住宅の設置な
ど、救助に要した経費として1億890万円を計上しています。
また、社会基盤の早期復旧として、道路・河川・砂防施設等の復旧などにかかる経費として171億2,182万1千
円、農林水産施設の復旧などにかかる経費として20億9,647万9千円、社会福祉施設等の復旧にかかる経費として
4,325万1千円を計上しています。
歳入は、国庫支出金について124億5,984万7千円、繰入金について財政調整基金、災害救助基金あわせて14億
3,851万4千円、県債について62億4,664万6千円の増額をしています。
次に、企業会計についてその概要を説明いたします。
被災により発電を停止している水力発電所について、三瀬谷発電所の制御機器の取替経費などとして6億2,846
万7千円を計上しています。
以上、上程されました補正予算の概要を説明いたしましたが、補正予算を伴わない支援制度の創設や拡充など
について、その概要を説明いたします。
まず、被災された方々への生活・住宅再建支援としまして、被災者生活・住宅再建支援制度に基づく市町村負
担金及び被災者住宅復興資金貸付金利子補給制度における市町村利子補給負担分に対し、市町村振興事業貸付金
制度の拡充を行います。
次に、産業の復興支援として、県内中小企業者に対する台風21号による災害復旧のために緊急に必要な設備資
金及び運転資金の融資制度の創設や、相当の被害があったことを市町村長に認定された被災農林漁業者への利子
補給制度の活用などを行います。
その他、災害被害者に対する特例措置として、県税の減免や納税の猶予を行うほか、被災生徒に対する県立高
等学校の授業料減免、被災者に対する警察関係手数料の減免などを行っていきます。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。