英虞湾等において発生しているアコヤガイの外套膜萎縮症及びへい死の発生状況について、三重県真珠養殖連絡協議会と三重県水産研究所が実施した調査の結果を取りまとめました。
また、アコヤガイのへい死により、経営が悪化した真珠養殖業者向けの経営相談窓口を下記のとおり設置します。今後は、相談窓口において、養殖業者の支援を行ってまいります。
1 調査概要
令和元年8月19日から8月30日まで、無記名記入式アンケート調査方式により、調査票を県内真珠養殖業252経営体に配布し、122経営体から回収(回収率48%)
2 調査結果
(1)アコヤガイ年齢別外套膜萎縮症及びへい死の発生状況
ア 3年貝(挿核済アコヤガイ)
・外套膜萎縮症の発症個数は122千個で、平均へい死率は25%でした。
・へい死数は115千個で、平均発症率は24%でした。
イ 2年貝(来年の挿核用アコヤガイ)
・外套膜萎縮症の発症個数は344千個で、平均へい死率は27%でした。
・へい死数は300千個で、平均発症率は23%でした。
ウ 稚貝(再来年の挿核用アコヤガイ)
・へい死数は1,677千個で、平均へい死率は70%でした。
※稚貝は小さいため(殻長1~3cm程度)、外套膜萎縮症の発症状況は確認できませんでした。
(2)アコヤガイ地区別稚貝へい死の発生状況
ア 英虞湾湾奥部地区(8地区)
・へい死数は575千個で、平均へい死率は68%でした。
イ 英虞湾湾央部地区(4地区)
・へい死数は936千個で、平均へい死率は74%でした。
ウ 英虞湾以外の地区(2地区)
・へい死数は167千個で、平均へい死率は56%でした。
※調査票の回収率が地区により差がみられることなどから、上記区分により集計しています。
3 今後の対応について
(1)原因究明に向けた調査スケジュール
県では、今回のアコヤガイの外套膜萎縮症及びへい死の発生状況を踏まえ、引き続き、飼育条件や漁場環境の影響を解析するとともに、10月下旬を目途に三重大学や国の増養殖研究所で遺伝子検査等を実施するなど、原因究明を進めていきます。
(2)稚貝の安定供給に向けた県内の生産体制の整備
稚貝の死亡率が高いことが明らかになったことから、県内の真珠養殖業者に稚貝を安定して供給していくため、水産研究所及び三重県漁業栽培センターにおいて稚貝の生産を実施できるよう調整を進めます。
(3)真珠養殖業者への経営支援対策
被害を受けた真珠養殖業者の不安を払しょくするとともに、経営の安定化を図れるよう、9月9日から水産資源・経営課に相談窓口を設置し、養殖管理面での技術指導や、漁業近代化資金など制度資金の照会などに対応していきます。
なお、漁業近代化資金など制度資金については、10月から無利子化等の支援を実施する予定です。
【相談窓口の概要】
①開設日:令和元年9月9日(月)
②相談時間:開庁日の午前8時30分から午後5時15分まで
③設置場所:農林水産部水産資源・経営課 水産増殖班
津市広明町13番地県庁6階 電話059-224-2584
④内容:
ⅰ水産制度資金の案内
ⅱ養殖管理に関する技術指導