「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が今年度よりスタートしました。この「5か年加速化対策」の実施に際して、国では、全国的な「5年後の達成目標」を対策ごとに定め、計画的に推進することとしています。
これを踏まえ、三重県としても県土整備部が管理する道路、河川等の施設への主な対策(11対策)について、県独自の「5年後の達成目標」を令和3年5月に策定しました。
今回この達成目標を改訂するにあたり、対策メニューの追加(7対策)及び対策完了時期<試算>の追加を行い、充実を図りました。
引き続き、県民の皆様のご理解とご協力を得ながら、災害に負けない強靱な県土づくりを加速してまいります。
〇対策メニューの追加
(主な目標例)
①「越水しても壊れにくい粘り強い堤防強化対策」
現状(R2年度末):22% → 5年後の達成目標(R7年度末):約70%
背後に人家等がある箇所で、過去に氾濫の発生や堤防高等が不足している河川堤防において、想定
を超える大雨で河川の水が堤防を越えると、堤防の裏側が削られて決壊するリスクがある河川堤防が
約38km確認されています。このため、裏側の法面や天端等をコンクリートブロック等で覆い、越
水しても壊れにくい「粘り強い堤防」に強化する対策を、令和7年度までに約70%完了させます。
堤防が壊れるまでの時間を少しでも引き延ばすことによって、住民の方が避難する時間を確保する
ことができます。
②「砂防ダム堆積土砂の撤去」
現状(R2年度末):3% → 5年後の達成目標(R7年度末):約30%
砂防ダムの堆積土砂が満杯になると、さらに発生した土砂を貯めきれず、豪雨時に土石流が発生す
るリスクがあります。満杯になったダムの蓄積量は全体で約180 万m3確認されています。
このため、県の砂防事業により、毎年の堆積量(約3万m3)を上回る約15万m3を撤去します。
〇対策完了時期<試算>の追加
対策完了時期をケース①:令和8年度以降「5か年加速化対策」と同水準の国土強靱化予算が継続、ケース②:令和8年度以降「3か年緊急対策」と同水準の国土強靱化予算が継続、ケース③:令和8年度以降通常予算のみで対応の3ケースにおいて試算しました。
(主な対策の完了時期例)
①「法面・盛土の土砂災害防止対策(緊急輸送道路)」
ケース①:約20年後、ケース②:約30年後、ケース③:約60年後
令和8年度以降「5か年加速化対策」と同水準の国土強靱化予算が継続した場合、通常予算のみで
対応した場合よりも約40年完了を前倒しして、約20年後に対策を完了することが出来ます。
②「河口部の大型水門・樋門等の耐震化」
ケース①:約15年後、ケース②:約20年後、ケース③:約30年後
令和8年度以降「5か年加速化対策」と同水準の国土強靱化予算が継続した場合、通常予算のみで
対応した場合よりも約15年完了を前倒しして、約15年後に対策を完了することが出来ます。