ムギ類赤かび病多発のリスクがあり、被害が予想されるため、病害虫発生予察注意報第1号を発表します。
1 対象作物:ムギ類
2 対象病害虫名:ムギ類赤かび病
3 発生地域:県内全域
4 発生時期:4月中旬以降
5 予想発生量:やや多
6 注意報発令の根拠
(1)ムギ類は開花期以降、高温かつ降雨条件下でムギ類赤かび病菌に感染しやすくなります。
(2)4月10日時点で開花が始まっている小麦圃場が確認されています。
(3)主要品種の「あやひかり」の開花期予測は11月10日播種で4月15日、11月20日播種で4月18日、11月30日播種で4月22日となっています。
(4)4月13日から15日に3日連続で降雨日があり、ムギ類赤かび病菌感染に適した条件が発生しました。
(5)4月20日以降の1週間は感染好適日が数日予想されています。
(6)1か月予報(4月17日、名古屋地方気象台発表)によると、向こう1か月の気温は高く、天気は数日の周期で変わる予報です。そのため、今後も感染に好適な条件が続く恐れがあります。
7 今後の対策
(1)1回目の防除適期は開花始め~開花盛期です。1回のみの防除よりも2回防除を実施した方がかび毒濃度低減に有効です(参考:「麦類のかび毒汚染予防・低減指針:農林水産省(maff.go.jp)」)。必ず、1回目の防除後、7日から10日後に2回目の防除を行ってください。
(2)薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統の薬剤は連用せず、RACコードの異なる薬剤でローテーション散布をしてください。
(3)薬剤は農薬情報検索システムで調べることができます。
農薬情報検索システム:https://pesticide.maff.go.jp/
8 かび毒について
赤かび病の病原菌は、かび毒を産生させることがあります。かび毒であるデオキシニバレノールの基準値を超えた麦は食用として流通することができません。
詳細は、農林水産省ホームページ「麦類のかび毒汚染予防・低減指針:農林水産省(maff.go.jp)」(令和5年3月14日公表)を参照ください。