県が実施した貝毒の定期検査において、旧南勢町海域(南伊勢町)産のヒオウギガイから規制値を超える麻痺性貝毒が検出されました。このため県は、この海域でヒオウギガイを養殖している生産者に対し、三重外湾漁業協同組合を通じて、出荷自主規制を依頼しました。
1 内容
(1)本日(3月7日)、県が旧南勢町海域産のヒオウギガイのマウス検査を行った結果、「11MU/g」と、国の定める規制値(4MU/g(可食部1グラムあたりのマウスユニット))を超える麻痺性貝毒が検出されました。
(2)食品衛生法では、規制値を超える麻痺性貝毒が検出された場合、食品の販売等を行うことを禁じています。
(3)このため、県は、本日(3月7日)、この海域でヒオウギガイを養殖している生産者に対し、三重外湾漁業協同組合を通じて、出荷自主規制を依頼しました。また、国や市町等の関係機関へ情報提供を行うとともに、県ホームページを通じて県民に対し、周知を図ります。
(4)出荷自主規制の解除には、週1回の頻度で実施する貝毒の臨時検査において、3週連続して規制値(4MU/g)以下となることが必要です。
(5)なお、現在、旧南勢町海域以外で貝毒は検出されていません。
2 今後の対応
食品としての安全性を確認するため、3回連続して規制値以下となるまで検査を継続するとともに、検査結果については、ホームページを通じて、県民に情報提供します。
3 参考
(1)MU(マウスユニット)
麻痺性貝毒の場合、1MUは20グラムのマウスが15分で死亡する毒の量です。人の致死量は、体重60kgの人で約3千~2万MUと言われています。なお、今回検出された麻痺性貝毒の数値は、計算上、体重60kgの人が、ヒオウギガイ(可食部20gの場合)では13~90個を喫食した時に、最悪の場合、中毒症状が発症する恐れがあります。
(2)麻痺性貝毒
麻痺性貝毒による中毒症状は、食後約30分で顔面等にしびれを感じ、やがて体の末端に広がり、最悪の場合は呼吸困難等により死に至る可能性があります。また、貝毒の毒成分は熱に強く、加熱調理しても毒性は弱くなりません。一度毒化した貝でも、貝毒原因プランクトンのいない海水でしばらく生育することにより無毒化されます。
(3)当該海域における過去の貝毒による出荷自主規制について
平成20年6月から7月(麻痺性貝毒)
令和5年1月から11月(麻痺性貝毒)