ムギ類赤かび病が多発しているため、令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発表します。
1 対象作物:ムギ類
2 対象病害虫名:ムギ類赤かび病
3 発生地域:県内全域
4 発生時期:5月上旬以降
5 発生量:多
6 注意報発令の根拠
1)本年は、ムギ類赤かび病に最も感染しやすいとされる時期(開花期から10日後までの
間)に、感染に好適な気象条件となった日が多くなりました。
2)コムギの巡回調査ほ場(5月第2~3週)では、赤かび病の発生ほ場率は97.2%(平年
26.9%、令和5年61.1%)、発病穂率は4.06%(平年0.15%、令和5年0.03%)で、い
ずれも過去10年間で最も高くなっています。
3)1か月予報(5月16日・名古屋地方気象台発表)によると、向こう1か月の気温は高く、
降水量は平年並か多い見込みです。そのため、現在、赤かび病が発生しているほ場では
今後、感染が拡大する可能性があります。
7 今後の対策
1)収穫までの期間があるほ場では追加防除をしましょう。なお、収穫前日数に注意し、
薬剤のローテーション散布をお願いします。
2)ほ場の見回りにより発生状況を確認し、赤かび病の発生がひどいほ場では刈り分けを
行いましょう。
3)刈り遅れは感染拡大を助長するため、穀粒水分28%を目安に収穫を行いましょう。ま
た、収穫後は速やかに乾燥しましょう。
4)赤かび病の被害粒は粒厚が薄く、比重が軽い傾向があるため、粒厚選別や比重選別に
より被害粒除去に努めましょう。
5)共同乾燥調製施設においては、荷受け時に赤かび病の被害粒のチェックを行い、被害
粒がみられた場合は、必要に応じて仕分けを行いましょう。
8 かび毒について
赤かび病の病原菌は、かび毒を発生させることがあります。かび毒であるデオキシニバ
レノールの基準値を超えた麦は食用として流通することができません。
詳細は、農林水産省ホームページ「麦類のかび毒汚染予防・低減指針:農林水産省
(maff.go.jp)」(令和5年3月14日公表)を参照ください。
9 問い合わせ先
三重県病害虫防除所 電話:0598-42-6365