国内においては、感染源(リンク)が分からない感染者の増加が生じている地域が散発的に発生しており、諸外国の例からすると、今後こうした地域が全国に拡大することにより、オーバーシュート(爆発的な感染拡大)につながるおそれがあります。
三重県では幸い、現時点では、クラスター等の事例は発生していませんが、近隣県において急速に感染拡大が起こっている状況等もふまえ、これ以上感染が拡大しないよう、「オール三重」で一致団結して取り組む必要があります。
県民の皆様におかれましては、ご自身の健康を守るため、大切な家族や友人の健康を守るため、次の点について、ご理解とご協力をお願いいたします。
①お出かけの際は、最も感染拡大のリスクを高める3つの環境(①、換気の悪い密閉空間。②、人が密集して
いる。③、近距離での会話や発声が行われる。)が同時に重なっている場所を徹底的に避けてください。ま
た、感染が広がっている海外各国への渡航や、全国規模のイベントへの参加はお控えください。
②重症化リスクが高くなると言われている、強いだるさや息苦しさがある方、高齢の方や基礎疾患のある方で
体調に不安を感じる場合は、早めに「帰国者・接触者相談センター」へご相談ください。また、ご家族のほ
か、これらの方々に接する機会がある方についても、十分な体調管理を行ったうえで接してください。
なお、外出することは健康維持のために重要ですが、共有の器具や物品がある場所、不特定多数の人がいる
場所への訪問を避け、お一人や限られた人数での散歩など、感染リスクの低い行動を心がけてください。
③学校は春季休業に入りますが、児童生徒の皆さんにおいては、3つの環境が重なることを徹底して避けると
ともに、咳エチケットや手洗いなどの感染防止対策の徹底、バランスのとれた食事、適度な運動、休養、睡
眠などにより抵抗力を高めることも心がけ、発熱等の風邪症状がある場合は、外出を控えてください。
なお、県立学校の部活動については、感染防止対策を徹底し、3つの環境が同時に重なる場を徹底的に回避
する対策をしたうえで、3月24日から再開します。新年度からの学校再開方針については、今週中にも改
めてお話しします。
大学等の学生の皆さんにおいては、正確な情報をもとに感染リスクを高める行動を慎むとともに、海外留学
等の新たな渡航については、感染症危険情報をふまえ、慎重に検討してください。また、帰国した際は、2
週間の体調管理を行い、体調に変化があった場合には、受診など適切な対応を取るようにしてください。
④イベントの開催については、開催時点の流行状況等もふまえ、中止や延期を考慮いただくとともに、主催者
がどうしても開催する必要があると判断する際は、3つのポイント(①、人が集まる場の前後も含めた適切
な感染予防対策。②、密閉空間・密集場所・密接場面などクラスター(集団)感染発生リスクが高い状況の
回避。③、感染が発生した場合の参加者への確実な連絡と行政機関による調査への協力。)に十分留意して
ください。
⑤事業者の皆様におかれましては、「従業員等が発熱等の風邪症状がある際に、休みやすい環境の整備」や
「テレワーク・時差出勤の活用推進」、「学校等が閉鎖した場合における休暇への配慮」などにも留意しな
がら、従業員の多様な働き方や感染防止対策に努めてください。
また、海外出張で帰国した場合には、2週間は従業員の健康状態を確認し、体調に変化があった場合には、
受診など適切な対応を取るよう、従業員への周知徹底をお願いします。
なお、万一、事業所において集団感染が発生した場合には、その情報を公開することにご協力ください。速
やかな情報の公開が、感染者の早期発見につながります。
⑥感染拡大の防止には、感染者、濃厚接触者の方々の行動歴の調査が不可欠です。もしも感染された、濃厚接
触された場合には、感染拡大の防止、感染源の特定のため、保健所による詳しい行動歴の調査にご協力くだ
さい。
⑦最後になりますが、新型コロナウイルスは、誰もが感染したくて感染しているわけではありません。ご自身
や友人、家族など、誰もが感染者や濃厚接触者になりうる状況であることを受け止めていただき、差別や偏
見は絶対に行わないようにしてください。
感染者、濃厚接触者やその家族、また感染症の対策や治療を行っていただいている医療従事者の方とそのご
家族に対する偏見や差別につながる行為は断じて許されません。
新型コロナウイルス感染症については、SNS等により患者個人の特定につながる内容や人権侵害、誹謗中
傷、患者の勤務先の風評被害が懸念されるような情報が見受けられます。
県として、人権や個人情報の保護に最大限配慮したうえで、県民の皆様の感染防止対策や不安解消に向け、
正確な情報を迅速かつ的確に発信してまいりますので、県民の皆様におかれましても、個人や施設に対する
偏見や差別につながるような行為をされないよう、お願いいたします。
県といたしましても、あらゆる施策を総動員し、今一度本県が持つ「県民力」を発揮し、先の見えない不安や厳しい状況についても「オール三重」で乗り越えていけるよう、高い緊張感を持ちつつ強い決意で取り組んでまいりますので、県民の皆様におかれましても、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いします。
令和2年3月23日
三重県知事 鈴木 英敬
三重県知事 鈴木 英敬