令和元年度 病害虫発生予察特殊報第4号を発表します。
本県のサツマイモにおいて、ヨツモンカメノコハムシの発生を確認しましたので、特殊報として発表します。
1 病 害 虫 名 : ヨツモンカメノコハムシ
学名:Laccoptera quadrimaculata (Thunberg)
2 発生確認作物 : サツマイモ
3 発生確認地域 : 三重県東紀州地域
4 発生確認の経過
令和元年5月28日、三重県東紀州地域のサツマイモ栽培ほ場において、定植後間もないサツマイモの葉を食害するハムシ科甲虫が確認されたため、本虫を農林水産省名古屋植物防疫所へ同定を依頼したところ、ヨツモンカメノコハムシであることが確認された。
その後の当所による本種の県内全域の分布域調査において、東紀州地域の数地点のサツマイモ、ノアサガオで確認されたが、現時点では東紀州地域以外では確認されていない。
本種は主に沖縄本島以南の熱帯~亜熱帯に分布していたが、平成11年に長崎県で確認されて以降、これまでに鹿児島県、宮崎県、静岡県、東京都(大島、三宅島)、愛媛県、山口県、大分県、高知県、神奈川県、和歌山県の11都県から病害虫発生予察特殊報が発表されている。
5 本種の特徴
成虫は扁平なだ円形で、体長7.5~9mm程度である。
体の中央部はやや艶のある茶褐色、周縁部は半透明かつ黄褐色で、鞘翅の前方と後方の縁に黒褐色の大型斑紋がある。
幼虫は扁平な紡錘形で、周囲体側にトゲ(樹枝)状突起を有し、背面に脱皮殻や糞を背負う。
成虫は、4月~11月頃まで野外で観察されている。
本種はヒルガオ科植物を食草とし、特にサツマイモとノアサガオを好んで食害する。
6 被害
成虫、幼虫が葉を食害し、直径数mm~10mm ほどの円形~不定形の穴を点々と空ける。
定植直後などの葉数が少ない生育初期に、食害によって葉がほとんどなくなることがあり、その後の生育に影響を及ぼす場合には、再定植が必要となることがある。
食害は葉に限られており、サツマイモのイモは食害しない。
7 防除対策及び注意事項
(1)サツマイモでは、生育初期に発生が多いと被害が大きくなるので、適期をとらえて防除を行う。
(2)周辺のヒルガオ科雑草は発生源になることがあるので、除去に努める。
(3)防除をする場合は、登録農薬を使用する。
8 問い合わせ先
三重県病害虫防除所 電話番号:0598-42-6365
(注)
発生予察情報には、「発生予報」、「注意報」、「警報」、「特殊報」があります。
「特殊報」は、新規に有害動植物を発見した場合、重要な有害動植物の生態及び発生消長に特異な現象が見られた場合に速やかに発表するものであります。