英虞湾等において発生しているアコヤガイのへい死等の発生状況について、県水産研究所が実施したアンケート調査の結果を取りまとめました。
1 調査概要
令和2年7月9日から7月20日まで、記名記入式のアンケート調査方式により、調査票を真珠養殖業
者233経営体に配布し、198経営体から回収(回収率85%)しました。
2 調査結果
(1)アコヤガイの年齢別飼育数(6月1日時点の198経営体の飼育実数)
・稚貝(再来年の挿核用アコヤガイ): 11,198千個
・2年貝(来年の挿核用アコヤガイ): 3,225千個
・3年貝(挿核用アコヤガイ) : 3,660千個
(2)アコヤガイのへい死等の発生状況
ア 稚貝(再来年の挿核用アコヤガイ)
・へい死数は4,646千個、平均へい死率は41%(前回36%)でした。(通常15%)
稚貝の地区別のへい死率
・英虞湾湾奥地区(7地区):へい死数は2,557千個、平均へい死率は44%(前回37%)でした。
・英虞湾湾央地区(4地区):へい死数は1,102千個、平均へい死率は39%(前回37%)でした。
・英虞湾以外の地区(2地区):へい死数は988千個、平均へい死率は39%(前回31%)でした。
※調査票の回収率が地区により差がみられることなどから、上記区分により集計しています。
イ 2年貝(来年の挿核用アコヤガイ)
・へい死数は287千個で、平均へい死率は9%(前回5%)でした。(通常9%)
・外套膜萎縮症の発症個数は193千個で、平均発症率は6%(前回3%)でした。
ウ 3年貝(挿核用アコヤガイ)
・へい死数は566千個で、平均へい死率は15%(前回11%)でした。(通常16%)
・外套膜萎縮症の発症個数は199千個で、平均発症率は5%(前回3%)でした。
3 今後の対応について
(1)アコヤガイのへい死等の各種対策の徹底と原因究明
県としては、稚貝のへい死率が4割を超えたこともあり、これ以上へい死等を拡大させないために、
「三重県真珠養殖対策会議」で決定した各種対策等の徹底に加え、へい死等の原因究明のための研究を
引き続き行っていきます。
(2)急激な海水温上昇を回避するための対策
今後、海水温の急上昇が予想されることから、酸素量を確認し、水深10m以上の深い漁場に貝を移
動させたうえで、海水温が28℃以上になりにくい5mほどの深さに垂下する対策について準備を進め
るよう、7月22日(水)に発行した「アコヤ養殖環境情報」で情報提供を行いました。また、同対策
については、本日あらためてLINEやFAX、水産研究所のHPページを活用し、県内全真珠養殖業者に速
やかに周知します。