三重県子ども条例に基づき、子どもの生活に関する意識、実態等について、小学生、中学生、高校生とその保護者、県民を対象に広くアンケート調査を実施し、その結果を中心にとりまとめた「みえの子ども白書2024」を作成しました。
「みえの子ども白書」の作成は、平成23 年度、平成27 年度、平成30 年度に続き4回目となります。
今回の調査では、子どもの自己肯定感に関する質問など、過去3回の調査と同様の質問を設けることにより、子どもの生活や意識についての変化を明らかにしています。また、新たに、子どもの貧困やヤングケアラーに関する質問を設けるとともに、子ども調査と保護者調査の紐付けを行うことにより、世帯の収入状況等が子どもの育ちに与える影響について、分析しています。
1 主な調査結果
(1)子どもの自己肯定感(「自分のことが好き」と回答した子どもの割合)は子ども条例が施行された平
成23 年度以降、小学生、中学生、高校生ともに上昇。自分のことが好きな子どもほど、最近の生活満
足度が高い。
(2)自分のことを決めるとき大人が意見を聞いてくれると感じている子どもほど、大人が自分のことを分
かってくれていると感じており、自己肯定感も高い。
(3)ほっとする場所がある子どもは、特にない子どもと比べて自己肯定感が高い。
(4)幼少期の体験機会が多いほど、自己肯定感が高い。新型コロナウイルス感染症の影響により、学校行
事、地域の祭りや行事などの体験機会が失われた結果、特に小学生において、「新しいことへのチャレ
ンジ」や「地域活動への参加」に関する意欲が低下。
(5)等価世帯収入(※)の水準が低い世帯の子どもは、1日あたりの勉強時間が少なく、学校の授業が分
かる割合も低い。また、将来の進学希望について、「大学またはそれ以上」を希望する割合が子ども、
保護者ともに低い。
※世帯の年間収入を家族の人数の平方根で除したもの(本冊P62参照)
(6)不登校児童生徒数がコロナ禍以降著しく増加。子どもが学校に行きたくないと感じるときは、「何と
なくやる気を感じなかったり、気持ちに不安があったりするとき」が最も多い。
2 配布方法
県少子化対策課において配布するほか、県ホームページ(https://www.pref.mie.lg.jp/SHOSHIKA/HP/000285320.htm)に電子ファイルを掲載します。
3 今後の活用
県では、全ての子ども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現に向けて、県民の皆さんに、家庭や地域、学校などにおける子どもとの関わり等について考えていただけるよう、さまざまな機会を通じてみえの子ども白書の内容を周知していきます。
また、みえの子ども白書の他、国のこども大綱の内容をふまえるとともに、子どもの意見をしっかりと聴いたうえで、令和6年度に、「第二期希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」に代わる新たな子ども・子育て施策に係る計画として、「三重県こども計画(仮称)」を策定するとともに、制定から10 年以上が経過した三重県子ども条例の改正に取り組みます。
4 参考(アンケート調査の概要)
(1)調査時期 令和5年8月から9月
(2)調査件数等
〇子ども調査 対象者数5,076件、有効回収数4,357件、回収率85.8%
・小学5年生:市町ごとに市町立小学校各1校、特別支援学校3校、私立小学校1校の児童
・中学2年生:市町ごとに市町立中学校各1校、特別支援学校3校、私立小学校1校の生徒
・高校2年生:県立高等学校11校(学科別)、特別支援学校3校、私立高等学校1校の生徒
〇保護者調査 対象者数5,076件、有効回収数3,828件、回収率75.4%
子ども調査の対象となる児童生徒の保護者
〇県民調査 対象者数3,000件、有効回収数1,390件、回収率46.3%
各市町の選挙人名簿に基づき無作為抽出