県では、河川・海域の公共用水域及び地下水の水環境保全のため、国土交通省近畿地方整備局・中部地方整備局、四日市市(水質汚濁防止法政令市)と連携し、河川・海域及び地下水の水質を継続的に監視しています。
このたび、平成28年度に実施した水質調査結果について取りまとめましたので、公表します。
1 調査結果
(1)公共用水域の水質調査結果
① 生活環境の保全に関する環境基準の達成状況
【河川】
河川における有機汚濁の代表的な指標であるBODについては、47河川62水域のうち61水域で環境基準を達成し、達成率は98%(前年度98%)となりました。(表1)
なお、環境基準点における水質ランキングについては、表2のとおりです。
【海域】
海域における有機汚濁の代表的な指標であるCODについては、4海域8水域のうち5水域で環境基準を達成し、達成率は63%(前年度63%)となりました。(表3)
また、富栄養化の原因物質である全窒素及び全燐(りん)については、4海域6水域のすべての水域で環境基準を達成し、達成率は100%(前年度、全窒素100%、全燐67%)となりました。(表4)
② 人の健康の保護に関する環境基準の達成状況
【河川】
49河川59地点でカドミウム等の有害物質(26項目)に係る水質調査を実施したところ、1地点を除き環境基準を達成しました。
志登茂川の調査地点で、ほう素が環境基準を達成しませんでしたが、汽水域であることから、海水中に含まれるほう素の影響によるものと考えられます。
《ほう素の測定結果(年平均値・年2回測定)》
(環境基準:1.0mg/L)
志登茂川(江戸橋)1.1mg/L
【海域】
4海域8地点でカドミウム等の有害物質(23項目)に係る水質調査を実施したところ、全地点で環境基準を達成しました。
(2)地下水の水質調査結果
過去に環境基準を達成しなかった地点等を対象とした継続監視調査(表5)については、12地点のうち7地点で環境基準を達成していました。残る5地点では、依然として、ひ素、ふっ素、1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンが環境基準を達成しませんでした。(表5及び表7)
また、県内の地下水質の状況を把握するため、県内全域を対象とした概況調査(表6)については、28地点のうち27地点で環境基準を達成していました。残る1地点では、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環境基準を達成しませんでした。(表6及び表7)
2 今後の対応方針
河川・海域の環境基準を達成、維持していくため、引き続き、工場・事業場の排水規制に係る指導監督を行うとともに、生活排水対策を推進していきます。また、閉鎖性海域である伊勢湾については、水質総量削減計画に基づく対策を実施していきます。
地下水についても、県内における汚染の状況、経年変化等を把握するため、今後も地下水の水質調査をしていきます。引き続き、環境基準値を超過するなど地下水の汚染が確認された場合は、利水状況に応じて適切に対応してまいります。