本年5月から県が委託している障がい児等療育相談支援事業の受託者に、誤って別事業である障がい者就業・生活支援事業の利用者データ(相談者の氏名、住所、相談内容等のデータ)を渡していたことが判明しました。
1 事業の概要
県では、県内を9つの圏域に区分して、それぞれの圏域において、障がい者が働くことを通じて自立し
た生活を営めるよう、日常生活の相談に応じながら公共職業安定所と連携して障がい者の就労をサポート
する「障がい者就業・生活支援事業」、地域で暮らす障がい児や家族に対して、治療や教育などの専門的
な相談支援を行う「障がい児等療育相談支援事業」を社会福祉法人等に委託して実施しています。(事業
担当は三重県障害者相談支援センター(以下「相談支援センター」という。))
2 今回の事案内容
松阪多気圏域では、平成28年度は、これら2つの事業について、社会福祉法人三重県厚生事業団が受
託していましたが、平成29年度は、障がい者就業・生活支援事業については社会福祉法人聖マッテヤ会
が、障がい児等療育相談支援事業については社会福祉法人ベテスタが受託することとなりました。
それぞれの事業の利用者データについては、紙媒体とあわせてシステム(電子データ)でも管理してお
り、事業引継において、システムを管理していた株式会社共栄ブレーンに依頼して、この電子データの移
行作業を行いました。
①障がい者就業・生活支援事業については、利用者データについて、三重県厚生事業団から聖マッテヤ会
へ紙媒体で引継を行うとともに、共栄ブレーンが聖マッテヤ会へ電子データの移行作業を行い、問題な
く引継が行われました。
②障がい児等療育相談支援事業については、利用者データについて、三重県厚生事業団からベテスタへ紙
媒体で引継を行うとともに、共栄ブレーンがベテスタへ電子データの移行作業を行いましたが、関係者
の認識誤りが重なった結果、誤って障がい者就業・生活支援事業の利用者データ(電子データ)がベテ
スタに提供されてしまいました。
なお、本件について、これ以外の利用者データの誤った提供や外部への流出は確認されていません。
【経緯(上記②について)】
5月1日 障がい児等療育相談支援事業について、県とベテスタで委託契約締結。
5月10日 相談支援センター職員立会いの下、三重県厚生事業団からベテスタに利用者データ(紙
媒体)を含む文書等の引継を実施。この時、利用者データ(電子データ)について、共
栄ブレーンが後日、ベテスタへ移行作業を行うことで合意。
6月13日 共栄ブレーンがベテスタを訪問し、利用者データの移行作業を実施。
6月21日 ベテスタから相談支援センター及び県障がい福祉課に「受託事業の利用者データがな
く、別事業のデータが入っている」と報告があった。
6月21日から26日 関係者から事実関係を確認したところ、障がい者就業・生活支援事業の電子データ
が誤ってベテスタに提供されていることが判明。
3 原因
①利用者データについて、委託者である相談支援センターも、データの移行を行った共栄ブレーンの担当
者も、利用者データの保管場所を誤認したうえに、データの内容の確認も行わなかった。
その結果、障がい者就業・生活支援事業の利用者データが障がい児等療育相談支援事業の受託者であ
るベテスタに提供されてしまった。
②委託者として個人情報の適正な取扱いや引継を含む適正な業務実施を管理する立場である相談支援セン
ターが、ベテスタへの利用者データの移行作業に立ち会わず、その後の確認も行わず、共栄ブレーンに
任せきりにしてしまっていた。
4 今後の対応
①誤って提供されている障がい者就業・生活支援事業のデータについて、ベテスタ及び共栄ブレーンと調
整のうえ、速やかに回収します。
②委託事業において、受託者が替わった際の事業の引継に関しては、職員が必ず立ち会い、内容を確認し
ます。あわせて委託事業における個人情報の取扱いについて、適時確認を行うなど、管理を徹底しま
す。