三重県・三重県教育委員会では、現行の三重県教育ビジョンの計画期間が令和5年度で終了することから、次の4年間の三重の教育のめざす姿とその実現に向けた取組内容・目標を示す中期計画として、「三重県教育ビジョン ―子どもたちが個性を輝かせ、望む未来を実現していくために―」を策定しました。
1 策定の趣旨等
(1)位置づけ
・教育基本法第17条第2項に基づいて策定する、本県の「教育の振興のための施策に関する基本
的な計画」
・「強じんな美し国ビジョンみえ」、「みえ元気プラン」で示された理念をふまえ、教育分野の施
策を推進していくための計画
・「三重県教育施策大綱」をふまえた計画
(2)対象範囲
・公立学校教育、学校スポーツ、社会教育に関すること
・上記と密接な関係を有し、市町、家庭、地域などとの連携・協働のもとに、推進を働きかけるこ
とのできる分野
(3)計画期間
令和6(2024)年度から令和9(2027)年度までの4年間
2 策定の経緯
(1)「三重県教育改革推進会議」における審議
令和4年8月から令和6年2月まで、計5回ご審議いただきました。
(2)児童生徒を対象としたアンケート
公立小中学校、公立義務教育学校、県立高等学校および県立特別支援学校に在籍する小学校(小
学部)4年生から高校生(高等部)までの児童生徒を対象として実施(令和5年10月10日から
11月9日まで)し、17,004件の回答をいただきました。
(3)児童・生徒・大学生との意見交換会
学校や教育に対して望むこと等について、小学生、中学生、高校生、特別支援学校の児童生徒、
教職を志して県内大学教育学部で学んでいる大学生の176人と意見交換を行いました。
(4)パブリックコメントの実施
中間案に対するパブリックコメントを実施(令和5年10月10日から11月9日まで)し、
63人(団体を含む。)から187件の意見をいただきました。
3 「三重県教育ビジョン」のポイント
(1)子どもたちに育みたい力
社会の変化や展望をふまえた本県の教育のめざすべき方向性を明らかにするため、「子どもたち
に育みたい力」として、自立する力、共生する力、創造する力の3つの力を示しました。
・自立する力:主体的に学び、困難に向き合い、自信と誇りを持って、責任ある行動を取る力
・共生する力:他者と共に支え合って生きていく力や、対立やジレンマに対処する力
・創造する力:イノベーションを起こしたり、新しいアイデアや解決策を生み出したりする、新
たな価値を創造する力
(2)教育ビジョンを貫く視点
一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を実現する観点から、「子どもたちに育みたい力」
の育成に向けて施策を展開する上で、大切にしたい横断的な4つの考え方を「教育ビジョンを貫く
視点」として示しました。
▽ 子どもたちの目線に立ち、個に応じた学びを大切にします
▽ 学年や校種を越えた連続性のある学びを実現します
▽ 家庭・地域と連携・協働して子どもたちを育む学校づくりを行います
▽ 教職員がやりがいを持って子どもたちと向き合える環境をつくります
(3)いじめ防止に関する基本施策の新設
いじめ防止対策を積極的に進めるため、いじめ防止の取組を基本施策に位置づけ、未然防止、早
期発見、事案対応、教職員への支援体制の4つの観点から施策を示しました。
(4)自己肯定感を涵養する教育の推進に関する施策の新設
子どもたちが、自他のかけがえのない価値を認識しながら、さまざまな分野に積極的に挑戦し、
自身の可能性を伸ばすことができるよう、自己肯定感を涵養する教育の推進に関する施策を新たに
設け、32施策の筆頭に位置づけました。