平成16年第2回定例会の開会にあたり、ただいま上程されました議案の説明に先立ち、当面の県政運営につい
ての私の考え方を申し述べます。
(県民しあわせプランがスタート)
この4月から県民しあわせプランがスタートしました。プランの初年度である平成16年度は、戦略の展開、実
行の年であり、戦略計画の着実な推進を図る必要があります。
中でも重点プログラムは、県民の皆さんへのお約束、就任後のマニフェストであると考えており、担当の部局
長にも、何としてもやりとげる、という固い決意で臨むように指示いたしました。
4月下旬には産業廃棄物の不法投棄が問題となりましたが、この防止及び安全性の確認調査も重点プログラム
の一つとして取り上げており、調査結果を踏まえ、的確に対応していきます。
また、RDF焼却・発電につきましては、三重ごみ固形燃料発電所の試運転を8月上旬頃まで続け、安全性を
見極めてまいります。 その後、運転を停止し、停止した状態で県議会、市町村、地域住民の皆さんに、試運転
結果を含めた安全確認の結果について報告し、関係者の意向も踏まえて、今後の対応について判断を行っていき
たいと考えています。
(情報発信、発展の好機)
さて、年明け早々に稼働しましたシャープ亀山工場は、国内製造業の新たな方向を示すものとして、また、景
気回復のけん引役として、全国的にも大きな注目を集めています。北勢地区では、このほかにも東芝四日市工場
や富士通三重工場など、IT関連の大規模な設備投資が続いています。
また、5月16日から『生誕360年 芭蕉さんがゆく 秘蔵のくに 伊賀の蔵びらき』事業が始まったほか、熊野
古道が間もなく世界遺産に登録される予定です。そして、日本文化デザインフォーラムのシンポジウムが夏から
継続して開催され、9月にはエコミュージアムの全国大会も開催されます。中部圏の広域レベルでは、中部国際
空港の開港がいよいよ8か月後にと迫っており、来年は続いて2005年日本国際博覧会(愛知万博)も開催されま
す。
さらに、少し先の話ですが、平成21年度に第29回世界新体操選手権大会が本県で開催されることとなりまし
た。また、そのプレ大会として、第6回ワールドカップ・ファイナル及び第13回世界新体操クラブ選手権(イオ
ンカップ)が、平成18年度に本県で開催されることが決定しました。
このように、今は積極的に三重を情報発信し、発展させる好機であり、チャンスの年です。こうした工場進
出、設備投資やイベント開催の波及効果を、短期のものに終わらせず、地域の技術資産、知的資産、文化資産へ
とつなげていく必要があります。
そのため、基礎素材産業と自動車を中心とする加工組立産業を両輪として、燃料電池に関する産業集積を図る
など、経済構造の転換を促し、内発的な発展が可能な「元気」な地域を目指します。また、観光・交流施策の新
たな展開を図り、観光客が訪れたくなり、住民が誇れる、魅力あふれた地域へとしていきたいと考えています。
(市町村合併の動向と県民局のあり方)
一方、年度末に合併特例法の期限を控え、今後、県内の市町村合併は一段と進展していきます。昨年の12月に
合併したいなべ市に続き、年内に新しく志摩市、伊賀市が誕生するなど、県内市町村は現在のほぼ半数以下に再
編される見込みです。
県として合併に取り組む市町村への支援に努めていますが、広域行政や関係団体の再編など、関係者の努力に
は大変なものがあります。また、合併に伴い、法で定められた事項について、県から市町村に権限移譲が行われ
ることとなりますが、このほか、県と市町村の協議に基づく包括的な事項等について、検討が進められていま
す。
県の総合地域機関である県民局については、こうした市町村合併の進展や市町村への権限移譲の状況、その他
県民局を取り巻く環境変化を踏まえ、県民局の所管区域の広域化を含めた組織・機能の見直しを今後段階的に実
施し、効率的で効果的な組織運営を行っていく必要があります。
当面、平成17年度からの実施を目途とした県民局の見直しを検討することとし、今議会では県民局の見直しに
関する基本的な考え方を提示いたします。
以上のことに取り組むうえで、私自身が直接県民や市町村の皆さんと対話する機会を昨年度にも増して積極的
に持つこととし、明日(6月5日)を皮切りに「知事と語ろう 本音でトーク」を県内延べ17か所で開催します。
引き続き、上程されました補正予算1件、条例案10件、その他議案7件合わせて18件の議案について、その概要
を説明いたします。
議案第1号は、平成16年度一般会計補正予算であり、債務負担行為の変更を行うものです。
議案第2号は、県民の利便性の向上を図るため、県の機関等にかかる申請、届出その他の手続等における情報
通信の技術の利用に関し、必要な事項を定めるものです。
議案第3号及び第4号は、10月1日に志摩市が設置されることに伴い、知事及び三重県教育委員会の権限に属す
る事務の一部を市町村が処理することについて改正するとともに、関係条例の規定を整理するものです。
議案第5号は、市町村合併の推進のため、町としての要件の特例を設けるものです。
議案第6号から第10号までは、関係法令の一部改正等にかんがみ、規定の整備等を行うものです。
議案第11号は、県民の多様な医療ニーズに的確に対応するため、使用料についての規定の整備を行うもので
す。
議案第12号から第14号までは、関係市町村からの合併の申請に基づき、新たに「伊賀市」、「松阪市」及び
「亀山市」を置こうとするものです。
議案第15号は、工事請負契約を変更しようとするものです。
議案第16号は、三重地方税管理回収機構にかかる議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する事
務の一部を受託するものです。
議案第17号は、三重県環境基本条例の規定に基づき策定した基本計画の変更を行うものです。
議案第18号は、三重県総合文化センターの指定管理者の指定を行うものです。
以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
報告第1号から第12号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
報告第13号から第23号までは、平成15年度一般会計、特別会計及び企業会計のうち、翌年度へ繰り越した経費
について、それぞれ繰越計算書を調製しましたので、報告するものです。
報告第24号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
以上をもちまして提案の説明を終わります。
なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。