三重県教育委員会では、児童生徒が地震に遭遇したときに、命を守る適切な判断・行動ができるよう、令和4年度から、地震発生時に身の回りで起こる状況を模擬体験できる、防災学習用「360度地震体験動画」を活用した防災教育に取り組みます。
1.防災学習用「360度地震体験動画」の概要
児童生徒の日常の身近な場所で、南海トラフ地震の際に県内で想定される震度6強の揺れが発生したときの状況を再現しています。再生している端末の画面を動かすことで、動かした方向の様子を見ることができます。
児童生徒に配布されている1人1台学習端末などを活用して学習します。
【主な特徴】
・児童生徒が日常の身近な場所で、地震が発生した状況を模擬体験できるように、再現する場所を選定
①教室編 ②校庭編 ③外出編(コンビニエンスストア) ④通学編 ⑤室内編
・動画再生時の音声を地震の効果音のみとして、視聴時の没入感を高めるように作成
・学校の授業で活用しやすいように再生時間を設定(約1分30秒)
【動画の構成】
①タイトル表示→②360度動画の説明→③警報音とともに10秒後に地震が発生することを予告→
④震度6の地震発生状況を再現(約20秒)→⑤揺れが収まった後、引き続き10秒再生(周囲を見回して状況を確認)
2.防災学習用「360度地震体験動画」の活用イメージ
(1)学校での活用
①教室の防災対策
「360度地震体験動画」【教室編】を視聴して、教室で地震に遭遇した時には、ロッカーなどの備品の転倒や窓ガラスの破損など、現実に自分の身の回りでも危険なことが起こることを話し合った後、1人1台学習端末を使って自分の教室で危険が考えられるところを写真に撮り、クラス内で写真を紹介しあって、地震から命を守るために取るべき行動を考える。
②避難訓練
避難訓練の前に「360度地震体験動画」【校庭編】を視聴して、地震が発生したら校舎や運動場がどのような状況になるかをイメージしてから訓練を行う。
(2)家庭での活用
①家の中での防災対策
保護者と一緒に「360度地震体験動画」【室内編】を視聴して、室内で地震に遭遇した時には、冷蔵庫・テレビなどの家電の転倒や、食器類・照明の破損など、自分の家の中にもいろいろな危険があることを認識し、家の中で転倒防止などの対策が必要なところや、家で地震が発生した際に取るべき行動を話し合って、地震から家族の命を守る安全対策を進める。
②通学路での防災対策
保護者と一緒に「360度地震体験動画」【通学編】を視聴して、通学途中で地震が発生したら、道路の地割れや看板の落下などの危険から、自分自身で命を守るために必要なことを判断して、行動する必要があることを認識し、実際に自分の通学路で危険と考えられる場所や、通学途中に帰宅が困難になった時の連絡手段や集合場所などを保護者と一緒に確認する。
3.防災学習用「360度地震体験動画」を活用した防災教育の取組
・希望する学校に県教育委員会の学校防災アドバイザーを派遣し、動画を使った防災授業の進め方などの助言を行います。
・学校防災リーダーを対象とした研修など、教職員を対象とした防災に関する研修において、動画を活用した防災教育の実践方法を学ぶ内容を取り入れます。
・動画を活用したモデル授業を開催してその様子を配信するとともに、防災授業実施マニュアルを作成して、各学校に配布します。
4.ポータルサイト「学校防災みえ」のリニューアル
1人1台学習端末を活用して防災学習に取り組めるように、ポータルサイト「学校防災みえ」をリニューアルしました。リニューアル後のポータルサイトには、防災学習用「360度地震体験動画」のコーナーの他、1人1台学習端末の機能を活かして防災学習に取り組む教材や、教職員向けに「1人1台学習端末を活用した防災授業の進め方」などを紹介しています。
・ポータルサイト「学校防災みえ」:
http://www.mie-c.ed.jp/gakkobosaimie
・360度地震体験動画
①【教室編】 https://youtu.be/2ZDpaNI1sXo
②【校庭編】 https://youtu.be/NCUUgiblADM
③【外出編】 https://youtu.be/zpjMtjvWpfs
④【通学編】 https://youtu.be/OTrePEaGz3E
⑤【室内編】 https://youtu.be/Y2H4qFzl0sE