三重県教育委員会では、平成29年度に三重弁護士会と連携して、県内公立小中学校のべ14校で弁護士によるいじめの防止のための出前授業を行うとともに、出前授業を担当した弁護士や有識者等からの助言に基づいて、いじめの防止のための教材「いじめ事例別ワークシート」を作成しました。
1.目的
・いじめの問題に対する一人ひとりの理解を深めさせるとともに、いじめを生まない学級集団をつくる。
・いじめの防止に向けて自ら考え、傍観者に留まらず行動できる力を育む。
・児童生徒及び教員が、いじめの問題に対する人権的、法的な理解を深める。
2.構成
・導 入:「許されるいじめ」はあると思いますか?【全校種】
・事例1:意図せずに相手を傷つけてしまうケース【小(低中)・小(中高)・中・高】
・事例2:悪口やからかい・無視【小(低中)・小(中高)・中・高】
・事例3:暴力行為を伴ういじめ【小(低中)・小(中高)・中・高】
・事例4:インターネット上でのいじめ【小(高)中・高】
・事例5:いじめを生まない、傍観者を作らない学級づくり【小(中高)・小(高)中・高】
・事例6:いじめにより学校を欠席するケース【小(中高)・中・高】
3.特色
・ワークシートは一定の結論を出すものではなく、発達段階に応じた事例を通じて児童生徒一人ひとりが
考え、話し合いを通じて自分の意見を深めるものとしています。
・弁護士からの助言をもとに、実際にいじめの防止のための出前授業で弁護士が児童生徒に問いかけてい
る「許されるいじめはあると思いますか?」を導入学習として配置しています。
・加害被害の判断が難しい事例を配置することで、児童生徒がいじめの問題について具体的に話し合い、
傍観者にならず行動できる力を育めるよう作成しています。
・事例ごとに配置した指導資料には、指導上の留意点や児童生徒が話し合う際のポイントを示し、児童生
徒の考えが一層深まるよう作成しています。
・各事例には、弁護士から教員、児童生徒への助言を記載し、児童生徒及び教員が、いじめの問題に対す
る人権的、法的な理解が一層深まるよう作成しています。
4.配付
作成した教材「いじめ事例別ワークシート」は、県内国公私立学校に配付し、各学校におけるいじめの
防止に向けた取組への活用を促すとともに、今後も引き続き三重弁護士会と連携し、ワークシートを活用
した出前授業を行っていきます。
県内公立621校(小・中・高・特別支援学校等)
県内私立 33校(小・中・高・特別支援学校等)
県内国立 5校(小・中・特別支援学校等)