本県のトマトにおいて、トマト立枯病が確認されました。
1 病害虫名 : トマト立枯病
病原体名 : Fusarium solani–melongenae (Haematonectria ipomoeae)
2 発生確認作物 : トマト
3 発生確認地域 : 三重県北勢地域
4 発生確認の経過
令和2年11月、三重県北勢地域のトマト養液栽培ほ場において、トマトの茎の基部が褐変腐敗する症状が発生しました。三重県農業研究所において病徴部から菌を分離し、遺伝子解析した結果、本県では未確認のFusarium solani–melongenae (Haematonectria ipomoeae)が検出され、トマト立枯病であることが判明しました。国内での本病の発生は、平成2年に愛知県で初めて確認され、平成11年に宮崎県、令和3年に広島県で報告されています。
5 本病の特徴および被害状況
(1) 病原菌は糸状菌の一種で、子のう菌類に分類されています。
(2) 本病は茎の基部に褐変やひび割れ症状が見られ、この病徴は発病部位の内部にも進展します。
(3) 罹病部表面に、赤い小粒(子のう殻)が多数形成される特徴があります。
(4) この病徴は10月頃からみられ、その後気温が低下するに伴い一時的に停滞しますが、気温が上昇
する4月頃に再び進展します。
(5) 発病株は樹勢低下や果実肥大の抑制が見られ、発病程度のひどいものは立枯れ症状となります。
6 防除対策及び注意事項
(1) 本病に対する登録農薬はありません。耕種的防除で対応する必要があります。
(2) 発病株は伝染源となるので、ほ場外に持ち出して適切に処分してください。
(3) 栽培終了後の植物残渣などは残さないよう除去し、施設内の衛生管理に努めてください。
(4) 土耕栽培では、定植前の太陽熱利用等による土壌消毒の時間を十分長くとるようにしてください。
(5) 養液栽培では、生産資材の交換や消毒を行うようにしてください。
(6) 施設出入りの際には、靴の履き替えや靴底の消毒など施設内の衛生管理に努めてください。
7 問い合わせ先
三重県病害虫防除所 電話番号:0598-42-6365