平成28年度 病害虫発生予察注意報第1号
葉いもち病の発生状況と今後の気象状況により、いもち病の発生が予想されるため、次のとおり注意報を発表します。
1.対象作物:水稲
2.対象病害虫名:いもち病(葉いもち・穂いもち)
3.発生地域:県内全域
4.発生時期:7月中旬~8月中旬
5.予想発生量:やや多~多
6.注意報発令の根拠
1)巡回調査圃場(7月第2週)では、葉いもちの発生圃場率12.7%(平年23.6%)、発病度0.6(平年2.3)と少ないながらも圃場で発生が認められました。しかしながら、発病株における上位葉への病斑進展率は14.9%(平年1.6%)と、平年に比べて上位葉での発病が多くなっています。
2) いもち病発生予測支援システム(ブラスタム)によると、6月中旬以降、県内の広い範囲でおよそ10日間隔で感染好適条件が出現し、引き続き注意が必要な状況です。
3)1か月予報(7月14日・名古屋地方気象台発表)によると、平年に比べ晴れの日が少ない見込みです。既に葉いもちを発病している圃場では、上位葉に病斑が進展する可能性があります。
7. 防除上の注意事項
1)葉いもちが発生している圃場では、出穂前に葉いもち防除を徹底しましょう。
2)穂いもち防除は予防散布が原則です。出穂期から穂揃期に薬剤散布しましょう。
3)雨天が続く可能性があるため、天気予報を参考にしながら、雨の合間を見計らって防除を行いましょう。
4)追加防除を行う場合は農薬使用回数に注意しましょう。薬剤の選定は最寄りの農協等にご相談ください。
5)薬剤散布をする時は周囲に飛散しないよう注意しましょう。
6)飼料用水稲などの普通期水稲は、これから最も葉色が濃くなり、発病しやすい時期となるので注意しましょう。
7) QoI剤(ストロビルリン系殺菌剤)の使用は最大年1回とし、耐性菌の発生を未然に防ぎましょう。
8) QoI剤を使用したにもかかわらず、ずり込み症状などの発病があれば、病害虫防除所、農業研究所、農業改良普及センターや農協等へ速やかにご連絡ください。
(注)
発生予察情報には、「発生予報」、「警報」、「注意報」、「特殊報」があります。「注意報」は、警報を発表する程ではないが、重要な病害虫が多発生することが予想され、早めに防除したほうがよい場合に発表するものです。