三重県では、これまで取り組んできた森林環境教育・木育を次のステージへと発展させ、森林や木材と私たちの関係をより良いものにしていくため、みえ森林教育ビジョンを策定しました。
1 「みえ森林教育ビジョン」策定の背景
私たちの暮らしにおいて木材が使われる機会が減少する中で、三重県の森林は、戦後植林された人工林の多くが本格的な収穫期を迎えているにもかかわらず十分に活用されず、森林を整備・更新することが難しくなってきています。また、社会においては、人口減少や少子高齢化の進展、気候変動等により、これまで当たり前と考えてきた暮らしや経済の持続可能性が脅かされてきており、SDGsの達成や脱炭素社会の実現などに向けて、あらためて、森林や木材と私たちの関係を見つめ直す時期に来ています。
このため、森林と私たちの暮らし、経済がともに持続可能で豊かな社会を作っていくために、「みえ森林教育ビジョン」(以下「ビジョン」という。)を策定しました。
2 みえ森林教育ビジョンの基本的考え方
ビジョンでは、森林・林業と社会を巡る情勢の変化等を踏まえ、今後、県として推進しようとする森林環境教育・木育の基本的考え方を以下のとおり整理しました。
(1)森林や木材が暮らしや経済に当たり前に取り入れられている社会づくりへ向けた教育
(2)森林に関わる活動やビジネスを志すきっかけとなる教育
(3)自ら考え、判断して行動する力を育む森林教育
3 みえ森林教育における4つの狙いと育みのイメージ
みえ森林教育を進めるに当たっては、限られた時間や機会の中で必要な経験を効果的に積んでいけるよう、参加者の皆さんにどのような経験を積んでいただくのか、森林教育活動の狙いを「体験する」、「知る」、「考える」、「行動する」の4つに分類しました。森林について、「体験し、知り、考え、行動する」ことを繰り返し、大きな学び、行動につながる、連続性をもったプロセスを展開していきます。
4 みえ森林教育における県の取組方向
今後県では、基本的考え方等に基づき、「森林教育に気軽にアクセスできる場や機会の拡大」「保育や教育への森林教育の更なる普及」「大人や企業を対象とした森林教育の拡充」「子どもから大人まで一貫した教育体系の構築」「主体的・対話的で深い学びの充実」「みえ森林教育を実践できる指導者の養成」等の取組を進めていきます。