令和2年9月7日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者に関する発表の中で、知事から県民の皆様へメッセージを出しました。
メッセージの要旨は以下のとおりです。
〇鈴鹿厚生病院のクラスターについて、厚生労働省のクラスター対策班は、陽性患者搬送による病棟の負荷軽減や、他病院からの感染管理認定看護師の現場支援、県庁・保健所も病院に入って活動していること等から、地域全体での支援が実施されており、感染管理認定看護師による職員の教育・啓発など、新たな院内感染を発生させない取組も開始されていると、現状を評価しております。
〇新型コロナウイルス感染症患者の感染性と潜伏期間の関係ですが、発症を基準に考えますと、発症2日前から発症後7~10日間が感染可能期間となり、この間に濃厚接触があった場合、次の方に感染を広げている可能性があります。一方、接触してから2~14日間で発症すると言われていますので、この間が潜伏期間となります。
〇鈴鹿厚生病院のクラスター対応については、9月3日に県が入所者の感染を確認してから速やかに、外部医師や感染管理認定看護師も含む県のクラスター対策グループを派遣し、国のクラスター班にもお越しいただいて、9月4日から接触の恐れのある方のゾーニングなど必要な対策を講じましたが、既に感染可能期間に接触し、現在潜伏期間にあたる方は一定数おられるものと思われます。このため、対策の開始から10日間程度、つまり今後一週間程度は、患者発生は継続するものと思われますが、直ちに対策を講じましたので、対策以降の感染拡大は食い止められたものと思われ、9月中旬頃から、この効果は顕著になるものと考えています。
〇医療機関や社会福祉施設においては、これまでも十分に感染防止対策を行い、職員や利用者の皆様の体調管理にも気を付けていただいており、クラスターが発生した施設においても、基本的な感染防止対策はとっていただいていたとお聞きしていますが、あらためて、「持ち込まない、ひろげない、倒れない」を意識した工夫や対策をお願いいたします。
【持ち込まない】
・日常生活の感染機会(密集、密閉、密接)を避ける
・体調管理、出勤前の体温チェック
・感染源になるリスクを極力おさえるため、常に正しいマスクの使用、正しい手指衛生を実施する
【ひろげない】
・同僚へひろげない
「気づかない陽性者」であった場合でも、自分の同僚に濃厚接触者がでないよう工夫してください。
例:休憩の取り方、休憩室の使い方の工夫、環境の清掃、手指衛生、マスク
・患者・利用者へひろげない
勤務中は標準・接触予防策及び咳エチケットを徹底、外部ICNの支援をうけながら評価、改善してください。
・施設内でひろげない
COVID-19の疑い例、確定例のゾーニング、その担当者のとりきめ
【倒れない】
・医療機関・社会福祉施設の機能維持のために、現実的にできることの最善策を実施
・風評被害や業務負担に耐えている従事者のメンタルヘルスに留意し、休養がとれる体制とする
・風評被害対策は組織としてとりくみ、広くアナウンスすることも効果的
〇県としましても、引き続き、外部医師や感染管理認定看護師も含むクラスター対策グループの派遣、具体的な対策の周知などにより、医療機関、社会福祉施設のサポートを全力で行っていきます。
〇なお、これまでも繰り返し申し上げていることですが、こうした感染事例の発生によって、医療従事者、社会福祉施設関係者の皆様やそのご家族、入院患者や施設利用者の方が不当な差別、偏見、いじめ、誹謗中傷を受けるようなことがあってはなりません。私たちの健康を守り、よりよく生きるための手助けをするために尽力いただいた結果として、ウイルスに感染したとしても、今までの頑張りを感謝こそすれ、感染を責めることは誰にもできません。
〇感染は皆様を含め、誰にでも起こりうることで、決して他人事ではありません。戦うべき相手はウイルスであり、私たちの隣人ではありません。どうか、県民の皆様におかれましては、個人や事業者への偏見や差別につながる行為、人権侵害、誹謗中傷等は絶対に行わないでください。