平成28年度 病害虫発生予察注意報第2号
病害虫発生調査により、斑点米カメムシ類の被害が予想されるため、次のとおり注意報を発表します。
1.対象作物:水稲
2.対象病害虫名:斑点米カメムシ類(クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ等)
3.発生地域:県内全域
4.発生時期:7月中旬~8月中旬
5.予想発生量:やや多~多
6.注意報発令の根拠
1)巡回調査圃場(7月第2週)では、圃場内および畦畔イネ科雑草すくい取りによる、中型種(クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、シラホシカメムシ類)の発生地点率16.9%(平年32.7%)、すくい取り成幼虫数0.81頭(平年1.26頭)と少ない状況でした。また、微小種(アカスジカスミカメ)の発生地点率2.5%(平年30.0%)すくい取り成虫数0.04頭(平年3.5頭)と中型種と同様、少ない状況でした。しかしながら、クモヘリカメムシの発生地点率9.3%(平年6.6%)、すくい取り成幼虫数0.68頭(平年0.49頭)と発生が多く注意が必要です。クモヘリカメムシは、水田外のイネ科雑草群落を発生源とし、出穂後に水田に侵入して増殖することが知られており、成幼虫が吸汁加害すると不稔や斑点米を引き起こします。
2) 広域病害虫防除員調査(7月2日~11日)では、クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、シラホシカメムシ類のすくい取り成虫数が、それぞれ、1.16頭(平年0.14頭)、0.78頭(平年0.28頭)、0.08頭(平年0.06頭)と多い状況でした。また、アカスジカスミカメ成虫の活動が確認されました。
3)1か月予報(7月14日・名古屋地方気象台発表)によると、気温は平年並か高い見込みです。斑点米カメムシ類の増殖に助長的です。
7. 防除上の注意事項
1)薬剤防除は穂揃い期に実施しましょう。斑点米カメムシ類は移動性が高いため、広域での一斉防除が効果的です。
2)水田内での増殖を防ぐため、防除後も水田への侵入が確認される場合は、穂揃い期防除の7~10日後に追加防除を実施してください。
3)周囲よりも出穂の早い水田では、被害が集中するので防除を徹底しましょう。
4)出穂直前および出穂後の草刈りは、斑点米カメムシ類を水田内へ追い込み、加害を助長するので避けましょう。やむを得ず出穂前後に草刈りを行う場合は、水田の薬剤防除に合わせて実施しましょう。
(注)
発生予察情報には、「発生予報」、「警報」、「注意報」、「特殊報」があります。「注意報」は、警報を発表する程ではないが、重要な病害虫が多発生することが予想され、早めに防除したほうがよい場合に発表するものです。