ホーム転落事故で思う私たちにできること
メディアでも大きく取り上げられましたのでご存知の方も多いと思いますが、さる、平成28年8月15日、東京の地下鉄の駅で盲導犬を連れた視覚障がいのある方がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故がありました。また、平成28年10月16日、近鉄大阪線の駅でも視覚障がいのある方が転落する死亡事故が起きてしまいました。これらの事故を受けて、対策として検討されたのが、転落防止に非常に効果が高いとされるホームドアの整備ですが、国の方針では、特に事故発生件数が多い1日平均利用者数10万人以上の駅において、整備することとなっており、県内では、この基準に該当する駅がないため、ホームドアの整備の予定はありません。
そのため、三重県では、ホームからの転落防止の対策として、1日平均利用者数3,000人以上の駅を対象に、鉄道事業者による駅ホームへの「内方線」の整備に対して支援を行っています。
「内方線」とはホームの端を知らせる点状ブロックとともに一体的に整備され、視覚障がいのある方が足で踏むことなどにより、ホームの外側(線路側)と内側(安全側)を判断できる線状のブロックのことで、一定の安全が図られます。
※内方線の説明:近畿日本鉄道のホームページにて安全への取組の一つとして示されています。
http://www.kintetsu.jp/kouhou/anzenhoukoku/sa_station.html
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ただし、「内方線」はホームドアほど効果がある訳ではなく、これですべてが解決するものではありません。ここで大切になるのが、視覚障がいのある方への「声かけ」です。
視覚障がいのある方などからは、ハード整備とともに、「声かけ」などのソフトの対応への要望があります。
「ホームドアのすべての駅への設置は難しい。皆さんの声かけが頼りです。」
「ハードは今すぐ変えられないが、今すぐ変えられるものがある。向き合い方だ。ハードを変えられなくてもハートは今すぐ変えられる。」
などの声があります。
もし、皆さんが、駅で白杖(はくじょう)を持った方(視覚障がいのある方)を見掛けましたら「どこへ行きますか?いっしょに行きましょうか?お手伝いしましょうか?」など、ちょっと勇気を出して、積極的な「声かけ」をお願いします。
また、点状ブロック等の上にスーツケース等の荷物を置くことで、視覚障がいのある方の歩行の妨げにならないよう、注意をお願いします。
まず、「声かけ」をやってみましょう!
※目の不自由な方へのお手伝いの方法についてはこちらの資料を参照してください。
目の不自由な方へ(PDF:297KB、新しいウィンドウが開きます)