概ね10年先を見据えた産業政策のあるべき方向性を示すため、「みえ産業振興戦略」を全面改訂し、新たに「みえ産業振興ビジョン」を策定しました。
1 策定の背景
人口減少と超高齢社会の到来、若者の県外への流出、さらにはIoT、ビッグデータ、AIなどの第4次産業革命による産業・就業構造の大転換など、本県産業を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しています。
このような変化に対応し、三重県経済の持続的な発展をめざしていくため、今後の産業政策を提示するものです。
2 特徴・位置づけ
(1)概ね10年先を見据え、三重県の産業だけでなく県民生活や地域社会を取り巻く環境の変化等を想定しながら、中長期的な視点で、めざすべき産業の姿や産業政策の方向性を提示します。
(2)産業分野別の振興策だけではなく、県内の産業を振興することで、地域社会の様々な課題の解決にもつなげるという視点で政策を構築します。
(3)広く県民の皆さんの意識の変化を促し気運を高める、とりわけ10年後、20年後に地域社会の担い手である若者、子どもたちに県内の産業で活躍したいと思ってもらえるビジョンとします。
※ビジョンの特徴・位置づけは上記のとおりですが、ビジョンの提示だけにとどまらず、めざす姿を具現化していくために、今後5年程度を見据えた取組方向、さらには今後3年程度の間に、産業界などとも連携して重点的に取り組むべき具体的な方向性も提示しています。
3 基本理念
既存価値を超え、KUMINAOSHIの産業政策で若者が躍動する三重
~知恵や知識、技術を組み合わせ・繋ぎ直し、共感と協創による新しい三重の産業創出~
4 取組方向
概ね10年先を見据えた基本理念の実現に向け、以下の4つの取組方向を「みえ産業振興ビジョン」の柱とし、推進していきます。
取組方向1 ものづくり産業の第4次産業革命への適応
取組方向2 多様な魅力(特性)を生かした付加価値の創出
取組方向3 人口減少社会での地域課題の解決への貢献
取組方向4 産業プラットフォームの強化
(参考)
※みえ産業振興戦略
リーマンショックにより、本県の産業が世界経済の影響を受けやすい構造であることが明らかとなったことから、「何を成長産業と位置づけ」「何で雇用を生み出していくのか」を整理し、強じんで多様な産業構造を構築するため、平成24年7月に策定したものです。
※KUMINAOSHI
いわゆる「組み直す」という言葉が意味する「複数の人あるいは物の集合体について、内部の配列や編成を変えること」ではなく、「企業活動や地域活性化の取組などにおいて、人材や技術、地域の資源、ビジネスなどのさまざまな要素について、既存のものだけでなく新たなものを積極的に取り込み、それらを組み合わせたり、繋ぎ直したりすることで、イノベーションを起こし新たな価値の創出につなげること」との意味を持たせることとし、本ビジョンでは、あえてアルファベットで「KUMINAOSHI」と表記します。