三重県防災対策推進条例(令和2年3月改正)第32条に基づき、三重県が講じなければならない人材育成に関する必要な措置の具体的な方向性を定めた「三重県職員防災人材育成指針」を策定しました。本指針に基づき、三重県職員の防災人材育成を計画的に進めていきます。
1.策定の背景
(社会的背景)
〇発生が危惧されている南海トラフ地震や激甚化する風水害の状況に加え、社会の
変化に応じて被害の発生形態も変化していることから、あらゆる分野で災害への
備えが必要
〇一旦災害が発生すれば、被災者の生活再建と地域社会のより良い復興を早期に成
し遂げるため、スピード感のある復旧・復興が必要
(行政職員の状況)
〇多くの行政職員にとって、過去に「災害の経験が無い」ことに加え、防災・減災
に係る人材育成が十分に行われているとは言い難く、特に防災担当職員以外の職
員は学ぶ機会が少ないため、自らが「すべき行動がわからない」状況
(行政職員に必要とされること)
〇職員一人ひとりが自分事として日常的に防災・減災に取り組み、発災後は人命の
確保はもとより、被災者の早期の生活再建と地域社会のより良い復興を県民とと
もに成し遂げる資質が必要
2.目指すべき職員像 【 県民とともに「防災の日常化」に取り組む職員 】
3.行動原則
実際に被災地で活動した職員の経験で得られた知見をもとに、職員像に沿った行動
を行えるよう災害発生前から発災直後、そして復旧・復興と一連の災害対応において
職員に求められる行動として整理
[行動原則1]被災地から学び備える
[行動原則2]職員として自らの命は自らで守り、県民の生命・財産を守る
[行動原則3]災害対応は時間との戦いとなるため、率先して行動する
[行動原則4]多様な被災者ニーズに応えるため、各自の業務を越えて連携する
[行動原則5]地域社会のより良い復興を念頭に、常に一歩先を見据える
4.職員が身につけておくべき能力
〇平常時の行政運営に必要となる能力がベース
〇災害時にさらなる能力が発揮できるよう次の5項目の能力向上を目指す。
◆災害(被災)イメージ力
◆災害対応の全体像把握力
◆心構え
◆災害対応のマネジメント能力
◆個別業務の処理能力
5.防災人材育成の取組の特徴
〇「役割別」と「階層別」で取組を実施
〇役割別の取組では、災害対策統括部や各部局など各役割に応じた研修の充実に加え、
災害対策本部(警戒体制)活動を通じたOJTの取組等を実施
〇階層別の取組では、若手から中堅、管理職の幅広い階層で研修を実施
〇「災害の経験が無い」「すべき行動がわからない」ことが職員の能力に最も影響を
及ぼすことから、「災害(被災)イメージ力」「災害対応の全体像把握力」向上の
取組を重点的に実施
〇毎年、研修計画等を定めた「三重県職員防災人材育成計画」を策定し計画的に取組
を進める。