畜産研究所が開発した「ウシ卵子の凍結保存方法ならび本手法による肉質情報を利用した育種改良手法」が平成30年4月27日付けで特許(特許第6326585号)を取得しました。
1 特許を取得した技術の概要
ウシ卵子周囲に付着する細胞層を調整して、卵子を凍結し、保存する技術です。
この技術を活用することで、解凍後の体外受精の成功率を大幅に高めることができるようになります。
2 今後の対応
特許技術により、食肉処理された和牛から採取した卵子を凍結保存し、肉質検査後に、A5等級など優れた成績の雌牛の卵子のみを選んで受精卵を作製することが可能となり、受精卵移植による和牛の育種改良の効率化につながることが期待されます。
今後、和牛の育種改良の効率化や優良な和牛子牛の県内生産の拡大につながる本技術の実用化に向け、さらなる技術開発を進めます。
※牛1頭分の卵子から子牛を生産することに、畜産研究所が世界で初めて成功しました。
これまでは、凍結した卵子から子牛を生産するのに牛10~100頭分の卵子が必要でしたが、特許技術により、牛1頭分(10数個)の卵子から子牛を生産することができます。
また、すでに凍結保存技術が確立されている精子と同様に、牛卵子を凍結保存し遺伝資源として利用することも可能となります。