ツツジ類の新芽を加害するタマバエの一種が確認されました。
1 病害虫名:ツツジメタマバエ(仮称、ハエ目タマバエ科)
2 発生確認作物:ツツジ類
3 発生確認地域:県内全域
4 発生確認の経過
(1)平成26年ごろから県内で栽培されているツツジにおいて、新芽が縮れて奇形になる症状が確認され
てきました。
(2)平成29年以降令和3年までに複数回、被害部位にハエ類の幼虫の寄生が認められましたが、成虫を
得られなかったため同定には至りませんでした。
(3)令和4年9月に県北部の公園で採取された幼虫から成虫を得ることができたため、佐賀大学農学部シ
ステム生態学分野徳田教授に同定を依頼しました。
(4)令和5年3月に、ハエ目タマバエ科の未記載種であることがわかりました。
5 本害虫の特徴および被害状況
(1)幼虫がツツジ類の新梢先端部の未展開部を食害し、葉が成長するにつれて一部が縮れ、奇形になる症
状を示します。
(2)本種の詳細な生態は不明ですが、三重県農業研究所での飼育の結果から、成虫がツツジ類の新芽に産
卵し、新芽内で幼虫が成長した後に落下し、土壌中で蛹になり羽化すると考えられます。他の植物種へ
の加害は不明です。
(3)三重県農業研究所が行った発生消長調査では、6月下旬と10月中旬に被害枝や幼虫の発生量が多く
なり、剪定が行われる時期や夏の高温期に発生量が減少する傾向が認められました。
6 防除対策及び注意事項
(1)令和5年8月現在、本種に対する登録農薬はありません。
(2)被害が大きく、防除が必要と判断される場合は、新梢の寄生部位を切除し、袋などで密閉し、圃場外
に持ち出したうえで適切に処分してください。
7 問い合わせ先
三重県病害虫防除所 電話番号:0598-42-6365