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令和04年04月28日

令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号

 本県のオリーブにおいて、オリーブ立枯病が確認されました。

1 病害虫名      オリーブ立枯病(病原体名 Ralstonia solanacearum

2 発生確認作物   オリーブ

3 発生確認地域   三重県

4 発生確認の経過
 令和4年1月および2月に、三重県内の複数のオリーブほ場において、葉が退色した後に萎凋・枯死する症状の報告がありました。
 枯死した枝および幹からイムノクロマトによる簡易診断を行ったところRalstonia solanacearum陽性反応が確認されました。また、三重県農業研究所において、病徴部から分離した菌株を遺伝子解析した結果、Ralstonia solanacearum(Phylotype Ⅰ)と同定されたため、オリーブ立枯病であることが判明しました。
 国内での本病の発生は、平成30年に香川県で初めて確認され、その後、鹿児島県、宮崎県、広島県、静岡県で報告されています。

5 本病の特徴および被害状況
(1)本病菌であるRalstonia solanacearumは、日本においてもジャガイモ、トマトなどのナス科植物をは
 じめ、ダイコン、イチゴなど多くの作物に青枯病を引き起こす事が知られている多犯性の土壌伝染性細菌
 です。
(2)オリーブにおける感染経路は明らかにされていませんが、一般的には土壌中に生息する本細菌が植物根
 部の傷より侵入し、維管束部で増殖することで水分の移動を阻害し、植物体を萎凋させると考えられてい
 ます。

6 防除対策及び注意事項
(1)オリーブにおける本病の登録農薬はなく、加えて本病原菌を土壌から完全に除去することは困難である
 ため、耕種的防除が基本となります。
(2)発病した樹は伝染源となるので、速やかに抜根・除去し、残渣はほ場外に持ち出して適切に処分してく
 ださい。
(3)ほ場への出入りする際には、本病または青枯病の感染ほ場に由来する植物残渣や土を、衣服や靴から十
 分に落とし、靴や手袋等は消毒(70%エタノールや次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を行ってください。
(4)管理作業によって、病原菌が樹液とともにハサミやノコギリなどの道具に付着し、健全株に二次伝染す
 る危険があります。そのため、使用した道具の消毒を徹底してください。また、感染が疑われる樹は剪定
 等の作業を最後に行ってください。
(5)本病害の既発生地より苗の導入をする場合は、十分に注意するとともに、過去にナス科作物等での青枯
 病や本菌を原因とする病害が発生したほ場での栽培は避けてください。

7 問い合わせ先
 三重県病害虫防除所       電話番号:0598-42-6365

関連資料

  • 令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号(PDF(436KB))

本ページに関する問い合わせ先

三重県 病害虫防除所 〒515-2316 
松阪市嬉野川北町530
電話番号:0598-42-6365 
ファクス番号:0598-42-7568 
メールアドレス:byogai@pref.mie.lg.jp 

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