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平成15年06月11日

平成15年第2回三重県議会定例会 知事提案説明

 平成15年第2回定例会の開会にあたり、ただいま上程されました議案についての説明に先立ち、今後の県政運
営に当たっての所信を申し述べ、県民の皆様並びに議員の皆様の深いご理解とご協力を、お願い申し上げます。

(目指すべき三重県の姿)
 まず、私の目指す三重県の姿について、お示しいたします。
 県を取り巻く状況を考えてみますと、人口減少社会が間近に迫り、これまでの右肩上がりを前提とした、拡
大、成長を求める物質的な価値観ではなく、安定、成熟を前提とした、個々人の個性や精神的な豊かさを大切に
するといった新たな価値観に基づく、新しい社会の形が求められています。
 また、平成17年3月の合併特例法の期限に向け、市町村合併の取組が進められている中、地域が、自らの価値
観に基づき、自ら地域のあるべき姿を定め、自己決定、自己責任に基づき、地域を創っていこうとする地方分権
の流れは、これまで以上に大きく、確実な流れとなってきています。
 このような大きな時代の潮流を見通し、私は、産業や経済が活発で、人々がいきいきと暮らせる、元気と活力
のみなぎる三重県、県民の皆様が、日常のくらしの中で安全と安心を実感し、本当の笑顔が生まれるような三重
県、そして、世界に誇れる地域の文化や自然を育み、豊かな感性と発想をもった県民の絆で躍進する三重県を、
想い描いています。
 そのような県の姿の実現に向けて、生活者起点の県政を継承、発展させ、すべての県民の皆様が、三重県に住
むことに満足し、ふるさとを愛し、誇りに思う、そんな“みえけん愛”に溢れた、「県民が主役でつくる“しあ
わせ創造県”」を、県民の皆様との協働で創っていきたいと考えています。

(県政運営の基本的な考え方)
 以上のような三重県を実現するため、私が取り組む県政運営の基本的な考え方の1番目は、「県民が主役の県
政」です。
 これまでの県政改革によって、県庁の仕組みは変わり、職員にも、より良質の行政サービスを、県民の皆様に
提供することが使命であるとの意識が浸透しつつあります。
 しかし、このような改革の成果が、日々の生活の中で、充分には実感できないという県民の皆様の意見も、多
くあるものと受けとめています。
 そこで、「県政の主役は、県民である」ということを絶えず頭に置いて、常に県民の皆様からみた物差しを基
準に、県民の皆様のしあわせを最優先に考え、県民の皆様がしあわせを実感できるような県政を進めます。
 基本的な考え方の2番目は、「県民との協働により創造する県政」です。
 公共の仕事をしているのは、県だけではありません。市町村、NPO、ボランティア、地域団体など、その担
い手はたくさんあり、それら多様な担い手が連携し、協力しあう、新しい「公」の形が求められる時代となって
います。
 そこで、今議会終了後から各地域で実施いたします「本音でトーク」などの方法で、私自身が、広く県民の皆
様と直接語り合うことにより、県民の皆様との連携、協働を積極的に進めていきたいと考えています。
 また、私は、県が県民の皆様に行政サービスを提供するうえでの、最大のパートナーは、市町村であると考え
ています。
 このため、知事就任後直ちに、市町村長との「膝づめミーティング」を県民局単位で実施し、市町村長の皆様
のご意見をお聴きしました。
 その中で、県民の皆様に最も近い自治体である市町村が、それぞれの地域における課題解決に向けて努力をさ
れており、市町村と県が行政としての役割分担を明確にしつつ、連携、協働して行政サービスの向上にあたるこ
とが重要であるとの思いを、今一度、強くしたところです。
 3番目は、「県民とともに感性を磨く県政」です。
 県民の皆様の信頼を得て、共感が得られるような県政を進めるためには、人の痛みを理解したり、新しい発見
にときめいたり、すばらしい事柄に感動したりする感性こそ大切であると考えています。
 このため、県民の皆様にこれまで以上に積極的な情報提供を行い、情報共有を進めることで、県民の皆様と行
政、さらには、県民相互の心の絆を育んでいきたいと考えています。
 県民の皆様とともに感性を磨き、県民の皆様が信頼と共感をもって参画できるような、本当の意味での「県民
が主役の県政」を実現していきたいと考えています。

(重点化する3つの取組)
 以上、「県民が主役の県政」、「県民との協働により創造する県政」、「県民とともに感性を磨く県政」とい
う、県政運営にあたっての私の基本的な考え方について説明しましたが、続いて、私の任期中における、当面の
県政の方針についての考えを説明申し上げます。
 三重県においては、北川県政の8年間において、全国に先んじて数多くの行政改革が進められ、高い評価を得
たところです。
 私といたしましては、この改革の流れを基本的に継承し、目に見える成果として、県民の皆様に実感していた
だけるよう、更に進化、発展させていきたいと考えており、次の3つの取組を進めていきます。

(県民しあわせプラン)
 最初の取組は、「県民しあわせプラン」の策定です。
 今日、社会情勢は、私たちの予想を超える速さで変化し、県民の皆様が求めるニーズや価値観もそれに伴い変
化しています。
 このような変化に柔軟に対応し、県民の皆様が、満足を実感できるような行政サービスを提供するためには、
これまでの総合計画とは異なる、より戦略的な新しいスタイルの計画が必要です。
 このため、私は、「三重のくにづくり宣言」を点検し、基本理念や基本政策の考え方など、活かせるものは活
かしつつ、進化、発展させた計画として「県民しあわせプラン」を策定し、平成16年度からスタートさせます。
 「県民しあわせプラン」には、三重県のあるべき姿と目指すべき方向という長期的な県政のビジョン、平成16
年度からの3カ年で県が進めるそれぞれの施策の方針とともに、すべての県民の皆様が、しあわせを実感できる
よう、現状において、特に重点をおく3つのテーマについて具体的な取組方針を掲げます。
 重点とするテーマの1つ目は、「みえ元気づくり」です。
 国の構造改革や不良債権処理が遅々として進まない中、企業倒産や失業率は、これまでにない高い水準で推移
するなど、現在の産業、雇用を取り巻く環境は、県民の皆様にとって最も大きな不安であり、県全体が元気を失
っています。
 現在の雇用情勢を改善し、産業を活性化することで、すべての県民の皆様が、明日の生活に希望を持ち、いき
いきと暮らせる、元気と活力に満ちた三重県づくりを進めます。
 2つ目のテーマは、「みえのくらしづくり」です。
 経済性や効率性、競争性を優先した20世紀型の「物質的な豊かさ」から、21世紀は、ゆとりや自然との共生と
いった「心の豊かさ」が重視される時代であると言われています。
 しかしながら、現在、それを本当に大切にし、実感できる三重県とはなっていません。
 また、食の安全・安心に関する問題、大規模地震や重症急性呼吸器症候群(SARS)、犯罪の増加など、日
常生活における不安は増大しつつあります。
 県民の皆様が、日常のくらしの中で、豊かさや安全と安心を実感し、本当の笑顔が生まれるような、「くらし
先進県」づくりを進めます。
 3つ目のテーマは、「みえの絆づくり」です。
 交通網の発達やIT技術の急速な進歩、普及により、グローバル化は、私たちの日常生活の中にまで広がりま
した。
 これからは、地域の結びつきを強めるとともに、一人ひとりが、それぞれの個性を尊重した人と人との絆づく
り、国際社会の一員として全国、世界との絆づくりを深めていくことが重要になっています。
 伊勢志摩の自然、もてなしの心や熊野古道など、世界に誇れる魅力ある地域の資源を活かした交流を進め、三
重県のもつパワーを高めるとともに、このパワーや絆を国際貢献にも活かしていく、そんな三重県づくりを進め
ます。
 これら3つのテーマについては、私の任期中に、県民の皆様が、具体的な成果を実感していただけるよう、全
力で取り組んでいきます。

(トータルマネジメントシステム)
 2つ目の取組は、トータルマネジメントシステムの検討です。
 三重県では、行政システム改革が進められ、政策推進システムをはじめ、いろいろな行政運営システムが構築
されています。
 しかしながら、これらの仕組みの中には、相互の連携が不十分で、効果的に機能していないものや、仕組みそ
のものが不十分なものがあるのではないかと感じています。
 このため、これら県の行政運営の仕組みについて、県民の皆様から見て、よりよい行政サービスを提供できる
仕組みとなっているかどうかを常にチェックし、改善していくという行政経営品質の考え方に基づき点検、検証
を行います。
 そして、変えるべきところは変え、足らないところは補って、仕組み自体の簡素、効率化を図るとともに、よ
り体系的、効果的に機能するような「トータルマネジメントシステム」として進化させ、可能なものについて
は、平成16年度から県政運営の仕組みとして、導入していきたいと考えています。

(県財政の諸問題)
 取組の最後は、県財政の健全化への取組です。
 長引く不況の影響で、法人税をはじめとする県税収入が大幅に落ち込む一方で、景気回復のための公共事業の
実施などによる公債費の増加や、高齢者対策や医療費助成などの扶助費の増加など義務的経費が増加するととも
に、県債残高が予算規模を上回るなど、県の財政状況は、これまでにない厳しい状況となっています。
 県民の皆様のニーズに即した行政サービスを提供し、県民のしあわせを実現するためにも、県財政の健全化が
急務であると考えています。
 このため、今後の財政見通し、義務的経費、政策的経費について問題点を抽出し、今後の財政運営のあり方な
どについて検討して、可能なものについては、平成16年度の予算編成に検討結果を反映していきたいと考えてい
ます。

(検討会の設置等)
 これら、「県民しあわせプラン」、「トータルマネジメントシステム」、「県財政の諸問題」の3つの項目に
ついては、既に、それぞれの課題について庁内に検討会を設置し、検討を始めています。
 しかし、真に県庁が「県民が主役の県政」を担い、県民のしあわせを実現するためには、その検討段階におい
て、県民の皆様から広く意見をいただくことが必要です。
 このため、「本音でトーク」やインターネットを活用するなどして、県民の皆様の意見を積極的にお聴きし、
県政に反映していきます。
 また、これら3つの県政の基本的事項に係る今回の検討にあたっては、私自身が、県民の皆様や有識者の方々
のご意見を直接お聴きするため「県政懇談会(仮称)」を設置したいと考えています。

 以上、県政運営にあたりまして、私の所信を申し述べましたが、「県民しあわせプラン」をはじめ、具体的な
県政運営にあたりましては、議員の皆様のご理解とご協力が不可欠であると考えており、それぞれの検討項目に
つきましては、節目節目において、議会の皆様に説明し、ご議論をいただくこととしておりますので、よろしく
お願い申し上げます。

 引き続き、上程されました補正予算3件、条例案9件、その他議案5件合わせて17件の議案について、その概要
を説明申し上げます。
 今回の補正予算は、新価値創造予算のほか、新たに実施が必要となった事業などについて、それぞれ補正を行
うものです。
 各会計の補正額は、一般会計では27億8,192万1千円の増額、特別会計では3,000万円の増額、企業会計では989
万1千円の増額であり、三会計の補正額合計は、28億2,181万2千円の増額となります。

 まず、一般会計についてその概要を説明申し上げます。
 歳出としては、県政運営のための諸システムを点検し、システム間の連携等を整理して、トータルなマネジメ
ントシステムに進化させるための検討経費として677万円、「県民しあわせプラン」策定経費として2,927万8千
円を計上しています。新価値創造予算としては、県内で横行する産業廃棄物不法投棄事案等環境犯罪の徹底検挙
や封圧を図るために、広域環境犯罪対策を展開する経費2億8,192万9千円、県民の防災対応力の向上を図るた
め、防災に関する知識の習得、災害に対する備えの充実等を進め、県民参加型の普及啓発活動を展開する経費
9,817万5千円などを計上するほか、「生きる力」を育む教育を推進するために、各学校における継続的な改善を
行っていくための仕組みづくりや児童生徒の学力の定着状況の把握、指導方法の工夫・改善に取組む市町村への
支援などの経費2,068万8千円などを増額しています。また、安全・安心まちづくり防犯サポート事業など緊急雇
用創出事業として、4億5,416万1千円を増額しています。
 これら補正にかかる財源については、国庫支出金9,573万9千円、財政調整基金、緊急雇用創出基金等からの繰
入金26億8,618万2千円を計上しています。    
 これら歳入歳出予算のほか、債務負担行為の追加をしています。
 次に、特別会計及び企業会計について、説明申し上げます。
 特別会計では、流域下水道事業特別会計について3,000万円を増額しています。
 企業会計では、病院事業会計について989万1千円の増額のほか、債務負担行為の追加をしています。

 以上で補正予算の説明を終わり、引き続き条例案等の諸議案について説明申し上げます。
 議案第4号は、関係法律の規定に基づき、三重県教育委員会の権限に属する事務の一部を市町村が処理するこ
となどについて改正を行うものです。
 議案第5号及び第6号は、関係法律の施行等にかんがみ、関係条例の規定の整備を行うものです。
 議案第7号は、関係法律等の一部改正にかんがみ、古物競りあっせん業にかかる業務の実施の方法の認定を受
けようとする者にかかる手数料についての規定の整備を行うものです。
 議案第8号は、ほ場整備事業及び土地改良総合整備事業再編に伴い、県営土地改良事業の名称の改正を行うも
のです。
 議案第9号は、地方税法の一部改正に伴い、不動産取得税、県たばこ税及び自動車取得税についての規定の整
備を行うものです。
 議案第10号から第12号までは、関係法令等の一部改正にかんがみ、県税の特例措置について改正を行うもので
す。
 議案第13号及び第14号は、いずれも工事請負契約を変更しようとするものです。
 議案第15号及び第16号は、三重県中央卸売市場の関連事業者に対し、未納となっている施設使用料等の支払い
を求める訴えを提起しようとするものです。
 議案第17号は、損害賠償の額を決定し、和解しようとするものです。

 以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明申し上げます。
 報告第1号から第13号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
 報告第14号から第24号までは、平成14年度一般会計、特別会計及び企業会計のうち、翌年度へ繰り越した経費
について、それぞれ繰越計算書を調製しましたので、報告するものです。
 報告第25号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。

 以上をもちまして提案の説明を終わります。
 なにとぞ、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。


本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 総務課 企画調整班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2056 
ファクス番号:059-224-3170 
メールアドレス:soumu@pref.mie.lg.jp

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