県では、河川・海域の公共用水域及び地下水の水環境保全のため、国土交通省中部地方整備局・近畿地方整備局、四日市市(水質汚濁防止法政令市)と連携し、河川・海域及び地下水の水質を継続的に監視しています。
このたび、令和元年度に実施した水質調査結果について取りまとめましたので、公表します。
1 調査結果
(1)公共用水域の水質調査結果
ア 生活環境の保全に関する環境基準の達成状況
【河川】
河川における有機汚濁の代表的な指標であるBODについては、47河川62水域のうち60水域で
環境基準を達成し、達成率は97%(前年度94%)となりました(表1)。
なお、環境基準点における水質ランキングについては、表2のとおりです。
【海域】
海域における有機汚濁の代表的な指標であるCODについては、4海域8水域のうち全てで環境基準
を達成し、達成率は100%(前年度25%)となりました(表3)。
また、富栄養化の原因物質である全窒素及び全燐(りん)については、4海域6水域の全てで環境基
準を達成し、達成率が100%(前年度、全窒素100%、全燐100%)となりました(表4)。
イ 人の健康の保護に関する環境基準の達成状況
【河川】
49河川59地点でカドミウム等の有害物質(27項目)に係る水質調査を実施したところ、3地点
を除き環境基準を達成しました。
志登茂川、岩田川及び笹笛川の調査地点で、ほう素が環境基準を達成しませんでしたが、いずれも汽
水域であることから、海水中に含まれるほう素の影響によるものと考えられます。
《ほう素の測定結果(年平均値・年2回測定)》
(環境基準:1.0mg/L)
志登茂川(江戸橋)2.0mg/L
岩田川(観音橋) 2.5mg/L
笹笛川(八木戸橋)2.5mg/L
【海域】
4海域8地点でカドミウム等の有害物質(24項目)に係る水質調査を実施したところ、全地点で環
境基準を達成しました。
(2)地下水の水質調査結果
過去に環境基準を達成しなかった地点等を対象とした継続監視調査(表5)については、7地点のうち
2地点で環境基準を達成していました。残る5地点では、依然として、ひ素及びふっ素、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレンが環境基準を達成しませんでした(表5、表7)。
また県内の地下水質の状況を把握するため、県内全域を対象とした概況調査(表6)については、26
地点のうち25地点で環境基準を達成していました。残る1地点では、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環
境基準を達成しませんでした(表6、表7)。
2 今後の対応方針
河川・海域の環境基準を達成、維持していくため、引き続き、工場・事業場の排水規制に係る指導監督
を行うとともに、生活排水管理を推進していきます。また、閉鎖性海域である伊勢湾については、水質総
量削減計画に基づく管理を実施していきます。
地下水についても、県内における汚染の状況、経年変化等を把握するため、今後も地下水の水質調査を
していきます。引き続き、環境基準値を超過するなど地下水の汚染が確認された場合は、利水状況に応じ
て適切に対応してまいります。