11月8日、タイ王国チェンマイ市で国際かんがい排水委員会(ICID)国際執行理事会が開催され、南家城川口井水(津市白山町)が、世界かんがい施設遺産として登録されることが決定しました。
1 登録施設の名称
南家城川口井水(みなみいえきかわぐちゆすい)
2 登録施設の概要
南家城川口井水は平安時代である1190年に開設され、その後1729年に南家城井と川口井の二つの
井水が連合することとなり現在に至っています。地域の水田(360ha)への農業用水のみならず、地
域住民の生活用水、集落の防火用水など地域用水としての役割をはたしており、2006年(平成18年
)には農林水産省の疎水百選にも認定されています。
また、施設の維持管理は農家だけでなく集落住民が共同で適切な管理を行っており、長い間、自分
達の施設は自らが守るという意識により、施設そのものが地域の文化的遺産であるとともに地域住民
の宝物となっています。
3 登録施設の所有者(管理者)
白山町土地改良区 理事長 松森久志
(三重県津市白山町川口892番地)
4 世界かんがい施設遺産の概要
(1)かんがい(農地への水の供給)の歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全に資するため、歴史的なかんがい施設をICID(本部所在地:インド ニューデリー)が認定・登録する制度であり、平成26年度に創設されました。
(2)今回、南家城川口井水を含む14施設(三重県、岩手県、宮城県、福島県、群馬県、福井県、山梨県、長野県(2施設)、静岡県、愛知県、山口県、香川県、熊本県)が、世界かんがい施設遺産として登録されることが決定しました。なお、現在、全国では13施設が登録されており、14施設の登録で27施設となります。
(3)三重県内においては、平成26年度に多気町にある立梅用水が初めて登録され、南家城川口井水が2例目となります。
(参考)
農林水産省ホームページ プレスリリース
http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kaigai/161108.html