令和3年1月22日、産業廃棄物処理業者に対して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)第14条の3(事業の停止)の規定に基づき行政処分を行いました。
1 行政処分を受けた者及び処分の内容
(1)
所 在 地:度会郡南伊勢町神津佐1158番地4
名 称:森井建設工業有限会社(代表取締役 森井 一晴)
事業の内容:建築設計及び建築工事業、土木工事業、産業廃棄物収集運搬業
処分の内容:産業廃棄物収集運搬業の全部の停止
(令和3年1月22日から令和3年4月21日までの90日間)
(2)
所 在 地:伊勢市上地町3604番地1
名 称:株式会社近藤建設(代表取締役 近藤 隆男)
事業の内容:土木工事の設計施工、水道工事の設計施工、産業廃棄物の収集運搬業務
処分の内容:産業廃棄物収集運搬業の全部の停止
(令和3年1月22日から令和3年4月21日までの90日間)
2 行政処分の理由
令和2年2月10日、法第19条第1項の規定に基づき、多気郡明和町の解体業者(以下「解体業者」という。)が使用する度会郡玉城町勝田地内の土場に立入検査を実施したところ、木くず、壁土等の廃棄物(約2,000立方メートル)が不適正に保管されていることを確認しました。
このことから、廃棄物の発生経緯等について調査を実施したところ、当該廃棄物は、解体業者が元請けとして行った解体工事や下請けとして行った度会郡南伊勢町五ヶ所浦地内の改修工事(以下「当該改修工事」という。)等から発生した廃棄物の一部であること、解体業者は、このほかにも下請けとして伊勢市朝熊町地内の解体工事(以下「当該解体工事」という。)を行っていることが判明しました。
その後、各工事の元請業者や廃棄物の処理等について調査を実施したところ、当該改修工事の元請業者は森井建設工業(有)、当該解体工事の元請業者は(株)近藤建設であることが判明しました。
また、両社は、各工事で発生した産業廃棄物の処分を産業廃棄物処分業許可を有さない解体業者に委託していることが判明しました。このことは、法第12条第5項違反(委託基準違反)に該当します。
さらに、両社は、書面による契約を交わさず、解体業者に産業廃棄物の収集運搬を委託した上、産業廃棄物管理票を交付せず、解体業者に産業廃棄物を引渡していることが判明しました。このことは、法第12条第6項違反(委託基準違反)及び法第12条の3第1項違反(管理票交付義務違反)に該当します。
(参考)根拠条文(抜粋)
【廃棄物の処理及び清掃に関する法律】
(事業者の処理)
第12条 略
5 事業者(中間処理業者(発生から最終処分(埋立処分、海洋投入処分(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた海洋への投入の場所及び方法に関する基準に従つて行う処分をいう。)又は再生をいう。以下同じ。)が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第7項並びに次条第5項から第7項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除くものとし、中間処理産業廃棄物(発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第7項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。
6 事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。
(以下 略)
(産業廃棄物管理票)
第12条の3第1項 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
(事業の停止)
第14条の3 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めてその事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 違反行為をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。
(立入検査)
第19条 都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、事業者、一般廃棄物若しくは産業廃棄物若しくはこれらであることの疑いのある物の収集、運搬若しくは処分を業とする者その他の関係者の事務所、事業場、車両、船舶その他の場所、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設のある土地若しくは建物若しくは第15条の17第1項の政令で定める土地に立ち入り、廃棄物若しくは廃棄物であることの疑いのある物の保管、収集、運搬若しくは処分、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理若しくは同項の政令で定める土地の状況若しくは指定区域内における土地の形質の変更に関し、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において廃棄物若しくは廃棄物であることの疑いのある物を無償で収去させることができる。