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令和02年01月30日

新型コロナウイルス感染症にかかる三重県議会での知事冒頭発言(3月2日)

 議長のお許しをいただきましたので、新型コロナウィルス感染症について、本日から県内の多くの学校が休校になることも踏まえ、改めてこのタイミングで、本県の現状と今後の対策等について説明させていただきます。
 本県では、1月30日に1名の陽性患者が確認されましたが、その方は治癒され、2月17日に無事に退院されました。その後も、私が本部長を務める対策本部を中心に、対策の実施や情報共有を図るとともに、対策チームを設置するなど体制強化を図り、機動的に関係機関との調整や情報収集・提供を行っています。県内で新たな陽性患者は発生していませんが、国内外において感染経路が不明な患者が発生するなど、感染拡大が止まることなく、予断を許さない状況が続いています。政府の専門家会合でも、この1~2週間が感染拡大か収束かの「瀬戸際」との発言もあります。
 今後講じていく対策について、感染拡大防止、県民の皆様の不安解消及び今回の事態による影響の回避や軽減という観点から、4点申し上げます。
 1点目は、検査・相談・医療体制の充実です。県内での感染者発生前から電話相談窓口を設置し、発生後は相談時間延長や保健所への窓口拡充などを行っておりこれまでに合計で4,113件の相談が寄せられました。また、各保健所に「帰国者・接触者相談センター」を設置し、全国に先駆けて24時間対応を行うなど、感染が疑われる方を診療体制の整った医療機関に確実につなげる体制を整備しています。県民の皆様からの相談内容も変化し、様々でありますが、最終補正予算において更なる相談体制の充実を図るなど、引き続き、県民の皆様からの相談に丁寧に対応し、不安や困りごとの解消に向けて取り組んでまいります。
 検査体制については、三重県では、現在まで、医師が検査必要と判断した案件は全て検査を実施しておりますが、最終補正予算において、さらに検査試薬の購入を行い、より一層の検査体制の充実を図ります。政府で検討が進められている検査の保険適用や簡易検査キットの完成がなされた後の対応についても、県民の皆様が円滑にご利用いただけるよう関係機関と調整を進めてまいります。
 更に、最前線で尽力してくださっている医療機関における感染拡大防止のため、既に県が防災用に備蓄していたマスクを約12万3千枚、医師会・歯科医師会等を通じて提供したところですが、加えて、最終補正予算において、帰国者・接触者外来に協力いただく医療機関に陰圧対応が可能な空気清浄機などの設備の設置を支援するとともに、患者を搬送する保健所職員や医療機関の方々が使用する防護服とマスクを確保します。
 2点目は、学校等の人が集まる場所における感染拡大防止対策とそれに伴う影響を緩和するための対応です。
 県では、子どもの命と健康を最優先に考え、それを守り抜くという強い決意とともに、学校で感染が拡大した場合、例えば、児童生徒などの若い世代は比較的軽症であるケースが多いものの、重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある家族に対して、自覚がないまま感染を広げてしまう可能性なども考慮すれば、地域に与える影響は極めて大きいことにも鑑み、政府からの通知も踏まえ、県立学校では3月2日から春休みまでの間を臨時休業とします。また、公立小中学校を管轄する市町教育委員会や私立学校に対しても、同様の要請を行っています。既に市町においては、迅速な対応を決定していただき感謝申し上げるとともに、特に低学年や障がいを抱える子ども達など、児童生徒や家庭の状況に応じた柔軟な対応もお願いしたいと思います。
 今回の対応には十分な準備期間がなかったことから、不安を感じる児童生徒や保護者の皆様もおみえかと思いますが、教職員はこれまで通り登校しますので、不安に思うことや困ったことがありましたら、遠慮なくご相談いただければと思います。進路指導や、例えば保護者が感染症対策に従事する看護師の方であるなど家庭の状況等により特別な配慮が必要な場合には、教職員が個別に対応を行います。特別支援学校の幼児児童生徒には、保護者が仕事を休めずに自宅等で一人で過ごすことができない場合や、環境や生活リズムが変わることで精神的に不安定になってしまう場合などもあります。このような場合には、多くの幼児児童生徒が同じ場所に長時間集まることのないよう、必要な対策を行った上で、必要最小限の人数に絞って登校していただくなど、個々の子どもの状況に応じてきめ細かに対策を講じます。県立高等学校入学者選抜後期選抜及び特別支援学校入学者選考(再募集)については、生徒が今後の人生の進路を選択する上での重要な機会であることから、感染防止対策を万全にした上で実施します。
 一方、学校の臨時休業に伴う社会的・経済的影響を最小限に抑えるための対応も必要です。企業の皆様に対しては、経済団体を通して、保育を必要とする子どもの保護者の方等に対して配慮していただくことについても要請を行いました。
 また、学校が臨時休業であっても、新型コロナウィルス対応を引き続き万全にするための医療提供体制、また、保育サービス、子ども達が家庭や地域にいる間の防犯対策など、様々な社会的機能は維持していかなければなりません。それらに従事する方々や休暇を取得できない保護者の方等への十分な配慮も必要です。県では、放課後児童クラブを夏休み期間と同じように一日開所していただくなどのお願いをしたところですが、保育サービスや放課後児童クラブの実施主体である市町に対しては、保育を必要とする子どもを受け入れられるような体制整備もお願いしています。なお、開所してくださっている放課後児童クラブや保育所等の感染予防対策の徹底に対しても、現場の方々や預ける保護者の方が不安にならないよう、市町や関係機関と連携して万全を期してまいります。
 学校以外の施設等について、三重県総合博物館Miemuを含む県立文化施設等5施設について、3月15日まで休館する予定です。県主催のイベントについても、不特定の方が集まるものは感染リスクが高いものとして、原則、中止・延期する一方、開催せざるを得ないイベントについては、取りうる限りの感染防止対策を徹底することとしています。また、いくつかの県内観光施設においても、自主的に休園等の対応を行っていただいております。
 3点目は、県内経済への影響を回避・軽減するための当面の対応です。観光業を含む中小企業・小規模企業等に対しては、資金繰り等に関する経営相談窓口を設置し、不安や困りごとにきめ細かに対応しています。関係機関を対象とした定期的な聞き取りを行うとともに、直接、企業へのヒアリングを行い、リアルタイムでの実態把握に努めています。ヒアリングにおいて回答のあった111社のうち38社(34.2%)から経営に「影響がある、または影響を受ける懸念がある」との回答がありました。資金繰りが悪化した企業に対して、迅速な融資を可能とするため、リフレッシュ資金における融資の要件緩和を県独自に行うとともに、本日から突発的災害等に対応したセーフティネット保証4号に基づく融資の取扱いを始めます。業種指定のあるセーフティネット保証5号についても、今回の影響を受ける宿泊業等が含まれていないことから、対象拡大について全国知事会を通じて国に要望を行っています。その他、雇用調整助成金や休業補償等の制度改正に対しても、迅速に情報収集を行い、県内企業が円滑に利用でき、経営安定につなげることができるよう取り組みます。中小企業・小規模企業の皆様のご不安の声で多いのが、「いつまで続くのか」「長引けば影響が甚大」というものです。私たちも最も警戒している要素です。万が一影響が長引いた場合への備えも念頭に万全の対応をとってまいります。
 4点目は、情報提供です。「わからないから怖い」。そんな思いの方が増加し、不安が不安を呼ぶ状態になってしまうと、社会が混乱してしまいます。そのような状況は回避しなければなりません。不安解消のための処方箋の一つが情報です。これまでも、1人目の陽性患者が発生した際の行動歴等の公表、クルーズ船下船者における県内在住者に関する公表などを行ってまいりましたが、県民の皆様にとって重要な「リスク情報」等について、個人情報に最大限配慮しつつも、三重県独自の判断として、引き続き、随時、早急かつ丁寧に公表してまいります。また、トイレットペーパー不足など、事実に基づかない情報により、県民の皆様の生活が混乱してしまわないよう、県としても正確な情報発信に努めますが、SNSなどの全ての情報を把握できない場合もありますので、県民の皆様におかれましても、真偽不明な情報に対する過度な反応や拡散にご留意いただければ幸いです。
 最後に。例えば、学校の臨時休業についても、県民の皆様の中には、「感染者が出てからでは遅い」とおっしゃる方もいれば、「一律に休校する意味があるのか」とおっしゃる方もおみえです。県民の皆様が置かれている状況がそれぞれに違えば、不安や不満を感じる点も異なるのは当然です。ましてやこのような今まで経験したことのない初めての感染症が拡大する最中です。だからこそ、私たちは、県民の皆様のお気持ち一つ一つにしっかり向き合い、県民の皆様の日々の暮らしに思いをはせ、あらゆる手立てを尽くしてまいります。そして、今、誰かを感情的に批判しても、新型コロナウィルスがこの世から無くなることはありません。私を含めすべての関係者が一致団結して全力を尽くすことが何より重要です。県民の皆様におかれましても、ご自分の命、大切な人の命を守るため、力を貸してください。議員各位におかれましても、引き続き、知恵やお力をお貸し下さい。
 明けない夜は絶対にありません。そう信じて、今はまだ決して楽観視できる状況ではありませんが、この難局から脱し、安心で穏やかな日常を一日も早く取り戻すことができるよう、県民の皆様と力を合わせ、強い決意で取り組んでまいります。以上、私からの説明と致します。

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 医療保健部 感染症対策課 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁4階)
電話番号:059-224-2352 
ファクス番号:059-224-2558 
メールアドレス:kansenta@pref.mie.lg.jp

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